【特別リポート:リヴァプール通信】 ポール・マッカートニーがデイヴ・グロールと共演!リヴァプール凱旋コンサートをどこよりも早くリポート

ポール・マッカートニー   2008/06/02掲載
はてなブックマークに追加
 ビートルズの故郷として知られるイギリスのリヴァプール市が今年、欧州文化首都に選ばれたのを受けて、1月のリンゴ・スターに続き、ポール・マッカートニーがリヴァプールのサッカー・チーム、リヴァプールFCの本拠地のアンフィールド・スタジアムで6月1日に、3万5,000人の前で記念イベント“The Liverpool Sound”コンサートを行なった。

 コンサートは6時半にまずはズートンズ、続いてカイザー・チーフスが登場。そしてポールの曲をリミックスした『Twin Freaks』からの曲がBGMとして全世界から集まったファンの前で流れるなか、9時過ぎにイギリスのコメディアンの紹介を受けてポール・マッカートニーが5年ぶりに生まれ故郷リヴァプールのステージに立った。バックはここ数年、ポールのバックをつとめているおなじみのメンバーが顔を揃えた。

 最初に演奏されたのは、なんとライヴ初披露となる「ヒッピー・ヒッピー・シェイク」。ビートルズがBBCラジオに出演した際に演奏したこの超マニアックな曲でくるとはだれが想像しえただろうか。いきなりの先制パンチで早くもめまいが……。その後は最近のライヴで演奏している曲が続く。「ドライヴ・マイ・カー」「ブラックバード」などのビートルズ・ナンバーが演奏され、前半で早くも会場は大合唱となる。




 その後「カリコ・スカイズ」を演奏したあとのMCで、なんとポールはこう言ったのだ。「日本人はどれぐらいいるのかな? コニチハ」。おおー。前のほうに日本の国旗を振っているファンがいるのを見たからだろうか。ブラジルの国旗を振っているファンだっているぞ。思わず「イエー!」と叫んだら、斜め前にいるたぶん地元のおじさんに睨まれてしまったが。ちなみに日本人は思ったほどは見かけることがなかった。

 これまた初披露となる「イン・リヴァプール」というCD未収録曲のあと、故郷といえば欠かせない2曲「サムシング」「ペニー・レイン」が演奏され、盛り上がりは最高潮となる。そしてここでもサプライズが! ポールがスペシャル・ゲストを紹介。登場したのは、出るのではないかと噂になっていたフー・ファイターズデイヴ・グロールだ。デイヴはまずはギターで「バンド・オン・ザ・ラン」、続いてドラムで「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」に参加。こりゃ盛り上がるなというほうがおかしい。その後は「007/死ぬのは奴らだ」「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」の怒涛の3連発でいったん幕となる。

 アンコールの声が会場全体に鳴り響く中、アコギ1本でポールは「イエスタデイ」をしっとりと歌う。そして、ああここでもまた超弩級の曲が登場する。90年のリヴァプール公演で「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」「ヘルプ!」「平和を我等に」ジョン・レノン・メドレーを初披露したポールのこと、今回も何かあるだろうとは思っていたが、演奏されたのは「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」!!! 続けてメドレーで「平和を我等に」へと突入したが、後半は頭の中が真っ白でよく覚えていません。もちろん「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のジョンのパートをポールが歌うのは初めてのことだが、そのあとの自分のパートの歌詞を間違えたのはご愛嬌か。興奮のるつぼと化したスタジアムに「レディ・マドンナ」の威勢のいいピアノが鳴り響き、再びデイヴ・グロールがドラムで参加した「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」で、リヴァプールの記念イベント“The Liverpool Sound”ならびにポールの凱旋コンサートは終了した。

 約2時間計26曲。前回の日本公演同様、いやそれ以上にはつらつとしたパフォーマンスをこうして見せつけられると、100歳を越えてもステージに立っているんじゃないかという気さえしてくる。もうすぐ66歳なんて、信じられるかい?


文/藤本国彦

 
★ポール・マッカートニー@リヴァプール・アンフィールド・スタジアム(2008年6月1日)
 
≪演奏曲≫
1.The Hippy Hippy Shake
2.Jet
3.Drive My Car
4.Flaming Pie
5.Got To Get You Into My Life
6.Let Me Roll It
7.My Love
8.C.Moon
9.The Long And Winding Road
10.Dance Tonight
11.Blackbird
12.Calico Skies
13.In Liverpool
14.I'll Follow The Sun
15.Eleanor Rigby
16.Something
17.Penny Lane
18.Band On The Run(with Dave Grohl on guitar)
19.Back In The U.S.S.R.(with Dave Grohl on drums)
20.Live And Let Die
21.Let It Be
22.Hey Jude
encore:
23.Yesterday
24.A Day In The Life〜Give Peace A Chance
25.Lady Madonna
26.I Saw Her Standing There(with Dave Grohl on drums)



≪Tha Band≫
Paul McCartney(1〜5 bass/6 guitar/7〜9 piano/10 mandolin/11〜15 acoustic guitar/16 ukulele/17〜19 bass/20〜22 piano/23 acoustic guitar/24bass/25 piano/
26 bass)
Paul Wickens(Wix)(keyboards)
Rusty Anderson(guitar)
Brian Ray(guitar, bass)
Abe Laboriel Jr.(drums)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ
[インタビュー] 文坂なの \[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル
[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ![インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー!
[インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音
[インタビュー] 思い出とともに甦る名曲の数々 藤あや子のカヴァー・アルバム[インタビュー] 紫 充実の新作を発表、海外フェスへの出演決定と結成55周年に向け勢いを増すバンドの現在と未来
[インタビュー] RISA KUMON バイリンガル・シンガー・ソングライター  ユニバーサルなアルバムでデビュー[インタビュー] HAIIRO DE ROSSI ジャズ・ラップの金字塔 10枚目にして最高傑作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015