東京女子流   2012/03/13掲載
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小西康陽
仕事に煮詰まると近所のコンビニで何か買い食いするのですが、先日、そんな買い物をして店を出たところで「小西さんっ!」と野太い声の男性に呼び止められ、恥ずかしー、と思いつつ振り向くとそこにはヘッドフォンを被った掟ポルシェさんがいらっしゃいました。いま、女子流の新作を聴いているところで、と仰っていました。
そんな訳で、新しいアルバムを試聴する間、掟さんのゴツい笑顔が頭を離れませんでしたが、こういうのはどうもプロデューサー的な立場で聴いてしまいますね。んー、つまり、SPEEDのアップデイト版なのかな、というのが、いちばんの印象でした。物凄く丁寧に作られているから、却って「自分ならこうする」、と考える部分がピンポイントで浮かび上がる、というか。アレンジとか、完璧ですから。UKソウルみたいで。自分なら、ここに多幸感、というキーワードを加えて作曲する、ということになるのかな。「Rock you!」と「Sparkle」と「We Will Win」 という曲が好みでした。いつかライヴが観たいです。


■Profile
音楽家。1985年に「ピチカート・ファイヴ」のメンバーとしてデビュー。2001年の同バンド解散後は、作詞・作曲・編曲、DJ、リミキサーとして活動。2011年、PIZZICATO ONEの名義で初のソロ作品『11のとても悲しい歌』(ユニバーサル)を発表。2012年2月には片岡義男との共著『僕らのヒットパレード』(国書刊行会)を上梓。現在、神保町サテライツ・アート・ラボにて、4月6日(金)まで、川上尚見・小西康陽・真舘嘉浩 三人展『窓に明りがともる。』開催中。パーソナリティを務めるNHK-FMのラジオ番組『小西康陽 これからの人生。』は毎月最終水曜23:00より放送。
http://www.readymade.co.jp/


掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)
本来なら寺尾聰やショーケンが歌ってないとおかしいド・アダルトオリエンテッドな都会の音楽を、圧倒的な清涼感を持つ朴訥とした少女たちが歌ったら、アイドル歌謡が大人の遊び場として再び機能し始め、オヤジ殺しの危険な音楽が出来上がった---。結果、これまでエイベックスサウンドに無反応だった俺含むオッサンたちがアンチディーバな東京女子流にドハマリし、その著しい多幸感に咽び泣いている。この2ndは、製作陣の“カッコいい音楽を作る”という当たり前のことに対しての異常なまでの誠実さが、これまで以上に全力で投入された血の滲む力作銀盤。昨夏の衝撃も記憶に新しい表題曲や、「Liar」といった黒い魅力満載のシングル群の素晴らしさは言うに及ばず、バニラビーンズをゲストに迎えた「眩暈feat.バニラビーンズ」の紫煙潜るロックと大人への目覚めに震える歌詞でトドメを刺される。聴かずに死ねない死ねるはずがない聴いたら一生聴き続けたいから更に死ねないーッ!!


■Profile
1997年、男気啓蒙ニューウェイヴバンド、ロマンポルシェ。のVo.&説教担当としてデビュー。これまで『盗んだバイクで天城越え』他、8枚のCDをリリース。ミュージシャン以外に、俳優、声優、DJなど、活動は多岐に渡るが、中でも独自の視点からのアイドル評論には定評があり、ここ数年はアイドル関連の仕事も多く、イベントの司会や楽曲のリミックスも手がけている。
公式ブログ「掟ポルシェの赤黒い日記帳」 http://porsche.exblog.jp/


