踊るヴァイオリニスト×気鋭の歌い手「RiO楽曲制作プロジェクト」

RiO(vn)   2022/03/18掲載
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 「踊るヴァイオリニスト」として活動するRiOの新曲「イミテーションランデブーfeat.InvaderT(インベーダーT)」が、3月18日より各配信サイトにて配信開始。同曲は、「鍵盤屋SAEKO」こと野口紗依子が作詞・作曲を担当し、初音ミクのヴォーカルにヴァイオリンを重ねたヴァージョンを原曲に、歌い手のInvaderTが歌うコラボレーションに発展したもの。一度聴いたら忘れられない中毒性を持った楽曲について、初音ミクや歌い手というネット発信?の文化にクラシックの代名詞であるヴァイオリンが加わった、ジャンルを超越したコラボの首謀者である、RiOとInvaderTによる対談が実現した。
――RiOさんは、InvaderTさんに対してどんな印象をお持ちでしたか?
RiO「歌声を聴いた時に、純粋にすごく好きな声だったんです。今回歌っていただいて、私が言うのも変ですが、原曲を越えちゃったんじゃないかと思うほどすごく良くて!楽曲とInvaderTさんの声の相性がすごくあったんだろうと思います。実際に歌ってもらう前に、YouTubeの動画でたくさん聴かせていただいて、きっとあうだろうとは思っていましたが、予想以上ですごく嬉しかったです」
InvaderT「ありがとうございます!僕自身、ヴァイオリンの方とのコラボしたことがなかったので不安要素がたくさんあったのですが、いざレコーディングを始めてみたらすごく楽しくて。完成した音源も、僕が楽しいだけではなく、RiOさんのヴァイオリンも引き立てることができたと思うし、すごくいい音源になったと思います」
――ヴァイオリンとボーカロイドの融合をテーマにプロジェクトが動き出し、最初に初音ミクが歌っているヴァージョンがYouTubeにアップされました。ヴァイオリンとボカロは縁遠い存在というイメージだったので、この企画は目からうろこでした。
RiO「この企画をスタートさせたきっかけとして、ずっとヴァイオリンをやってきて、歌詞を表現できないのが悩みのひとつでした。これまでインストの楽曲を発表してきましたが、じつは制作時に歌詞が付いているものもあるんです。それで歌手の方とコラボした時に、世界観や物語の伝わりやすさがまるで違っていたんです。そういう経験もあって、歌詞を伝える手段として、ボーカロイドを使うのはアリじゃないかと思いました。だからヴァイオリンとボカロがコラボすることに対して、違和感はまったくありませんでした」
――そもそもRiOさんは、ボカロの曲や歌い手をお好きだったのでしょうか?
RiO「ボカロの曲はカヴァーもしてますし、もともと好きだったんです。一番好きだったのは、supercellさんの〈メルト〉ですね。少し前に40mpさんの〈からくりピエロ〉もカヴァーさせていただきました。あと、歌い手さんと舞台で共演したこともあって、それがきっかけで歌い手さんに対しても興味が湧いたので、自分の中ではそれほど遠い世界ではないと思っています」
――InvaderTさんにお声がけしたのは?
RiO「歌い手さんに歌ってもらったらいいんじゃないかという案をスタッフさんからいただいて。何人か候補を聴かせていただいた中で、InvaderTさんのお声にスタッフ一同“いいね”となったんです」
InvaderT「最初にお話をいただいた時はすごくびっくりしました。今まで“楽曲を歌ってください”という依頼をいただいたことがなく、自分が気に入った曲を歌ってきたので正直不安が大きかったです。もともと高音域を出すのが得意ではないので、サビの音域が自分の音域では足りないかもしれないと思い、 “もしかするとキーの変更をさせてもらうかもしれません”とご相談させていただいたのですが、いざレコーディングしてみると自分が一番気持ち良く出せる音域だったので、とても歌いやすかったです。一般男性からするとだいぶ高いキーですけど、レコーディングの前に結構練習したのでその成果が出せたのかもしれません」
――最初に曲を聴いた時は、率直にどういう印象でしたか?
