ハロプロ スッペシャ〜ル特別版 卒業直前! 宮崎由加(Juice=Juice)ロング・インタビュー

宮崎由加   2019/06/14掲載
はてなブックマークに追加
 ハロプロ スッペシャ〜ル特別版! 6月17日(月)の東京・日本武道館公演をもって卒業するJuice=Juiceのリーダー、宮崎由加のソロ・ロング・インタビューをお送りします。また、6月20日発売の『CDジャーナル』2019年夏号では(新メンバー発表前の6人体制の)Juice=Juiceインタビューも掲載されますのであわせてどうぞ!
宮崎由加
――卒業を6月に控えている今(※取材は5月上旬)、率直にどんな心境なんですか?
 「昨日まではずっとふわふわしてて。あんまり考えないようにしてたのかなんなのか、実感は全然なかったんです。でも昨日〈25歳永遠説〉のミュージックビデオが上がってきて、それを見たときに“あれ? 私卒業するんだ”って。だから昨日から実感し始めたばかりなんです」
――MVがかなり卒業を意識させる内容なんですね。
 「(宮崎が卒業する)武道館公演の前日という設定で。6月16日にみんなでお泊りしていて、私が一足先にみんなより先に起きて、何かを思い立って金沢に帰ってしまって。みんなに心配されたりするんですけど、ただ地元の“柚子乙女”ってサイダーを買いに行っただけだったという、ちょっとおバカさんみたいな受け取りかたもできるし、切ない印象もあるMVになってます。メンバーカラーの入ったカラフルな傘をずっと持って移動してるんですけど、柚子乙女を買った場所に置き忘れるんですよ。それもただのおバカさんにも見えるし、私はもうひとりで大丈夫だよって捉えかたもできる。それはすごくいいなと思いました」
――この記事が出る頃にはMVも公開されて反響もあるでしょうね。逆に、MVを見る以前はJuice=Juiceにいない自分というのは想像していなかった?
 「考えようとしてなかっただけかもしれないですね」
――日々やることがたくさんありますしね。
 「たしかにそれもあります。自分の卒業が決まって、やな(梁川奈々美)が先に卒業して、わりとスケジュールが詰まっていたので(笑)。私がこんな感じだから、メンバーのみんなもあまり意識せず、いい意味で今まで通り過ごせてたのかなと思ってます。ただ、ひとつ思うのは、植村あかりが最近甘えん坊になってきてて」
――その話はほかのメンバーからも出ました(6月20日発売CDジャーナル2019夏号参照)。
 「ひさしぶりに甘えん坊になったのを見てると、何も考えてない末っ子だったこの子も(宮崎の卒業を)意識してるんだなと」
――宮崎さんは寂しいなと思います?
 「毎日会ってた子たちと会わなくなるのかと思うと寂しい気持ちもあるんですけど、寂しいと悲しいは違うじゃないですか。その意味で悲しくはないし、これからやりたかったことに挑戦していく自分もすごい楽しみなので、すごく前向きな気持ちですね」
――梁川奈々美さんが卒業する前の宮崎さんはものすごく寂しそうで、必死に止めようとした話もしていたじゃないですか。そんな人が自分の番になったらどうなるんだろうと思っていたんです。
 「わりと落ち着いてますよね(笑)。Juiceはみんなめちゃめちゃかっこいいんですよ。私がいなくなったらどうなっちゃうんだろうっていう不安が全然ない。純粋に、私はJuiceのライヴを見に行けるんだワクワクって感じなんですよ。今までは生で見れなかったので」
――演者側ですからね。宮崎さんは不安がないと言ってますけど、ほかのメンバーは不安だらけみたいでしたよ。
 「どこかですか! 何もないですよ!」
――たとえばインタビューの場で、誰から話すんだろうというのも手探りな感じで。
 「ああ(笑)。たしかに大抵は私が最初に喋ってたかもしれない。グループが始まった当時は何もわからなかったんですけど、私が喋ってる間にきっとみんなが考えてくれると信じて、全然答えられないようなやつでも最初は私が喋り出すんですよ。だから全然まとまらないまま話が終わったりするときもかなりありました(笑)。いつの間にか定着してましたね。人数が増えたときは、簡単な質問は誰かが喋ったほうがいいと思って待ってみたりもしたんですけど、そしたら誰も喋らなくなっちゃったので、やっぱりまずは自分が行ったほうがいいのかなと思ったり。こういうのは相談して決めたわけでもなくて、自然と流れができていったんですよね。長く一緒にいるってこういうことなのかなって。でもさっきみんなが取材受けてるとき、ケラケラ笑ってるのが聞こえてきましたよ。なんだ楽しそうじゃんって思いましたよ」
――いい話はたくさん聞けたと思います。8人から7人、7人から6人になるスパンが短いので歌割りやフォーメーションの対応は大変そうだなとは思いました。