小出祐介(Base Ball Bear)
東京女子流は僕にとって、いま最も信頼しているアイドルです。 
パフォーマンス力やビジュアル力のあるグループが乱立してきている現在のシーンの中でも、「そもそも、素晴らしい楽曲に恵まれている」という、達成したくとも中々達成出来ない「そもそも」を獲得している、希有なグループだと思っています。その土台の安心感は裏切りません。
「そもそも」、音楽としてまず大好きです。
そして、的確に僕のツボを突いてくるんです。
いや、ツボよりももっと深い部分に触れてきます。
僕は子供の頃、父親が車で聴いていた音楽が下地となっているのですが、まさにその部分にピンポイントで触れてくるんです。
僕のノスタルジースイッチを全押しされてしまいます。
いつも、彼女たちの楽曲を聴いているときの頭の中では、父親の運転する車の車窓を流れる景色が再生されているんです。
夕方の高速道路、スキー場に向かう山道、北海道の長い一本道、寝ぼけ眼で見た等間隔に過ぎていく街灯の明り。
歌から、メロディーから、リズムから、グルーヴから、コード感から、ギターリフから、原風景が滲みだしてきます。
…って、ことは、うちの父親も間違いなく好きだろうなぁ。笑
「Limited addiction」のイントロで、「うおー!」とか言ってる姿が容易に想像できます。笑
 東京女子流は僕にとって、少し特別なアイドルです。


■Profile
4人組バンドBase Ball Bearのヴォーカル&ギター。2001年、高校の文化祭に出場するため現メンバーを集めバンド結成。2011年は結成10周年となり、年をまたいだ2012年1月には、2回目となる日本武道館ワンマンを成功させた。4月4日には、その武道館公演の模様を収めた2ndライヴDVD『10th Anniversary tour (This Is The) Base Ball Bear part.2「Live 新呼吸」2012.01.03 NIPPON BUDOKAN』をリリース。雑誌『B.L.T』にて連載『完全在宅主義』を連載するなど、アイドル・ソングに関する造詣も深い。
http://www.baseballbear.com/


吉田豪
去年、ボクは某洋楽専門誌で年間ベスト・アルバムの1位に東京女子流の1stを挙げたわけですが、アイドルっぽいキラキラとした楽曲と、松井寛さんの黒っぽいアレンジと、同世代のグループよりも明らかにメンバーの中身が幼い感じと、それでいて完成度の高いパフォーマンスとのバランスが絶妙で、本当にいいグループになったと思ってます。で、2ndはと言うと“大人な”楽曲も含む“成長と共に踏み込んだ楽曲が揃った”アルバムになったわけですが……。イベントとかで「おんなじキモチ」が他のグループや観客と一緒に仲良く合唱出来るピースフルなアイドル・アンセムになっていることを思うと、そういうキラキラした楽曲が激減して、大人な楽曲ばかりになることには一抹の寂しさも感じたりもして。「大人になんかなりたくない」と歌っている彼女たちが、いまの年齢でしか歌えないような曲がもっと聴きたいです。YMCKミックスをライヴで披露すればいいのに!


■Profile
プロ書評家&インタビュアーにして、現在、雑誌・新聞などでの連載数が20を超えるライター。主な著書は『バンドライフ』、『hon- nin列伝セキララなオンナたち』、『続・人間国宝』、『吉田豪のセメント!!スーパースター列伝』、『元アイドル1&2』、『人間コク宝』、『男気万字固め』。またTBSラジオで放送中の『小島慶子 キラ☆キラ』ほか、テレビ・ラジオ出演も多数。監修を務めたアイドルコンピ『ライブアイドル入門』が発売中!


バニラビーンズ
バニラビーンズのレナです! 今イチオシのアイドルは東京女子流さんです☆と、いつも自己紹介をしているぐらい、東京女子流さんが大好きです! 女子流さんに魅かれたきっかけは、<東京アイドルフェスティバル2010>の記者会見の時で、この記者会見には新井ひとみちゃんと山邊未夢ちゃんが出席されていたのですが、ひーちゃんのなんとも言えないキラキラしたひとみに一撃で吸い込まれてしまいました。
そこから女子流さんにどんどんハマっていったのですが、楽屋で見せてくれる平均年齢14歳のあどけない笑顔と、ステージに立ったときの別人のような表情で踊る、クオリティの高いパフォーマンスとのギャップに、ますます魅かれていっています。
そしてなにより、メンバー5人で500%の力を出し切っている姿と、ステージを心から楽しんでいる姿が本当に大好きです。
今年も東京女子流さんから目が離せません!(レナ)

