次代に歌い継ぐべき不朽の名曲たち――畠山美由紀、昭和の演歌・歌謡曲を歌う。

畠山美由紀   2014/09/11掲載
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畠山美由紀『歌で遭いましょう』をアナログで | 畠山美由紀『歌で逢いましょう』インタビュー
 美空ひばり「悲しい酒」、藤 圭子「圭子の夢は夜ひらく」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」、布施 明「シクラメンのかほり」など、演歌・歌謡の名曲をカヴァーした畠山美由紀の新作『歌で逢いましょう』がとにかく素晴らしい。ショーロクラブの沢田穣治をプロデューサーに迎え、バンドの演奏と共に一発録音された本作において、彼女は持ち前の表現力豊かな歌声で、原曲が持つ不朽の輝きに新たな光を加えると同時に、原曲の根底に流れる生々しい生命力のようなものも見事にあぶりだしている。歌い手として更なる境地に到達した感のある彼女に話を訊いた。
――今回の作品は、まさに出るべくして出た感じがしました。
 「ほんとですか? 嬉しい」
――そもそも畠山さん自身、歌謡曲を聴いて育ったわけですよね。町内のカラオケ大会でペギー葉山の「学生時代」を歌ったのが、人前で歌を歌った初めての体験だったっていう。
 「そうそう(笑)。地元の盆踊り大会かなんかで、やぐらの上で歌って」
――ペギー葉山は親御さんの影響で?
 「よく覚えてないんだけど、テレビか何かで流れてたのを覚えたんでしょうね。特に親がペギー葉山さんのファンだったってわけじゃないですけど」
――なぜか惹かれるものがあった?
 「そうですね。全然理由はわからないんだけど」
――他はどういう曲が好きだったんですか?
 「幼少期は普通に流行ってた曲が好きでした。(松田)聖子ちゃん(中森)明菜ちゃんとか。だから演歌や懐メロが好きとか、特別そういうわけでもなかったんですよね。たまたまテレビから流れてくる曲を好きになる感じで」
――80年代ぐらいまでは、歌番組やバラエティ番組でも、ポップシンガーやアイドルに混ざって普通に演歌歌手が歌ってましたからね。
 「先日、リリー・フランキーさんとお話させてもらったときも、そういう話になったんですけど、昔はジャンルに関係なく、いろんな歌手が同じ番組に出てましたからね。子供も普通に演歌とか口づさんでたし。それに実際、いい歌ばかりだったじゃないですか」
――純粋にあの頃はいい歌が多かったですよね。っていうと、なんかオヤジっぽいですけど(笑)。
 「でもほんと、そう思いますよ。いい曲ばかりだった気がするな。だから、私たちの世代は、すごくいい時代に育ったと思いますね」
――今と何が違うんですかね。昔の歌謡曲にあって、今のJ-POPにないものって一体何なんだろう。
 「歌を作るということに皆さん厳しい姿勢で取り込んでたんじゃないかと思います。今は良くも悪くも、誰でもアーティストになれるみたいな感じになってるけど、昔は本当に研ぎ澄まされた才能の持ち主だけが歌を作ってたんじゃないかと思うんです」
――たしかに昔に比べて歌がカジュアルなものになったところはありますよね。
 「あと、昔の曲は歌詞も変に説明しすぎてなくて叙情性にあふれてますよね。最近思ったんですけど、日本古来の万葉集とか俳句って、季語を使ったりしながら、外界の自然に自分の心を投影して作ってるものが多いじゃないですか。要は外界と自分とをあまり分け隔ててないっていうのが日本の文化として伝統的にあって。そういう表現の美しさも残ってたような気がするんですね。情景を歌うことによって、心情を表すという日本独自の美意識というか」
――みなまで言わない奥ゆかしさだとか、歌詞から感じる切なさの質も今とは違うような気がします。
 「ここで会えなかったら二度と会えないとか、そういうことが普通にあった時代ですからね。今みたいに携帯なんてないし、出会いに賭けるモチベーションも全然違ったんじゃないかな」
――そういえば先日、クレイジーケンバンド横山 剣さんとお話したときに、「昔のヒット曲って、悲しい曲ばかりでしたよね」という話になったんですよ。
 「基本的にハッピーな歌って、あまりないですよね。今回のアルバムに入ってる曲でいえば、〈時の流れに身を任せ〉も、たしかに幸せを歌ってる曲ではあるけれど、決して手放しでハッピーじゃないし。きっと悲しい歌が聴く人の心をなぐさめる役割を担ってたんでしょうね」
――このあたりで作品の話に移りたいと思うんですが、前々から歌謡曲や演歌のカヴァーアルバムは作りたいと思っていたんですか?