 「8人から7人になったときは(稲場)愛香が大変だったんですよね。できる子なのでやりきってくれちゃうから逆に心配になっちゃって。めちゃめちゃいろいろ気を使っちゃう子なので。愛香は自信を持ってやってくれればこの先大丈夫だなと思ってますけど」
――宮崎さんがメンバーの話をするときはいつもリーダーらしい優しい目線を感じます。
 「最初のバラバラすぎて形になっていないJuice=Juiceを知っているからかもしれないです。ハロー!プロジェクトのグループとしてなんとかしなくちゃっていう思いはすごい強かったので。このままじゃダメだっていう焦りが強かったんですよね。まだ“220ツアー”が始まる前とかはとくにもどかしかったと思います。みなさんに好きになってもらうにはどうしたらいいんだろうってそれぞれが思っていて。一生懸命作ってきたJuice=Juiceだからこそもっとこのグループを守っていきたいって思ってましたね」
宮崎由加
――せっかくなので遡って聞いていいですか? Juice=Juice結成前はGREEN FIELDSのメンバーとしてデビューしたじゃないですか。その頃はどんなことを考えて活動していたのでしょうか。
 「私、何になるんだろうって思ってました。とりあえずレッスンの日々。当初はハロプロ研修生に入るのかなって雰囲気もあったんですけど、年齢的なこともあったのかな。当時の研修生はちっちゃい子ばっかりだったんです。それもあってか、研修生とは別のところでずっとレッスンしてたので、多分別の何かをするんだろうなとは思っていたんですけど、石川から出てきたばっかりだし、何が何だか全然わからなくて。ここで頑張ればデビューできるとかも思ってなかったです」
――まさに右も左もわからない状態で。
 「わからないまま日々東京で過ごす……とにかく寂しい……みたいな感じでした(笑)。田あさひちゃんが唯一の仲間で。デビューできるかどうか不安っていう気持ちもまったくなくて、私は今、何してるんだろうとしか思ってなかった。というくらい何もわからない子でした。もっと遡ると、オーディションを受けたのも、私はどうしてもアイドルをやりたかったからというわけでもなかったんですよね」
――そうだったんですね。
 「道重さゆみさんをテレビで見て、“道重さんのいる世界はどんなところなんだろう? スマイレージさんがオーディションやってる。そこに行ってみよう”っていう感じです。本当にナメてたと思います」
――動機はそのくらい単純だったりしますもんね。
 「だからなれるともなろうとも思ってなかったし、ふわふわしたまま道重さんのいる世界のオーディションへの好奇心で受けちゃったんですよね。ハロプロは落ちちゃったんですけど、その後に“FOREST AWARD”のオーディションを受けたら、この先レッスンを受けてくださいということになって」
――そしてGREEN FIELDSとして2012年10月にデビューして、それから半年も経たないうちにJuice=Juiceになり。
 「え? 私?って思いました。そのちょっと前からダンスレッスンが始まってたんですよね。それまでは歌とピアノのレッスンしかしてこなかったけど、歌うのにリズム感も大事だからなのかな?と思ってやってたんですよね。そしたら、ある日、あっちの部屋に行ってくださいと言われて」
――新ユニットのメンバー発表があったときですね。
 「で、あなたは新ユニットのメンバーになりますと言われたときは無理無理無理って思いました。だから当時の映像を見るとずっと固まってます。思考停止状態でした」
――アイドルになりたいと強く思っていたわけでもなかったし。
 「その思考回路がなかったです。でも、スマイレージさんのオーディションで歌には歌詞があり意味があって楽しいなということを知って、そこで落ちちゃったのが悔しかったから『FOREST AWARD』を受けたんですよ。やる気がないわけではなく、せっかくチャンスがあるならやりたいなという気持ちではいました。田舎からせっかく出てきたしっていう」
宮崎由加
宮崎由加
――Juice=Juiceが始まってからは怒涛の日々ですよね。ダンスレッスンも少し前から始めたくらいなのに。
 「本当に大変でした。私のことを選んだ人め……っていう(笑)。できない子を選んじゃダメだよって会社にすごく言いたかったです。(宮本)佳林ちゃんとかはグループに入れなかった期間にもどかしい気持ちがあったと思うんですけど、私は入ってからが本当につらくて。何もできないのになんで? 私はハロー!プロジェクトのステージに立っちゃダメな人だよってずっと思ってました。できないのに立つのがいちばんだめ。初期はずっと寝てなかったです」
――それは自主練で?
