ジェイコブ・コーラーが語る、よみぃとの共演作と全面バックアップしたMAiSAのデビュー盤

MAiSA(vn)   2020/12/25掲載
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 米国アリゾナ州フェニックス出身。2009年から日本に移住し、現在はヒット曲の超絶カヴァーで大人気の凄腕ピアニスト、ジェイコブ・コーラーが“デュオ演奏”で魅せる最新アルバムが2作品登場。まずは彼が全曲のプロデュース・アレンジとピアノ演奏を手がけた『Stay Rock』はロックなテイストを持つヴァイオリニスト、MAiSAのデビュー・アルバム。そして『ヒットソング超絶技巧コレクション RED Version 〜ピアノ王とファントムシーフ〜』はチャンネル登録数約126万人を誇るトップYouTuberピアニスト、よみぃとの共演アルバム。すでにコラボ動画でも人気の2組だが、今回はジェイコブとMAiSAの2人にお話を伺った。
New Album
MAiSA
『Stay Rock』

JIMS-1009
――お二人の出会いは?
MAiSA「私は最初、ただのジェイコブさんのファンのひとりでした。CDショップでレコメンされていた彼のアルバム『シネマティック・ピアノ・アドヴェンチャー』の〈ジ・エンターテイナー(映画『スティング』より)〉や〈ルパン三世のテーマ'78〉を聴いて、え? 何、この人ヤバいと思って、そこにあったCDを全部買いました(笑)。それからずっと愛聴していて、ある日、私の家から歩いて15分くらいのところでライヴがあると知って駆けつけて聴いたら、やっぱりすごい。しかも日本でピアノ教室を開いているって知って、とりあえずヴァイオリンをやっていることは隠して(笑)、生徒にしてくださいと言って近づきました。それで、ピアノの個人レッスンをしてもらえることになって“何か他に楽器弾ける?”って聞かれて初めて、じつはヴァイオリンを……って打ち明けたら“今度セッションしよう”ってことになって……今、ここにこうして居るわけです。まだ自分でも夢を見ているみたいです!」
ジェイコブ・コーラー「彼女があまりにも熱心だったので、個人レッスンを引き受けたんです(笑)。で、じつはヴァイオリニストだとわかって、まあ試しに一回やってみようかってことになって共演したら、これまであまり聴いたことのないタイプのユニークなヴァイオリンで、面白いと思った。それにけっこう、熱いパフォーマンスで一緒に演奏するのが楽しかったので、その後も続いていったんです」
jacob_maisa
――たしかにMAiSAさんのヴァイオリンには独特の哀愁がありますね。良い意味で重くてダークというか……ミュージカルの『屋根の上のヴァイオリン弾き』に出てくる、ウクライナの田舎に住むユダヤ人フィドラーみたいなイメージかも。
MAiSA「ありがとうございます! 音大生時代からよく暗い響きって指摘されていました(笑)。クラシックの作曲家でもプロコフィエフとかショスタコーヴィチのような近代のロシア系作曲家の作品が好きでしたね」
――ジェイコブさんはこれまで、誰かと共演したアルバムってなかったですよね?
ジェイコブ「ジャズのセッションに参加したのはあるけど、“デュオ演奏アルバム”は今回が初めてですね。誰かと共演したりするのは大好きなのですが、デュオって同じ立場だから、良いコラボにしようと思ってお互いが納得いくように詰めていくのには、それなりの時間がかかるんですよね」
――そういう意味では、今回のよみぃさんとの“デュオ演奏アルバム”も素晴らしいです。よみぃさんとの共演はYouTubeの“よみぃチャンネル”ですでに約1260万回以上視聴されている動画にある、昨年の12月に都庁の南展望台のピアノで「ルパン三世のテーマ'78」を一緒に弾いたのが最初でしたか?
ジェイコブ「そうですね。最初に連弾した時のケミストリーが忘れられません。それによみぃさんの場合もMAiSAさんと同じで一緒に演奏するのが楽しいから。弾いている時に交わす会話も楽しかった。それで一回きりだと残念だなと思っていたら“スタジオに遊びに行ってもいいですか?”って言われて後日また会って、彼も僕のジャズの和声とかに興味を持ってくれて、お互いにアイディアとか交換していたらホントに楽しくて、楽しいから一緒にCD出そうよって話がすぐにまとまった(笑)。彼はジャズ・ミュージシャンではないけれど即興がうまい。けっして派手な技術をひけらかすタイプのピアニストじゃなくて、その場で曲を作る能力のあるコンポーザー・タイプのクリエイティヴな演奏家で、そういうところで非常にわかり合える。だから共演してもストレスみたいなものを全然感じない」