 「そうですね。ただ、変に企画っぽい感じでやりたくはないなと思っていたところに、今回プロデュースを手掛けてくださった沢田(穣治)さんと、すごくいいタイミングでお話させていただく機会があって。実は以前から沢田さんに“演歌とか歌謡曲のアルバムを作ったらええのに”みたいなお話もいただいてたんですね。沢田さんが手掛けるアレンジって、すごくエレガントで私も大好きだし、沢田さんがプロデュースしてくださるんだったら、絶対素敵な作品になるに違いないと思ったんです。何より、ご自身も歌謡曲がお好きな方だし」
――沢田さんのプロデュースありきだったんですね。
 「そうです。ただ単に歌謡曲とか演歌を歌うだけの作品にはしたくなかったし、沢田さんだったら曲が持ってる魅力を最大限に引き出してくださると思ったんで」
――選曲はどういう感じで進めていったんですか?
 「私と沢田さんとディレクターさんとスタッフで、それぞれ曲を持ち寄って決めました」
――個人的に「どうしてもこの曲をやりたい!みたいな曲はあったんですか?
 「ちあきなおみさんの〈それぞれのテーブル〉ですね。あまり有名な曲ではないんですけど、以前、ショーロクラブの皆さんとライヴで一緒にやらせていただいたことがあって、すごくいい曲だなと思って。美空ひばりさんの〈悲しい酒〉も、(ギタリストの)笹子重治さんとのデュオでずっと歌わせてもらってたんで、この曲も絶対に入れたいなと思っていました」
――藤 圭子さんの「圭子の夢は夜ひらく」はEGO-WRAPPIN'の森(雅樹)君の選曲なんですよね。
 「森君は昔の歌謡曲とか詳しいし、せっかくだから選曲をお願いしようと思って。それでオファーしたら3曲ぐらい挙げてきてくれた中に、この曲が入っていて。以前、イベントで森君がこの曲をDJでかけていて、それがすごくカッコよかったんですよね。そのときのインパクトが自分の中に強烈に残っていたということもあって、この曲を歌おうって」
――アレンジに関して沢田さんとはどんなお話を?
 「原曲のイメージからあまり遠くならないようにしたいですね、という話をしたら、沢田さんも同じことを考えてくれていて。私からリクエストしたのはそれぐらいかな。バンドの編成とかは基本的にお任せですね。デモ・テープも特になくて、スタジオに入ってバンドと一緒に歌入れして」
――どんなアレンジが施されてるか知らない状態でスタジオに入ったってことですか。
 「そうですね。こういうやり方は初めてだったんですけど」
――単純な話、不安ですよね?
 「もちろん不安でした(笑)。これだけの名曲たちだから、私も歌いこまないとマズいんじゃないかと思って。そもそも歌は後日レコーディングさせてもらおうと思っていて、実際、バンドの皆さんもそのつもりでスタジオに集まっていたんです。沢田さんも“歌は録れたら録りましょう”みたいな感じだったんですけど、いざ歌ってみたら上手くいって」
――へえ〜。
 「これがね、本当に大丈夫だったんですよ。上手く言葉にできないけど」
――ちなみに最初に録った曲は?
 「一番最初に録ったのは〈かもめはかもめ〉です。この曲は歌いだしがすごく難しいんですけど、本番では、すーっと自然に歌うことができて。その瞬間に、このアルバムの道が決まったような気がします」
――1曲目の歌入れでそういうことが起こるとすごく安心でしょうね。
 「本当に偶然だったんですけど。沢田さんは今回、歌詞をすごく重要視して、歌詞のイメージからアレンジを組み立てていったらしいんです。〈かもめはかもめ〉の歌詞を読んだときも、研ナオコさんが歌ってる原曲のアレンジとは方向性を変えたほうがいいんじゃないかと思ったらしいんです。それで私が歌うことをイメージして、もっとひっそりとしたイメージに変えてくれたみたいで」
――レコーディングはどんな雰囲気だったんですか?
 「一発録りだからもちろん緊張感はありましたけど、すごく楽しかったですよ。楽曲そのものの魅力に、アレンジと演奏の素晴らしさが加わって、その上で歌わせてもらうことの幸せを噛みしめながらレコーディングして。いい歌ばかりだから単純に歌ってて楽しくて。これが仕事になっていいのか、みたいな。もう仕事そのものが報酬って感じで(笑)」
――歌うことの喜びや愉しさを再認識したところもありますか?
 「そうですね。結構、そういう無邪気なところもあったかも。もちろんカラオケで好きな歌を歌うのとは違うけど、ある意味、それの究極版なわけじゃないですか」
――まさしく歌い手冥利に尽きますよね。
 「こんな快感なこと、なかなかないですよ。好きな歌を最高の演奏に乗せて歌うことができて」
――それぞれ確固たる世界観を持つ楽曲だったと思うんですけど、歌入れするにあたっては、どういうことを心がけましたか?
 「お芝居みたいな感じで、曲の世界観に入り込んで、そこに自分の心情を重ねる感じで。それと同時に、歌に対して客観的であるということも意識しました。それが実際、歌い方とか声色とか表現のニュアンスに出ると思うんですけど」
