森山良子と矢野顕子によるユニット“やもり” フォーク・ミュージックを基本に置いたアルバムがリリース

やもり   2010/07/01掲載
はてなブックマークに追加
森山良子と矢野顕子によるユニット“やもり” フォーク・ミュージックを基本に置いたアルバムがリリース
 森山良子矢野顕子によるユニット“やもり”。日本を代表する2人が作り上げたアルバム『あなたと歌おう』(7月14日発売)は、オーセンティックなフォーク・ミュージックに基本を置きながら、温かく力強く、どこまでも豊かな歌が響き渡る作品となった。このユニットの成り立ちとアルバム制作について、森山良子に訊く。



――“やもり”結成は、何が始まりだったんですか?
 森山良子(以下、同) 「あっこさん(矢野顕子)は以前から音楽仲間として交流があって、コンサートで一緒に歌う機会もあったんですよね。そのうちに2人の曲がたまってきて、“じゃあ、ユニットにしようか”って。“いまだけ”っていうのではなくて、じんわりと長くやっていけるようなユニットがやりたいねって言っていて、その第一弾が『あなたと歌おう』なんです。最初、どういう音楽の切り口にする? って話をしたんですけど、あっこさんが“フォーク、フォーク”と言っていて」
――矢野さんがフォーク・ソングをやろう、と。
 「そうなんです。それが自分には意外だったんだけど、すぐに“なるほどなー”って思って。フォークはもともと自分がやっていた音楽なんですが、その後どんどん広がっていって。私にとっていま、もう一度フォークに立ち返るというのは、とても新しいことをやっているような気分なんですよね。ただ、曲を書くのには少し時間がかかりました。ずいぶん、フォークっぽい曲を作ってなかったので……。あっこさんは<この広い野原いっぱい>みたいなのを作ってよ”と提案するので。“え、あんな若気の至りみたいな曲でいいの?”と言ってましたけど(笑)」






――タイトル曲の「あなたと歌おう」は、まさにそうですよね。つい歌いたくなるような親しみやすさがあり、同時にエヴァーグリーンな奥深さもあって。
 「<あなたと歌おう>をあっこさんに聴かせたら、“そうそう、これよ!”って言われたんですよね。そのあたりのジャッジメントはすごく早くて、やりやすかったです。フォスターの曲(<Beautiful Dreamer>)やドヴォルザークの曲(<Going Home>)も取り上げてるんですけど、カヴァーする曲を選ぶ判断もすごく早くて。2人で歌ってみて、“これ、つまんないね”なんて(笑)。2人ともジャズというベースがあるし、通じてるものがあるんですよね」
――なるほど。性格も似てるんですか?
 「うーん、2人とも男っぽいところがあります。もう1つだけ特徴を挙げると、ちゃんと旨いメシを食わないと働かない(笑)。私もそうなんですよ。ツアー先でもレコーディングでもそうなんだけど、おいしいものを食べていないと、気持ちよくないんです」
――では、声の相性についてはどうですか?
 「それがもう、別々に聴くとまったく違う印象なのに、一緒に歌うとちゃんと混じるんですよね。キーもまったく同じだから、録ったものを後で聴くと、“これ、上(のパート)に行ってるのはどっちだっけ?”ってわからなくなったりして。あと、これはあっこさんも言っていましたけど、ぜんぜん気張ってないんですよね、歌が。1人のときは“私が引っ張らなくちゃ”っていう思いがどうしても出てきてしまうんだけど、2人だと余計な力が抜けて、ふっと自然に歌えるんです。いちばん正しい歌い方ができてるかもしれないですね」
――歌詞にもてらいがなくて、まっすぐですよね。とくに「わたしたちの明日」や「あなたと歌おう」は、聴いてる人を根本から励ますような力があって。
 「<わたしたちの明日>は私も大好きな曲ですね。“なんでもありの わたしたちの毎日/なんでも来いの わたしたちの明日”って歌ってるんですけど、やってやろうじゃない! っていう心意気に2人の思いが表われているし、ここが“やもり”の真髄じゃないかなって。これ、じつは2、3年前に私がすごく落ち込んでいるときに、ライヴの前だったけどあっこちゃんが“はい”って渡してくれた曲なんです。言葉で慰めてくれるんじゃなくて、ポンと歌を贈ってくれて――すごく嬉しかったです」
――“やもり”は、森山さん自身の活動にも影響を与えそうですか?
 「そうですね。たとえばメロディにしても、考えすぎるようになっていてシンプルさを忘れていた。でも、やもりのときはそんなことぜんぜん考えなくて、自分のなかからフッと出てきたものばかりなんです。“あ、こういうふうにやればいいのか”って、その感覚を思い出せたというか。いまも次の制作に入っていますが、すごくシンプルに立ち向かえる気がしていますね」
取材・文/森 朋之(2010年6月)