――まさに「ピアノ王」vsピアノの「ファントムシーフ(大怪盗)」の対決ってかんじです。もともとジェイコブさんお一人でも手が4本あるような超絶技巧で聴かせてくれるので、二人がかりだとさらにパワーアップして恐ろしいことになっています。
ジェイコブ「もともと僕のアレンジから出発して、連弾(1台のピアノを二人で並んで弾く)やピアノ2台で弾けるように発展させる。一人でやっていることを二人で分担すると技術的には楽にできそうに思えるけど、実際はそんなふうに弾くのに普段から慣れていないから意外とやりにくいですね。考え方が違うから」
ジェイコブ・コーラー&よみぃ
●ジェイコブ・コーラー&よみぃ
――「戦場のメリークリスマス」のような静かで厳かな曲を、あえてピアノ2台で演奏すると音がどこまでも広がっていくような響きがとても美しいです。一方で、連弾による「情熱大陸」は4手ならではのエキサイティングな盛り上がりが最高。これ、もともと葉加瀬太郎さんが書いたヴァイオリンの曲なのに。
ジェイコブ「〈情熱大陸〉はピアノだと打楽器的な面白さが出せますね。この曲、今回の『Stay Rock』には収録しませんでしたがストリートでMAiSAさんと一緒に演奏しましたよ」
MAiSA「私のYouTubeではいちばん人気の動画になっています!」
――今回の2枚のアルバム、両方に収録されている曲がいくつもあるので聴き比べてみるのもいいですね。よみぃさんとの連弾による「紅蓮華」(LiSA)と「ルパン三世のテーマ'78」と「白日」(King Gnu)、そしてピアノ2台による「夜に駆ける」(YOASOBI)の4曲はMAiSAさんとの“デュオ演奏”で『Stay Rock』に収録されています。
MAiSA「〈紅蓮華〉は歌唱の部分をヴァイオリンで担当しているので息を続かせるのが難しかった……全集中“ヴァイオリンの呼吸”ってかんじで弾きました(笑)。〈夜に駆ける〉はジェイコブさんがとてもカッコよくジャジーに作ってくれたので嬉しかった」
ジェイコブ「〈白日〉も、人気がある曲なのでみんなに喜んでもらえると思ってとりあげたのもあるけど、それだけじゃなくてやっぱり楽曲として魅力があるからカヴァーしたくなる」
――『Stay Rock』にはほかにも、X JAPANの〈紅〉や米津玄師の〈Lemon〉からピアソラの〈リベルタンゴ〉、ブリトニー・スピアーズの〈トキシック〉まで多彩です。
MAiSA「ジェイコブさんのソロが基本になっているものも多いけれど、二人で考えたアレンジもいっぱいあります。〈トキシック〉のグリッサンドとかピアノにはできないヴァイオリンならではの聴かせどころもぜひ、楽しんでみて下さい」
――クイーンの「We will rock you」やメタリカ「マスター・オブ・パペッツ」、それからAC/DCの「Thunderstruck」からユダヤの民謡「Hava Nagila」に繋がるメドレーとか、MAiSAさんの書いたオリジナル曲「Stay Rock」とロック・テイストにあふれた曲もたくさんありますね。
MAiSA「好きなんです! これまでもロックやヘヴィ・メタルのジャンルで音楽ユニットを立ち上げてずっと音楽活動していたので、いまや私の音楽のコアとなっている部分です」
ジェイコブ「それと、ストリートで演奏している感覚もアルバムに盛り込みたかった。彼女もジャズはやったことがないみたいだけど、かなり即興の才能があるんです」
――ジェイコブさん&MAiSAさん、ジェイコブさん&よみぃさん、それぞれのコンビをライヴ演奏で聴いてみたいです。もちろん、YouTubeも楽しみにしています。
ジェイコブ&MAiSA「ご期待下さい!」
取材・文/東端哲也
Information
ジェイコブ・コーラー with よみぃ
〈ストリート・ピアノ・コンサート 2020 〜空港・駅・街角〜〉


2020年12月26日(土)
東京・調布市グリーンホール 大ホール
開場 13:00 / 開演 14:00(昼公演)※ソールドアウト
開場 17:00 / 開演 18:00(夜公演)

問:調布市文化・コミュニティ振興財団
https://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=12996

配信もあり。視聴チケットはMUSERで販売中です。昼公演 / 夜公演
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