InvaderT「今風と言うか、世の中で流行っている曲調にうまくヴァイオリンがハマっていて、若い人にも聴いてもらえる楽曲だと感じました。それに僕は普段、ギターやシンセが目立つ曲を中心に聴いていて、カヴァーするボカロ曲も打ち込みのオケがほとんどです。そのためヴァイオリンやピアノといった生楽器の音がとても新鮮で、迫力がまるで違うと思いました」
――作詞・作曲は野口紗依子さんですが、曲作りの前段階でRiOさん側から何か要望は伝えたのですか?
RiO「今まで聴いてきてくれた人に対して、“新しいRiOを見せられる曲にしたいです”と、お伝えしたぐらいです。紗依子さんには、今までも何曲か書いていただいたことがあったし、ボカロPをされていた経験もある方なので、今回の企画にうってつけだと思ってお願いをしました」
――あとで歌い手さんが歌うことも前提に作られていたんですか?
RiO「作った段階では、歌い手さんに歌ってもらうことが決まっていたわけはなかったので、“歌ってもらえたらいいね”という希望100%で作ってもらった感じです。せっかくの機会だから、いろんな人に“歌ってみた”でカヴァーしてほしいという希望はありました(笑)」
――個人的には、リズムが変わってジャズ調になって、歌がラップっぽくなるところがシビれました。
RiO「私、その部分についてずっと聞きたかったことがあって。今おっしゃっていた、しゃべりかけるような歌になるBメロのセクションは、InvaderTさんなりにアレンジしていると感じたんですね。初音ミクちゃんの通りじゃないというか、そこの感じ方というか。しゃべっている感じなのにちゃんと歌になっていて、素敵なアレンジだなと思いました」
InvaderT「ありがとうございます。今までラップとかセリフっぽく語りかけるメロディは歌ったことがなかったので、このパートは一番時間がかかりました。初挑戦だったし、自分でもどのニュアンスがいいのか正解がわからなくて、本当にたくさんのパターンを録り直しました。でも、どれもしっくりこなくて、最後に何も考えず素で歌ってみようと思って録ったのが今のテイクです」
――何パターンぐらい録ったんですか?
InvaderT「このパートだけで100回は録ったと思います」
RiO「そんなに!」
InvaderT「サビはスラスラいけたのですが、Bメロは1日で終わらなくて日をまたいでレコーディングしました。その100回は大変だったけどすごく楽しかったし、新しい自分を見つけるための作業だった気がします」
InvaderT
――RiOさん的にも、新しい自分を見せられたところはありますか?
RiO「Bメロのジャズ調のサウンドは、リズムがスウィングしているんですね。こういうヴァイオリンを弾いたのは自分の中では初めてで、ちょっと大人な一面を出せたんじゃないかと思います。今まではカチッとした音源をカチッと弾くことをやってきたので、枠を気にせず自由に弾くのは初めてで、すごく新鮮で楽しかったです」
――ヴァイオリンと歌の共演ということで、InvaderTさんは、ヴァイオリンの邪魔にならないようにとか、ヴァイオリンを活かすようになど、何か意識しましたか?