 「でも、寝ないからってできるわけじゃないんですよ。ハロー!プロジェクトは基本的に自分で覚える制度なんですけど、どこから手をつければいいのかわからない。1番と2番のAメロが同じってことすらわからないし、体をどう動かせばどう見えるのかもわかなくて、時間だけが過ぎちゃって。なんとなく形にしなくちゃいけないんだけど、本当にわからないので……今思うと可哀想な子でした」
――自分でそう思うくらいの(笑)。それでも心折れずに続けられたのはなんでだと思います?
 「多分、石川から出てきたからだと思います。東京に住んでたらすぐに辞めてたと思う。めっちゃ負けず嫌いなので、このまま帰るのは自分が許せなかったんです。それに、当時は少ないながらも自分を応援してくれる人がいたので」
――辞めたいと思うこともあったわけですね。
 「毎日思ってましたよ……でも、イヤなことはすぐ忘れるのであんまり覚えてないかも。別のときに聞かれたら全然違うこと言ってたかもしれない(笑)。とにかく毎日必死でした」
――グループが誕生して4ヵ月後にはリーダーになりますが、そんななかで任命されたら。
 「もう大パニックです。なに言ってるんだって。私自身認められなかったし、ファンの人も誰も認めないよって思ってました。ハロー!プロジェクトのグループのリーダーがこんな人でいいわけないって困ってましたよ……ってわりと最近まで困ってましたけど(笑)。私は別の意味で逸材だったと思います。こんなダメな人は今後絶対にハロー!プロジェクトに入ってこないですよ。ここまで来るとハートが弱いのか強いのかわからないですよね」
――リーダーの自覚はどのくらいのタイミングで芽生えたのでしょうか。
 「言われて3日後くらいに」
――意外と早い!
 「それまでは私は何もできないから喋るべきではないと思っていて。初期のJuice=Juiceはなかなかの荒れ放題だったじゃないですか」
――自由な子供って感じでしたもんね。
 「私と(金澤)朋子は大人でしたけど、ちっちゃい子たちは脱いだ服を畳むことも知らないレベルで。そういうことを注意していいのかもわからなくて何も言わなかったんですけど、歌とかダンスは(高木)紗友希ちゃんとか佳林ちゃんから学ぶから、逆に私は18年間生きてきて知った普通のことを教えよう、お互い教え合えばいいんだと思って。いろんなかたからいろんな話を聞くうちにそういう関係になれればいいっていうことに気づけたので、(リーダーの)自覚みたいなのが出るようになったのかもしれないです」
――最も大変だったのはやっぱり“LIVE MISSION 220”ですか?
 「体力的な面でつらかったのはそうです。大きな出来事としては“220”ですね。でも後から思うと、Juice=Juiceっていうグループを作っていくのが大変だったかもしれない。本当にバラバラだったから。一度みんなで大ゲンカしたことがあって。Juiceを良くするためのケンカだったんですけど」
――どういう言い合いがあったんですか?
 「2014年の冬かな? 〈背伸び〉を出した時期で。お互いが別の方向を向いていて、私はわからないところはみんなで確認すればいいと思うんですけど、自分はできてるからその時間はほかの時間に当てたほうがいいっていう子もいて。それぞれがJuiceをもっと良くしたいと思っていたから、チグハグになっちゃって。で、お互い言いたいことを言おうっていう会を一度作って、そこで派手にケンカしました(笑)。あなたのここがイヤだとかをちゃんと言って」
宮崎由加
――ちゃんと話せたのがよかったですね。
 「それがあってからの“220”だったりしたので、いいところ悪いところのすべてを受け入れられて今があるんだなって思います。必死になってみんなで作ってきたグループだからこそ、今はこんなに素でいられる。思い返すと、どうしたら私たちは認めてもらえるんだろうって模索してる時期が一番つらかったな」
――今は心に溜め込まずに言えるということは金澤さんも言ってました。
 「めっちゃ何でも言いますね。ツアーでギュッとしてからはとくに」
――“220”ツアーは本当に大変そうでした。
 「どれだけご褒美がもらえるとしても私はやらないってみんな言うと思います。ということも何十回も言ってますよね(笑)。でも自分たちで決めたことだし、やると言ったらやるって感じだったんですけどね。みんな負けず嫌いなので。得たものもすっごい大きかったですし。そこで出会えたファンのかたには本当に感謝してます。でも……もうやらない(笑)」
――よっぽどですね。
 「ズタボロの時期もありましたし。精神的にもやられていたかも」
――体力的なことよりも精神的な負担がかかってたんですね。