――歌の世界に酔い過ぎないというか。
 「ただ、演歌を本格的に歌ったりしたのは初めてだったから、浪曲っぽい歌い方を試したり、演じることは最大限に楽しみました。自分なりに按配を図りつつ、あまりにも、なりきりすぎると違うなと思ったり」
――変に着物とか着る感じじゃなくて、いつもどおりの装いで。
 「そうですね。“こういう歌が聴きたい”っていうのを自分の中でもイメージして。何回か録ったものを自分で聴いてみて、“ここをこうしよう”とか、そういうのはありましたけど」
――ちなみに一番苦戦した曲は?
 「〈圭子の夢は夜ひらく〉が難しかったですね。絶対にあんな歌い方、真似してできない。少しでも真似しようとか思うとダメで、歌い出しの“赤く”の“あ”から歌えないんですよ。しかも藤さんは10代であの歌をうたってるわけですから」
――発表当時19歳です。
 「すごいですよね。あくまで私個人の感想ですけど、藤さんの歌からは、天才性と狂気みたいなものを感じました。特にあの曲は独特の世界観があって本当に難しかった」
――逆にすっと入り込めた曲は?
 「美空ひばりさんの〈悲しい酒〉かな。1テイクでオッケーでした」
――えっ! あのテイクを? めちゃくちゃ凄いテイクじゃないですか。
 「ありがとうございます♡」
――畠山さんのライヴのMCで、沢田さんも「〈悲しい曲〉のレコーディングが凄すぎて鳥肌が立った」っておっしゃってましたよね。
 「レコーディングが終ったら、沢田さんが涙を流してくれていて。“レコーディングでこんなふうに涙が流れたのなんて初めてや”って」
スタッフ 「あのテイクは初日でしたね。最初は録音する予定じゃなかったんですけど、練習がてらやってみましょうってことになりまして」
 「自分でもびっくりするぐらい曲の世界に入りこめたんですよね。もちろんYouTubeを観たり本を読んだりして事前に勉強はしてたんですけど」
――歌の背景を知ってからだと、レコーディングに臨む気分もだいぶ違いますよね。
 「今回、曲の背景から歌い手さんたちの生き様を知って、すごくじんとくるものがあったんですよ。美空さんも、ご本人にまつわるエピソードを知れば知るほど、こういう人生だったんだとか、しみじみ思うところがあって。すごくおこがましいですけど、どうして美空さんは、毎回、〈悲しい酒〉を歌うたびに涙を流したのか、今回自分で歌ってみて、なんとなく分かった気がしたしたんですよ。歌に込めてるものが尋常じゃなかったんだろうなって。たぶん〈悲しい酒〉を歌うときぐらいしか、泣けるときがなかったのかなと思うんです。常にすごく孤独だったんだろうなって」
――本格的に歌謡曲や演歌を歌ってみて他に何か気付いたことはありますか?
 「今回歌わせてもらった楽曲は、どれも悲しみとか孤独とか、いろんな感情をゆだねることができるような歌たちなんだと思いました。いつの時代も、みんないろんな想いを抱えながら生きていると思うんですけど、どうしようもない絶望や寂しさみたいなものを時代を超えて受け止めてくれるというか。歌ってて自分も癒されたところがあったんですよね」
――アルバムの最後に入ってるオリジナル曲「歌で逢いましょう」はどういう感じで作ったんですか?
 「アルバムのタイトルを考えてたとき、なんとなくこの言葉が浮かんだんです。私は今、ラジオ番組をやらせてもらってるんですけど、自分も幼少期にラジオから流れてきた曲を聴いて、ワクワクしたり涙したりしたことがあって、そうした音楽とかラジオに対するリスペクトみたいな気持ちを歌詞に込めたいなと思って。あと今まで音楽を通じて、いろんな人に出会えてきたので、音楽に対する私からの感謝を表現したいなと思って」
――出来上がったアルバムをご自身で聴いてみていかがですか。
 「だんだん生きづらい時代になってきてるような気がしますけど、ツラさや寂しさを感じているような人にこのアルバムの曲が届いたらいいなと思って。決しておこがましい意味じゃなくて、歌を通じて“あなただけじゃないですよ”ってメッセージを送ることで、聴いてくれた人が少しでも心のなぐさめを感じてくれたらいいですよね」
――それも歌を通じた、ひとつの出会いですよね。個人的には今回のアルバムの曲は、なんとなくAM電波で聴きたい気がしますけど(笑)。
 「ああ、そうですね。AMが似合いそう」
――『大沢悠里のゆうゆうワイド』とかで流れてほしいですね……リクエストしようかな(笑)。
 「あはは。いいですね〜。私もリクエストしようかな(笑)」
取材・文 / 望月 哲(2014年8月)
畠山美由紀『歌で遭いましょう』をアナログで | 畠山美由紀『歌で逢いましょう』インタビュー
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畠山美由紀ライヴ