InvaderT「“ヴァイオリンに負けないように歌う”という意識が強かったです。というのも、歌い手の動画をよく見る方は生のヴァイオリンが流れている音源をあまり聴いたことがないと思うので、ヴァイオリンの音に慣れていないぶん、すごく耳に入ってくるのではないかと思ったんです。いつもどおりの感覚でいると、歌よりヴァイオリンにみんなの意識がいってしまうと思ったので、ヴァイオリンの存在感に負けないようにしなければと思いました」
RiO「InvaderTさんは、私が先に録ったヴァイオリンが入ったオケに対して歌ってもらったのですが、私はミクちゃんが歌っている音源に対してヴァイオリンを弾いたんです。私がその時に意識したのは、バーチャルの世界に生楽器をぶつけるような感覚でした。ミクちゃんの歌を支えるとか縁の下の力持ち的な意識ではなく、現実世界とバーチャル世界を音でぶつけ合うような感じを意識しました。InvaderTさんが今“ヴァイオリンに負けないようにした”と言ってくださったのは、きっと私のそういうぶつけ合う感覚が伝わったのだと思います」
――そういう相乗効果は、コラボの醍醐味ですね。
RiO「はい。そういう意味でも、勢いのあるアウトロはすごくお気に入りのポイントです。最後に自分のヴァイオリンが入る直前まで、InvaderTさんの声が勢いよく伸びているんですね。それによって自分のヴァイオリンが、より伸びやかに聴こえるようになっていて。そこは完全にボカロを越えたなと思いました。ミクちゃんの歌だとクレッシェンドしてヴァイオリンに繋げるのは難しいのですが、InvaderTさんは自分のヴァイオリンが入る直前まで盛り上げてくれて、自然とヴァイオリンに繋がっていく。こういうことができるのは、やはり人の声だからだなと思います。ミクちゃんヴァージョンもInvaderTさんのヴァージョンも、ヴァイオリンは同じなのですが、“録り直したんじゃないか?”と自分でも驚きました。ぜひ聴き比べてもらえたら面白いと思います」
InvaderT「意識的にやったわけではなかったので、今のお話を聴いてすごく嬉しかったです。でも確かに思い返してみると、そうだな〜って思いました」
RiO
――InvaderTさんから、RiOさんに質問はありますか?
InvaderT「この〈イミテーションランデブー〉という曲に対する、RiOさんなりの思いみたいなものを聞きたいですね。歌詞も含めて、この曲ができた時にどう思われたのかとか」
RiO「まず最初に、歌詞をストレートに表現できる喜びがありました。自分のオリジナル曲で歌詞が伝えられることが、とにかく嬉しかったです。そして歌詞の内容が、現代っぽい内容で、私自身は歌詞に出てくるような悩みを持っているタイプの人間なので、とても共感しました」
InvaderT「意外です!」
RiO「皆さんが私に持たれているイメージは、キラキラとした華やかさだったりが多くて、“悩みがなさそう”とよく言われるのですが、まったくそんなことはなくて。陰キャまではいかないけど、けっして陽キャではないんです。持たれているイメージと自分の内面にギャップがあって、いつもちぐはぐした感情を持っていて。そういう人間側の感情が、この歌詞では表現されていたので、聴いてすごく心地良かったです。自分のことをもっと知ってもらえるチャンスでもあると思って、すごく嬉しかったです」
InvaderT「歌詞で言うと僕は、サビ前の“堕ちた闇の底は わりと奈落だった”というフレーズが胸に響きました。自分もネットで活動していて、いい時と悪い時の波を経験しているので、落ちた時の底が見えない怖さと言うか、どこまで自分の評価が落ち込んでしまうのだろうという恐怖を知っているので、“ああ、確かにそうだな〜”ってすごく共感しました」
――RiOさんからInvaderTさんに聞きたいことはありますか?
RiO「私はヴァイオリンを始めたことに大きなきっかけはなくて、ただ幼少期に習っていたから続けている感じなんです。ピアノやヴァイオリンをやっている人にそういう人が多いんですけど、歌い手さんは何から影響を受けているのか、投稿するようになったきっかけなど、今に至るまでのルーツを伺いたいです」
InvaderT「僕はボカロ曲を初めて聴いた時、機械の音だという第一印象が強くてハマれなかったんです。でも曲は好きだったので、生で歌っている人はいないかと思って調べたのが歌い手を聴き始めたきっかけでした。最初は“nana”という動画投稿アプリに歌を投稿していたのですが、そこで聴いてくれる方が増えて、もっとたくさんの人に聴いてもらうためにニコニコ動画に投稿するようになりました」
RiO「じゃあ“nana”で歌っていた時は、結構ライトな感じだったんですね」
InvaderT「そうですね!」
RiO「なるほど」
――RiOさんは、今後もこういったネット界隈の方とのコラボをしてきたいですか?
