やわらかいメロディと切なる想いが胸に刺さるバラード―― 画期的なサンド・アートのPVも話題の阿部芙蓉美の新曲「空に舞う」

阿部芙蓉美   2010/08/26掲載
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 耳にそっと寄り添うようなウィスパー・ヴォイスが印象的なシンガー・ソングライターの阿部芙蓉美。パッケージ・シングルとしては約2年ぶりとなる新曲「空に舞う」は、やわらかいメロディと切なる想いが胸に刺さるバラードだ。話題のサンド(砂)・アーティストが出演する幻想的なPVもぜひチェックしてほしい。



――「空に舞う」は、もともとシングルとしてリリースするために作られた曲だったんですか?
 阿部芙蓉美(以下、同)「いえ、これは結果としてシングルに持ちあがったというか。単体でまず曲ができていて、ここ1年くらいのライヴでもずっと歌っていたんです」
――制作当時、歌詞はどんなイメージで書いていこうと思ったんですか?
「これはいつもそうなんですが、作詞については“こういう風にしよう”とか明確に設定して書くのが苦手なんです。<空に舞う>に関しては、最初に“優しい感じなればいいな、歌も温かい感じで歌いたいな”っていう漠然とした想いくらいだったんですよね」
――なるほど。では、書き出すうちに内容がどんどん固まっていく……という感じなんでしょうか?
「やっぱり“○○が書きたい”という想いから始まるというよりは、書いた言葉によって話が左右したり動いていっちゃうときもあるので。何から広がっていくかは自分でも分からないんですよ。完成してみて“あぁ、こうなったんだー”と思うこともよくあるし、できてみないと分かんないっていうのが、どの曲にも共通してる気がするんです」





――完成してみて“こうなったんだ”と思う、ということは、その時点で阿部さんの中では自分と作品を切り離して考えているのでしょうか?
「多分、そういうことなんじゃないかと思います。完成した曲は曲で動かしようがないものだし。感情がついてくるとロクなことがないと思っていたりにするし(笑)、生身の人間が放つ感情は本当にとめどなくて。だから、できあがった曲に対しては、ある程度の距離というか線を引いておいた方がいいと思うんですよね。私自身を作品に巻き込むことはしないほうが、より手に取ってもらいやすくなるんじゃないかなって思うんです」
――歌うときも、なるべくそのときの感情にフタをして臨む感じなんでしょうか?
「そうですね。感情のある生身の自分を、曲と混ぜこぜにはしたくない。だからフタを固く閉めて中身が出て来ないようにはしてるところがあると思いますね」
――レコーディングはどうでしたか? 「空に舞う」のサウンドはすごく温かくて、かつシンプルな作りだなっていう印象だったんですが。
「そうですね。すごくいい形で仕上がったと思ってます。今回はアレンジャーの河野圭さんと初めてお仕事をさせていただいたんですが、河野さんをはじめ、演奏する全員がフルパワーで挑んだ感じで。音色とか、すべてが上手く溶け合ってひとつの作品になった感覚ですね。皆さんにすごく可愛がられた曲だなって」
――あぁ、それは素敵な感触ですよね。あと「空に舞う」のPVには、ウクライナの美少女サンド・アーティスト/クセニア・シモノヴァさんが出演。楽曲とリンクする砂を使った素晴らしいパフォーマンスには魅了されました。
「ありがとうございます。彼女には歌詞の内容を伝えた上で自由にやってもらって。楽曲には頭から最後までで時間が流れているようなところがあるのですが、サンド・アートもいろんなシチュエーションで移り変わっていくのが共通してるなって。見ていてすごく儚いんですが、その一瞬一瞬にキラキラ輝いてる感じがあって。本当にいろいろなことを考えさせられるし、いろんなものを受け取れる映像なんじゃないかと思いますね」
――ところで、先日は<FUJI ROCK FESTIVAL'10>に出演。まさに広い“空”の下で「空に舞う」を歌われたそうですね。
「はい、すごく気持ち良かったです。空の下で、風も吹いてきたし、草木も揺れてる感じがあって。より一層、ありのままに近いところで歌えたなっていう感覚がありましたね」
取材・文/川倉由起子(2010年8月)
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