東京女子流さんは、私の相方レナの大プッシュアイドル!! 私もすっかり虜になっています。五人共、本当に天使のように可愛くて、でもステージでは大人顔負けのかっこよさを見せてくれます。いつもどきどきしちゃいます。楽屋では一緒に遊んだりして、いつもとっても楽しいです。最近、ゆりちゃんは手のツボを押してくれます!(笑)
そんな女子流ちゃんも、これからどんどん大人になっていくんだなぁって思うとちょっぴり寂しくもありますが、でもこれからもずっと応援しています!! アジアツアーやる際にはジェット機でかけつけるからね!!
We love 女子流ちゃん☆(リサ)


■Profile
レナ(左)&リサ(右)による“北欧の風にのってやってきた、清楚でイノセンスな雰囲気を持つオシャレ系アイドル”。東京女子流の2ndアルバム『Limited addiction』の収録曲「眩暈 feat.バニラビーンズ」にフィーチャリング・アーティストとして参加。アイドルファンであるレナは以前よりライヴのMCをはじめ、さまざまな場所で東京女子流のファンであることを公言している。4月11日にはニュー・シングル「チョコミントフレイバータイム」が発売される。
http://www.flowerlabel.jp/vanillabeans/



嶺脇育夫
(タワーレコード株式会社 代表取締役社長)


1stアルバム『鼓動の秘密』最終曲「キラリ☆Album Mix〜Outro〜」から繋がるCHIC「GOOD TIMES」を彷彿とさせるベースラインのファンク・チューンで幕開け。徐々に上がるBPMも前作1曲目「Intro〜鼓動の秘密」と同じ演出。前作以上にソウル・ファンクマナーな楽曲群。70年代から続くアイドルとブラック・ミュージックの親和性を最も過激に更新している。そして、新曲(特に「追憶」)で感じられるヴォーカリストとしてのメンバーの成長。デビューから休みなく活動してきた成果がこのアルバムに結実。「少しは休んだら……」と心配になるくらいのペースで活動し続ける女子流は2012年、さらなる高みに進化するだろう……と、ウダウダ書いていますが、女子流について言いたいことは、めいてぃん(庄司芽生)超絶カワイイ!ということだけかも!? 「庄司芽生Special Offshot Movie on USTREAM」レギュラー祈願!&「ひとみのひとみぼっち」コンプリートBlu-ray BOXリリースをこの場を借りて何卒宜しくお願いします。m(_ _)m(最後アルバムと関係ない話ですいません)


■Profile
中学生の時に忌野清志郎に共感を覚え、忌野に傾倒する青春を送る。1988年、タワーレコード入社。2000年頃、偶然、テレビで観た辻希美・加護亜依がきっかけでモーニング娘。およびハロー!プロジェクトに興味を持つ。社長に就任して以降の2011年6月、アイドル専門レーベルT-Palette Recordsを立ち上げレーベルの代表に。自他共に認めるアイドルヲタとして有名で、数多くの現場で目撃されている。


矢野博康
イベントやライヴなどでワイワイ、キャッキャッやってる女子流ちゃんを観るたびに、いつも僕の中の“小6ゴコロ”は鷲掴みにされます。なんというか、中2でも高2でもなく、小6だったときの自分が活性化する感じです。
こういう気持ちになるのは初めてかもしれません。
さらに彼女たちが歌う楽曲がまた最高で、ダンクラっぽい雰囲気をまとったおしゃれなコード進行とファンキーなグルーヴがたまりません。サウンド・プロデューサーの松井寛さんには最大限敬意を払いたいです。中でも自分に刺さるものにはマイナー調の曲が多くて、それって昨今のJ-POPの中では稀有だなーって思います。新譜ももちろん大好きです。
ああもう、いつまでもがんばってください! 応援してるよ! お願いします!


■Profile
1997年、土岐麻子、沖井礼二とともにバンドCymbalsを結成。2003年のバンド解散後は主にプロデューサーとして活躍。南波志帆をはじめ、さまざまなアーティストの作品を手掛けている。また、これまでに自らが企画するイベント<YANO MUSIC FESTIVALを2回にわたり開催。2011年6月に行なわれた第2回目には堂島孝平、馬の骨(キリンジ堀込泰行)、土岐麻子、南波志帆、秦基博、アイドリング!!!など錚々たる顔ぶれが参加した。作曲を手掛けた南波志帆のニュー・シングル「少女、ふたたび」が絶賛発売中!



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