RiO「続けていきたいです。やっぱり自分だけでは表現できない楽曲の良さがあることを、今回のコラボで、より実感しました。歌ってもらうことによって、解放される魅力があるというか。できるなら第2弾もやりたいです」
InvaderT「自分も、クラシックやジャズなど、いろんな音楽ジャンルに手を出してみたいと思いました。お話をいただければ、いつでも歌います!」
――もし、またRiOさんとInvaderTさんとで第2弾をやるとしたら、どんな曲がいいですか?
RiO「今回の〈イミテーションランデブー〉は、歌詞は暗めだけれど曲調がポップでキャッチーなメロディだったので、次やるとしたら逆に歌詞がポップで曲調がダークなものをやってみたいと思いました」
InvaderT「僕自身は、明るめだったりアップテンポの曲が好きなので、ダークな曲にも挑戦してみたい。それに今ネットの世界でもダークな曲調が流行っていて、Adoさんの〈うっせえわ〉はその最たるものですけど、そういうところにもマッチするのではないかと思います。もしくは、RiOさんのヴァイオリンがより映えるような、爽やかな楽曲もいいですね」
――今回のコラボをきっかけに、それぞれのフィールドの活動にどう繋げていきたいか、今後の展望などお願いします。
InvaderT「〈イミテーションランデブー〉は、TBS系『ひるおび!』のエンディングテーマに起用していただいたのですが、自分が担当させていただくなんてすごく光栄でした。しかも、それによってすごく多くの方に名前を知ってもらえました。これからももっと大きな舞台に立てるように頑張っていきたいと思います」
RiO「私も、お茶の間に自分のヴァイオリンの音色が響いた時は、親族がすごく喜んでくれて嬉しかったです。今はヴァイオリンを弾いている方が、TikTokやYouTubeなど、どんどんネットに進出してきているので、昔よりは身近になっているんじゃないかと思うんですけど、やっぱり今でもヴァイオリンというだけで敷居が高く感じてしまう方が多いのも事実です。難しそうだと思われたり。そういうレッテルが取れて、ヴァイオリンがもっと親しみやすくなったらいいな、ずっと思っていて。ボカロや歌い手さんが入り口であっても、いずれはインストの音楽やヴァイオリンにも興味を持ってもらえるよう、もっと頑張りたいと思っています」
――RiOさんは、ダンスしながらヴァイオリンを弾いていて、それもヴァイオリンを気軽に楽しんでもらうためにやっていることですよね。
RiO「はい。頑張っています!〈イミテーションランデブー〉でライヴをやる時があったら、またちょっと踊ってもいいかなと思っています。でも、InvaderTさんと一緒にやることになったら、一人だけ踊っているのもおかしいので、ぜひ一緒に踊ってほしいです(笑)」
InvaderT「ええ〜!ダンス経験は皆無ですけど、その時は頑張らせていただきます(笑)」
取材・文/榑林史章
Live Information
〈RiO&vol.25〉
2022年5月14日(土)神奈川 溝ノ口劇場
昼の部 13:00開場 / 13:30開演
夜の部 18:00開場 / 18:30開演
チケット:現在発売中 
抽選先行受付:3月18日(金)12:00〜3月27日(日)23:59

昼の部チケット
夜の部チケット

〈はんぶんこLIVE 2022〉
3月21日(月・祝)東京 大岡山劇場
チケット発売中

1部〜初ライブはまさかの路上じゃない?!〜
2部〜今年もガンガンいくよ!〜
出演情報
RiO「イミテーションランデブー feat.InvaderT」がTBS系テレビ『ひるおび!』3月度エンディングテーマとしてOA中
「イミテーションランデブーfeat.InvaderT(インベーダーT)」全国音楽情報TV「MUSIC B.B.」にて3月14日〜27日までMVオンエア中

全国音楽情報TV「MUSIC B.B.」にてコメントオンエア決定
放送日時:3月28日〜4月3日

全国音楽情報TV「MUSIC B.B.」にてインタビュー出演
放送日時:4月4日〜4月10日
※放送局によって時間が異なりますので、詳しくは番組HPをご覧下さい。
※放送局都合により、一部変更となる可能性がございます。予めご了承下さい。
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