【Citizens! シチズンズ!】 ヨーロッパ文化の塊を音楽で表現した、ポップでダンサブルな2ndアルバム

CITIZENS!   2015/04/16掲載
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 これまで数多くの人気バンド / アーティストを輩出してきた“Kitsune”より、2012年にデビュー。同年にはトゥー・ドア・シネマ・クラブの来日公演でオープニングを飾り、話題を呼んだロンドン発の4人組、シチズンズ!が、2ndアルバム『ヨーロピアン・ソウル』を発表。これまでさまざまな概念が融合して発展を遂げたヨーロッパ文化の魂を音楽で表現したという、ポップでダンサブルな仕上がりに。フロントマンであるトム・バークが内容について語る。
――3年ぶりとなるアルバム・リリース。バンドにとってこの3年はどういう時間でしたか? 
 「思えばすごく長かったね。自分たちの普段の生活からまた(レコーディングという)現場に戻るっていうのは、なかなか大変だったよ。このアルバムでこの期間が有意義だったか判断されるだろうというのはわかっていたから、それを証明してくれるちゃんとした人材(プロデューサー)を待ってたんだ」
――(前作をリリースして)来日公演も経験しましたが、思い出に残っていることはありますか? 
 「人生でいちばんっていう食事を、渋谷でしたんだ。今思ってもあそこで食べた蟹の爪にかなうものはないね。それとカラオケはいうまでもなく素晴らしく、もちろんファンのみんなの声援も素晴らしかった。もういちばんなんて決められるわけないよね?」
――完成したばかりのアルバム『ヨーロピアン・ソウル』について。いつ頃からアルバム制作をスタートしたのでしょう? 
 「去年の夏、バリでスタートしたよ」
――今回はTranquille Le Chat StudiosにてLaurent d'Herbecourt(フェニックスの最新作『バンクラプト!』にレコーディング・エンジニアとして参加)をプロデューサーに迎えて制作したそうですが、なぜ彼と作業をしようと?  
 「Laurentはフランスでいちばんのリアリストなんだ。会ってすぐに2ndアルバムにトライしていくには、彼みたいな(映画『スター・ウォーズ』のキャラクター)ヨーダ的な人物のガイダンスが必要だとわかったんだ。彼は“フォース”を持ってるね。スタジオに入ってすぐほんの数週間ですべてのものが揃ったんだ! あと、僕らは太陽の光が差し込んでくるようなパリのスタジオには慣れてないんだよね。だから毎夜、スタジオの四方の壁に囲まれた環境でレコーディングをしたんだ。僕らにはそっちのほうがよかったと思うよ」
――前作『ヒア・ウィ・アー』との違いは? 
 「そうだね、前作との差は大きいと思うよ。かなり内省的ではなくなっているし。なにか自分らだけの狭い世界から抜け出してまた新たな素晴らしい世界を発見したかのよう。“希望”が今回のアルバムの中心にあるんだ、たとえ冴えない状況にあったとしてもね。嬉しいことにダンスフロアで雄叫びを上げなから肩を揺らして踊れるものになってるよね」
――リード曲の「Lighten Up」は、どんな気分の時に完成した曲? イントロから盛り上がっていく展開とともに、心が高まっていく楽曲ですね。 
 「ローレンスがオープニングのピアノ・リフを弾き出した途端にたくさんの笑顔がパッと浮かんできて 、わかったんだ。“そう、これがこの曲のすべてだね”って。歌詞のいくつかの部分は動画サイトのストリート・ダンシング・チュートリアルズをみて、そこから浮かんだものを付け加えたんだよ。あんな馬鹿げたものを真剣に習おうなんで絶対に無理でしょ」
――また、この曲のボーナス・トラックでは日本語で歌ったヴァージョンも。なぜ日本語を取り入れようと? 
 「日本のファンに向けた、ちょっとしたサービス(愛情表現)のひとつなんだけどね。前回のツアーで、ファンの子たちから同様の愛情をもらったから」
――また、アルバムには「X-Mas Japan」という曲も。前回の来日がクリスマス寸前で、家族や親しい人と遠く離れてしまったことにせつなさを感じて作ったものなのでしょうか? 
 「これは 感情的にも物理的にも極限まで引き離された関係についての話さ。歌詞にもまさしくそんな感じのことを生々しく描いているよ」
――今回のアルバムでもっともバンドの現在を表現できた曲は? その理由も教えてください。 
 「僕ら、(今回)いろんな方向性を一度にやってみたんだ、それが“ポップ”であれば、という前提で。だからアルバム全体が“現在の僕ら”というものを示してると思うよ。ただ〈Trouble〉がいちばん最後に書き上げた曲だから、言葉どおりにとれば、その曲だね」
――個人的には「Mercy」が、アコースティックとゴスペルの融合みたいな印象でユニークだと思いましたが。この曲はどういう思いで完成させたもの?
 「この曲には、実際に起こった話がたくさん入ってるんだ。 そのサウンド自体はすごくシンプルで、心に抱えてたものが流されるような感じ。そんな曲に限って、いつもアコースティック・ギターを男性が爪弾くようなものが多いのが面白いよね? ローレンス(・ダイアモンド / key, g)がアルバム制作時に、僕らにゴスペルやソウルをいろいろ聴かせてくれてたから、それが素直にそのサウンドやフィーリングに出てきたんだと思う」
cTom Oxley
――今回のアルバム『ヨーロピアン・ソウル』を作ったことで、バンドとして発見したことは? 
 「パリで何軒かかっこいいバーを発見したんだけど、もっと深い話を求めてるんだよね? うーん、それ以上深いのはないかな(笑)」
――また“ヨーロピアン・ソウル”ってどういう音楽に宿ると思いますか? 
 「僕らが最初の“ヨーロピアン・ソウル”で、僕らの音楽以外ではまだないと思う」
――最後に、日本のファンにメッセージを。 
 「みんな元気でいてね! 思ったよりも早く日本に戻れると思うよ。また次はすごい着物を持ってくるからね!」
取材・文 / 松永尚久(2015年3月)
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