■やもり公演情報
 
やもりツアー2010「あなたと歌おう」

7/26(月) サンケイホール・ブリーゼ(大阪・西梅田)
問:キョードーインフォメーション[Tel]06-7732-8888
★オフィシャルサイト先行予約受付
受付方法:抽選
受付期間:6月1日(火)10:00〜6月9日(水)23:59
当落発表日:6月11日(金)
http://eplus.jp/moriyama-hp/
※詳細は受付URLにてご確認ください。
 
7/28(水) 名古屋市芸術創造センター(新栄町)
問:サンデーフォークプロモーション[Tel]052-320-9100
★オフィシャルサイト先行予約受付
受付方法:抽選
受付期間:6月1日(火)10:00〜6月9日(水)23:59
当落発表日:6月11日(金)
http://www.sundayfolk.com/go/yamori/
※詳細は受付URLにてご確認ください。
 
8/2(月) 東京オペラシティコンサートホール(初台)
問:ディスクガレージ[Tel]03-5436-9600
★オフィシャルサイト先行予約受付
受付方法:抽選
受付期間:6月1日(火)10:00〜6月9日(水)23:59
当落発表日:6月11日(金)
http://eplus.jp/moriyama-hp/
※詳細は受付URLにてご確認ください。
 
※やもり(森山良子と矢野顕子)オフィシャル・サイト
http://www.xn--fbkdt.com/

■森山良子公演情報
 
森山良子 コンサートツアー2010〜2011
9/9(木) 中野サンプラザホール」
問:MIN-ONインフォメーションセンター[Tel]03-3226-9999
9/23(木) 鹿児島市民文化ホール」
問:MIN-ON 鹿児島099-226-2433
9/24(金) 宮崎市民文化ホール
問:MIN-ON 宮崎[Tel]0985-27-8941
9/26(日) 崇城大学市民ホール
問:MIN-ON 熊本[Tel]096-344-4646
9/28(火) 大分Iichikoグランシアタ
問:MIN-ON 大分[Tel]097-553-5990
9/29(火) 長崎ブリックホール
問:MIN-ON 長崎[Tel]095-827-3171
10/1(金) 福岡サンパレスホール
問:MIN-ON 福岡[Tel]092-629-3050
10/23(土) 郡山市民文化センター
問:郡山市民文化センター[Tel]024-934-2288
10/30(土) 松戸市文化会館(森のホール21)
問:労音東葛センター[Tel]047-365-9911
11/13(土) 川口総合文化センターリリアメインホール
問:ホットスタッフ・プロモーション[Tel]03-5720-9999
 
森山良子アコースティックコンサート
6/5(土) 松原市文化会館
問:松原市文化会館[Tel]072-336-5755
6/6(日) 大和高田さざんかホール
問:大和高田さざんかホール[Tel]0745-53-8200
7/3(土) 本巣市民文化ホール
問:本巣市民文化ホール[Tel]058-323-5373
7/4(日) 田原市渥美文化会館文化ホール
問:渥美文化会館[Tel]0531-33-1000
7/23(金) 富山県高岡文化ホール 大ホール
問:富山県高岡文化ホール[Tel]0766-25-4141
7/24(土) 新発田市民文化会館
問:下越音楽鑑賞協会[Tel]0254-22-1404
8/3(火) 青梅市民会館
問:青梅市民会館[Tel]0428-22-1131 

生きる2010
〜小児がんなど病気と闘う子どもたちとともに

※イベント
7/15(木) Bunkamuraオーチャードホール
問:キャピタルヴィレッジ[Tel]03-3478-9999
 
森山良子 野外協奏曲♪「もしかして…」
※イベント
9/4(土)河口湖ステラシアター
問:キャピタルヴィレッジ[Tel]03-3478-9999
 
※詳しくは森山良子オフィシャル・サイトへ。
http://www.ryoko-moriyama.jp/
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] みやけん 人気ピアノYouTuber 『俺のヒットパレード!』第4弾リリース![インタビュー] Billyrrom 注目の新世代バンドに聞く新章突入と〈HEADZ 〜NEW HOT WAVE〜〉出演への思い
[インタビュー] 町あかりの歌謡曲・春夏秋冬 春のテーマは「ディスコ」![インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース
[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ[インタビュー] 文坂なの \
[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ!
[インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー![インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム
[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音[インタビュー] 思い出とともに甦る名曲の数々 藤あや子のカヴァー・アルバム
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015