エゴの“現状”を生々しく伝える待望のニュー・アルバム、その名も『EGO-WRAPPIN

EGO-WRAPPIN’   2009/02/24掲載
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エゴの“現状”を生々しく伝える待望のニュー・アルバム、その名も『EGO-WRAPPIN’ AND THE GOSSIP OF JAXX』が完成!
 ベスト・アルバム『ベストラッピン 1996-2008』を経て、EGO-WRAPPIN'が2年9ヶ月ぶりとなる久々のオリジナル・アルバム『EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX』を完成させた。彼らのライヴを長らくサポートしてきたサポート・バンド、THE GOSSIP OF JAXXとともにレコーディングされた今作は、エゴ史上、最も“バンド感”を感じさせるエネルギッシュで生々しい作品に仕上がった。


 昨年末に行われたEGO-WRAPPIN’恒例の東京キネマ倶楽部3days。そこで耳にしたヴォーカリスト中納良恵の歌声には(比喩的表現ではなく)本当にゾクリと鳥肌が立った。個人的に圧巻だったのは、ライヴの中盤で披露された黒田ゆかりの「WORKSONG」や笠置シヅ子の「買物ブギ」といった和モノ曲のカヴァー。“ノスタルジック”や“昭和歌謡”という一言で片付けられかねないこれらの楽曲を、平成も20年を過ぎた今、ここまでのリアリティと熱量をもって歌い届けることができるシンガーは、そうそういないのではないだろうか? いやはや中納良恵、恐るべし。てなことを思った0コンマ数秒後。はたと気付いた。彼女の歌声にぴたりと寄り添い、独自のコントラストを加えている腕利きのバンド、THE GOSSIP OF JAXXの存在に。彼らなくして、今のEGO-WRAPPIN’を語ることはできないだろうし、“EGO-WRAPPIN’AND THE GOSSIP OF JAXX”という名のもとに作品を発表することは、バンドの中心人物である中納良恵、森雅樹(g)のふたりにとっても、きわめて自然な流れだったようだ。





 「大阪時代から10年以上一緒にライヴをやってきてるメンバーやし、自分らの表現したい感覚をいちばん理解してくれているのは、やっぱり彼らじゃないかと思うようになったんです。それまでのレコーディングでは、曲ごとに演奏者を替えていたりしたんですけど、今やりたいことを形にするためには、このバンドで一枚アルバムを作るのがいいんじゃないかって。アルバムのコンセプトとしても明快でスマートやし」(森)
 「作業が進んでいくにつれて、みんな、ポツポツ、いいアイディアを出してくれるようになって。そこに刺激されたところも、すごくありましたね。曲調は幅広いけど、全体的に“バンド感”が感じられるアルバムになってるんじゃないかと思います」(中納)
 先行シングル「GO ACTION」を筆頭に多彩な展開で構成される楽曲が多くを占める今作。まるで生き物のように次々と様相を変えていく楽曲を形作っているのが、武嶋聡(ts)、ハタヤテツヤ(key)、真船勝博(b)、川崎太一朗(tp)、末房央(ds)という個性豊かなプレイヤーたちによる息の合った演奏だ。
 「やっぱり10年かけて蓄積されてきたものがあるんでしょうね。“ここから、こう行って、ここに繋げたい”とか、僕の漠然とした感覚も、みんな理解してくれるんですよ。たとえば、ベースの真船くんは、もともとハードロック系のバンドをやっていたり、バラバラなバックグラウンドを持つメンバーでスタートしたんですけど、一緒にやっているうちに、僕とよっちゃん(中納)がやりたいこととか、目指している世界観みたいなものを徐々に理解していってくれて。それに加えて、彼らが持っている、それぞれの持ち味がバンドの音に反映されるようになって、独特なグルーヴが生まれるようになったんです」(森)
 昨年には初めて地上波の歌番組に出演し、これまでの楽曲を選りすぐりで収めた2枚組ベスト・アルバム『ベストラッピン 1996-2008』をリリースするなど、より幅広いリスナーに向けてアプローチを開始した感のあるEGO-WRAPPIN’。玉石混交の音楽界の中でサヴァイヴしていくという強い意志──今作にはそんな彼らのミュージシャンとしての矜持もしっかりと込められているような気がする。
 「ホンマにエエもんを作らなかったら生き残っていけないと思うんです。そういう意味では、すごくやりがいのある時代ですよね」(中納)
 「自分らも含めて、もっとミュージシャンが頑張らなアカンって思うんです。今はタレントさんが出したCDもたくさん売れるじゃないですか。僕ら音楽しかやってないから、やっぱり“負けてられへんな”と思いますよ。そのために、僕らも聴く人に感動を与えられるようなものを、もっと作っていかないと」(森)


取材・文/望月哲(2009年1月)
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