LIVE “Fragile”

2014年11月3日(月・祝) sold out
キリスト品川教会 グローリア・チャペル
開場 16:30 / 開演 17:00
バンド: 沢田穣治(b, pf) / おおはた雄一(g) / 芳垣安洋(g)


ふたりのルーツ・ショー vol.4 アン・サリー, 畠山美由紀

2014年12月7日(日)
愛知 名古屋 東別院ホール
開場 16:00 / 開演 17:00
出演: アン・サリー(vo) / 畠山美由紀(vo)
笹子重治(g) / 織原良次(b) / 黒川紗恵子(cl) / 中原 仁(司会)

前売 6,700円(税込 / 別途ドリンク代 / 全席指定 / 未就学児童入場不可)
一般発売: 2014年10月4日(土)〜
ぴあ 0570-02-9999(P: 243-079) / e+ / ローソン 0570-084-004(L: 42366)
※お問い合わせ: JAILHOUSE 052-936-6041


2014年12月14日(日)
東京 恵比寿 The Garden Hall
開場 16:00 / 開演 17:00
出演: アン・サリー(vo) / 畠山美由紀(vo)
笹子重治(g) / 織原良次(b) / 黒川紗恵子(cl) / 中原 仁(司会)

前売 6,700円(税込 / 別途ドリンク代 / 全席指定 / 未就学児童入場不可)
一般発売: 2014年10月4日(土)〜
ぴあ 0570-02-9999(P: 240-691) / e+ / ローソン 0570-084-003(L: 70171)
※お問い合わせ: ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999(平日12:00〜18:00)


2014年12月28日(日)
福岡 天神 イムズホール
開場 16:00 / 開演 17:00
出演: アン・サリー(vo) / 畠山美由紀(vo)
笹子重治(g) / 織原良次(b) / 黒川紗恵子(cl) / 中原 仁(司会)

前売 6,700円(税込 / 別途ドリンク代 / 全席指定 / 未就学児童入場不可)
一般発売: 2014年10月4日(土)〜
※お問い合わせ: COMMON GROUND 0977-84-3838(平日12:00〜18:00)

 
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