土岐麻子   2009/01/20掲載
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 NISSAN「TEANA」のCM、本人出演のユニクロのCMのタイアップなど、ここのところ精力的な活動を続けている土岐麻子。そんな彼女のソロ3枚目となるアルバム『TOUCH』がリリースされた。本作は、川口大輔と奥田健介(NONA REEVES)を共同プロデューサーに迎え、岸田繁くるり)、さかいゆう、松本良喜、ヨハン・クリスター・シュッツら豪華な作家陣の書き下ろし楽曲や、堀込泰行キリンジ馬の骨)、グディングス・リナ、田中義人らが参加した楽曲など、新たな試みが目白押しの渾身の一枚に仕上がっている。本作について彼女に話を訊いた。


“お茶の間”をテーマに
ストレートに表現された新作『TOUCH』




──最近ではTV-CFの歌やナレーションで土岐さんの声を聴く機会がめっきり増えてきて。そういえば、新しいアルバムを今朝、自宅で聴いてたら、「How Beautiful」のサビが流れた途端、うちの家族が「あ、これ、ユニクロの曲だよね!」って瞬時に反応してましたよ。

土岐 「え〜、本当ですか?」

──そういう意味では土岐さんの声がさりげなく、お茶の間にも浸透しているともいえますよね。

土岐 「それは、すごくうれしいです。実は今回のアルバムって、まさに“お茶の間”をテーマに作ったんですよ。偶然にも(笑)」

──あ、そうだったんですか(笑)!

土岐 「はい。今までの作品も、もちろん外に意識を向けていたんですけど、やっぱり、どこかで聴く人ぞ聴く、みたいなところを前提に作っていたところがあったんですね。だけど、このアルバムを作るにあたって、今まで以上に多くの人たちに聴いてもらえるようなものになったらいいなと思って。お茶の間で普通に流れて、何の気なしに聴いている人の心にも引っ掛かるような曲をたくさん作りたいなと思ったんです」

──そのあたりの方向性は、共同プロデューサーの奥田健介さん(NONA REEVES)や川口大輔さんとも事前にガッチリ話しあったんですか?

土岐 「そうですね。奥田さんと川口くんは、(前のフル・アルバム)『TALKIN'』にも、深く関わってもらって。あの作品が出たあとも、“もっと広いところに届けられるんじゃないか?”って、お茶をしたりするたびに、一緒になって考えてくれたんですよ。その流れで、今回、共同プロデュースをお願いしたんですけど、いかに“お茶の間”に届けられるようなものを作ることができるか、ということは常に3人とも意識していましたね」

──最初に1枚通してアルバムを聴いたとき、今作では、土岐さんのやりたいことが、いつにも増して明確に伝わってくるような印象を受けたんですよ。

土岐 「8月ぐらいに、それまで予定になかったユニクロのCMの話が急遽決まって、一気にスケジュールがバタバタになってしまったんですが(笑)、結果的にユニクロのCMソングとして〈How Beautiful〉を書いたことで、アルバムの方向性が一気に見えてきたんですよ。ちょうど、“お茶の間”ってキーワードが出はじめた時期だったんで、タイミング的にもバッチリでしたね」


──ちなみに、あの曲って、最初にCMの映像ありきで作ったんですか?

土岐 「ざっくりしたイメージ映像みたいなものを見せてもらって、“この映像に合うような曲をお願いします”って。それで最初にCMで使うサビの部分から作ったんですね。サビ部分の歌詞に関しては、英語という決まりが最初にあったので、小学生の子でも口ずさみたくなるような単語って何だろう?と思って、それで、英語の授業で最初の方に習う“Beautiful”という単語を使ったんです」

――それって、今までとは全然違う歌詞の書き方ですよね。

土岐 「そうですね。歌詞に関しては、今回、特に頑張りました(笑)。今までみたいな歌詞の書き方だと、なんとなくアーティスティックに見られておしまいかなって。深読みしてくれる人もいるんだけど、せっかくだから、そうじゃない人にも届けたいなと思ったんです。私が言いたいことって、決して難しいことじゃないから、だったら一番分かりやすく、それでいて自分が好きな言い回しで、歌詞を書けばいいんだなって」

――それまでは、ストレートな表現をすることに対して照れがあったんですか?

土岐 「照れはないけど、抵抗はありました。“こんな分かりやすい言葉を使っていいのかな?”って。例えば〈How Beautiful〉の歌詞に出てくる、“プライド”みたいな言葉って、絶対に今までだったら使ってなかったと思うんですよ。最初に書いた歌詞を川口くんに見せたとき、“伝えたいことが、いまひとつ分からない”って言われてしまったんですけど、それに対して “要するにプライドが高い女の子がいてね”って説明したら、“それをそのまま書けばいいんじゃん”って言われて」



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