 「完全にメンタルでしたね。この先何十年もネタにしますよっていうくらい過酷でした。ライブハウスの楽屋って文字がいっぱい書いてあるじゃないですか」
――日々サインが増えていきますよね。
 「もうその文字全部に怒られてるみたいで」
――それは相当やられてましたね(笑)。
 「でも、みなさんには来てくれてありがとうってことだけを伝えたいです。詳しい話は10年後にでも(笑)。だからこそ、“220”が終わっての武道館は人生で一番楽しかったんですよ。私はJuiceの子たちが大好きなので、このなかにいられるというのが本当に誇らしかったです。その武道館で卒業ライヴをできるのもすごい嬉しい。これでJuice=Juice人生を終われるなって思いました」
――新メンバーが入り、Juice=Juiceは続いていくグループになりました。
 「5人時代が好きだった人には寂しい思いをさせてしまったかもしれないですけど、私はみんなでそうやって頑張って作ってきたJuice=Juiceをこれからどう発展させていけばいんだろうって考えていて。続いていくグループになったのはすごく嬉しいことだなって思います。それに、本当に逞しい子たちじゃないですか。メンバーが入ってきてくれたことでJuice=Juiceを見てくれる人がたくさん増えましたし。変化というのはこわいものですけど、どんどん新しい挑戦をしていかないとキープはできないじゃないですか。変化がどう転ぶかはわからないけど、挑戦していくグループになれるのは素敵なことだと思います。私が卒業してからも、今のJuiceが一番いいねって思ってもらえるグループになってほしいなって思います」
――卒業までにやっておきたいことはありますか。
 「今、めっちゃワガママ聞いてもらってるんですよ! 写真集も出させていただきますし、バスツアーもやりますし、ホールツアーもいっぱい行きますし、セットリストもたくさん相談してますし。マネージャーさんが大混乱中だと思います」
――そんな混乱は気にせずやりたいことをやれているわけですね。
 「だって私が喜んでもらいたいのはファンの人ですから。内々の見えないところは別にいい。だからマネージャーさんを困らせてもいいんです! 最後の最後で遠慮して後悔したくないので、いいものを見せるのが大事。だから全然悔いなく卒業できると思います。あとは……新しいJuiceを早く中野サンプラザで見たいですね(笑)」
New Single
「ひとりで生きられそう」って
それってねえ、褒めているの?/25歳永遠説

(hachama・HKCN-50618/通常盤A)
※初回限定盤A、B、SP、通常盤Bも同時発売
取材・文/南波一海
Interview & Text by Namba Kazumi

撮影/品田裕美
Photo by Shinada Hiromi
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] Carpainter ジャパニーズ・テクノへの懐古と再構[インタビュー] chay 「今の時期だからこそ歌えた歌」心の成長や変化が昇華された新作
[インタビュー] みずからを解き放ち、どこへでも自由に羽ばたいて行ける――ミロシュの復帰第1作『サウンド・オブ・サイレンス』[インタビュー] 大阪在住の4人組、POP ART TOWNの1stアルバムに満ちるフレッシュなポップ・センス
[インタビュー] 大切なのは生活リズムのメリハリ。“睡眠研究の権威” 西野精治教授が監修する眠りと目覚めのクラシックCD[インタビュー] のろしレコード 松井文、折坂悠太、夜久一、シンガー・ソングライター3人が出会って生まれた歌
[インタビュー] ピアニスト、ユップ・ベヴィンが映画『楽園』に提供した寂しさと希望の共存する音楽[特集] 1日だけのポイントカラーを楽しむ毛髪着色料「PAF 1-day hair tint」×ファッション・アイコン「lol」が盛り上げる「特別な1日」
[インタビュー] インドで生まれ、アメリカで学び、現在は日本で活躍する異色のシンガー・ソングライター、teaがメジャー・デビュー・アルバム『Unknown Places』を発表[インタビュー] ジョヴァンニ・アレヴィ ポップからクラシックまでジャンルを横断するイタリア出身のピアニストの“愛のアルバム”
[インタビュー] 高野寛 デビュー30周年の締めくくりとなるアルバムは“今”を表現する原点回帰作[インタビュー] 第2番の協奏曲には“青年ベートーヴェン”の力強さがみなぎっている――ピアニスト児玉麻里、〈東芝グランドコンサート2020〉に出演
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015