百花繚乱のローカル・アイドル・シーンから飛び出した新潟の一番星、Negiccoに注目!

Negicco   2011/07/20掲載
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Negicco 『GET IT ON!』
 ローカル・アイドル、ロコドル、ご当地アイドル、地方アイドル。その呼び名は幾通りもあるがともかく、アイドル・グループが大きく注目される昨今、全国各地に存在する地域密着型のアイドルにもスポットが当たりはじめている。

 「北海道アイドル☆プロジェクト」から生まれ、ビジュアルに比して大人っぽい本格的なエレクトロ〜R&Bを聴かせるPEACEFUL。メンバー全員の名前がりんごの品種名で、まっすぐな歌声と美しいハーモニーを聴かせる青森のりんご娘。宮城県仙台を中心に東北各地を動き回り、この夏は幾度も上京し徐々に南下を進めているDorothy Little Happy。栃木の名産品をプロモートするとちおとめ25。今年3月のデビュー以来、順調なリリースを重ねている愛媛のひめキュンフルーツ缶。プロ野球独立リーグの四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスのチア・グループから生まれたはちきんガールズ。岡山県津山市が活動をサポートするSakuLove……といった具合に、地元に根付いた活動を展開するグループは数多く存在し、そのどれもが独自の切り口を見せ(あるいは見せようとして)シーンは活況を呈している状況だ。

 そんなローカル・アイドルが入り乱れる中で、卓抜した音楽性とキャラクターを有し、頭ひとつ抜きんでた存在としてひときわ輝くのが本稿の主人公、Negiccoである。新潟県を活動の拠点とし、地元の名産品“やわ肌ねぎ”のPRのために誕生したグループで、活動暦はこの7月で9年目に突入。幾度かのチャンス獲得と挫折を経験しながらも地元を大切にし続け、絶え間ない技術の研磨で実力をつけてきた彼女たちがこの度、タワーレコードの新レーベル<T-Palette Records>から新作ミニ・アルバム『GET IT ON!』をリリースする。

 新作についてはもちろんのこと、自分たちで考案する振り付けや、アイドルというよりも表現者としての矜持を感じさせるスタンスについての話など、興味深い話を聞くことができた。



写真左よりKaede、Nao☆、Megu
――「GET IT ON!」は長らくパートナーを務めてきたconnieさん作詞作曲の歌ですね。
Nao☆ 「connieさんの楽曲は感情移入がしやすくて、いつもすぐに情景が思い浮かぶんです。夏の歌は今までも2曲くらい歌ってきたんですけど、今回もメロディを聴いた時点でどういうイメージで作ったかというのは伝わってきました」
――この曲を歌うことで難しかったことなどはありますか?
Megu 「音域の幅が広くて、Negiccoはこれまでそういう曲はなかったので、connieさんもチャレンジしてきてるんだなと思いました。7月20日のライヴが初披露で、ダンスも自分たちで作っているんですけれど、今苦戦中です(笑)」
――振り付けはいつも皆さんが作られているんですよね?
Nao☆ 「もうネタが尽きてきちゃって大変なんです(笑)。一緒にならないようにとか、歌詞の通りにダンスで伝えることも大事にしているので、いい加減には作りたくなくて」
Megu 「タワレコさんの新しいレーベルでNegiccoのCDが出せるなんて夢の話ですから」
Nao☆ 「だからなおさら大事にしたくて、作り出すのにもすごい時間がかかっていて。今回はジャケットも大人っぽい感じなので、ダンスでも“成長したNegicco”というテーマを決めて作っています」
――Kaedeさんはいかがですか?
Kaede 「私ダンスだめなんですよ……」
――だめってなんですか(笑)。
Kaede 「今、新曲の(ダンスを)作ってるじゃないですか。私も一応作るんですけど、自信がなくて結局ふたりに任せちゃうんです……」
Nao☆ 「私たちじゃ閃かないような面白いダンスを作ってきてくれたりするんですよ。パッと“こういうのがやりたい”って言ってくれます」
――Kaedeさん、そんな風に思わなくて大丈夫じゃないですか。
Kaede 「自信がない中でがむしゃらに頑張ってます(笑)」
Nao☆ 「先生がつけば一番良いと思うんですけど……」
Megu 「でも自分らしさがなくなっちゃたりもするから、結局自分たちでやってるんです」
――次の曲にいきましょう。ご当地ヒーロー『超耕21ガッター』のテーマ曲「ガッター!ガッター!ガッター!」です。
Megu 「すごい人気の曲で、小さいお子さまからファンの方まで“あの曲CDにしないの?”って言ってくださっていて。やっとCD化してもらえて嬉しいです」
Nao☆ 「歌詞の“愛をコメ”は米で、“トキを越えたら”は鳥のトキで、という具合に言葉のひとつひとつに新潟の要素が入っているんです」
――そんな秘密があるんですね! これの元ネタのPizzicato Fiveの「東京は夜の七時」は聴かれたことはありますか?
Nao☆ 「あります。connieさんの姿勢がすごくて」
Kaede 「そこまでやるんだって(笑)」
Megu 「狙ってる感ありますよね!」
Nao☆ 「Perfumeさんが流行った時に『My Beautiful Life』をやるのも自分たちからしたらすごいためらいがあったんですよ(笑)! でも“それが話題になるならいいじゃん”みたいな言い方をしてくれるので、私たちもブレないでやれてるんです」
――次の曲からは4人時代のシングル『Falling Stars』(06年)の再録音になりますね。まずは「完全攻略」。
Nao☆ 「これは皆でワイワイ盛り上がりたいから、“あれの真似じゃん”とか笑ってほしいと思って作った曲で。レレレのおじさんが登場したりします」
Megu 「ライヴでも定番の曲でファンの人たちも合いの手を入れやすいんです」
Kaede 「“(Oh! Yeah!)”っていう部分は最初“ピッポッパッポ”って言っていたんですけど、盛り上がれるよう修正してくださって」
Megu 「その掛け声をライヴで入れはじめたらすごく良くなって」
Nao☆ 「そこからライヴで歌いはじめたんだよね。今回のバージョンは元気な掛け声を入れてるので一度聴けばすぐに合わせられます!」
――次は「Disco!! The Negicco!」です。こうして当時の曲を歌い直すのはどういう気持ちなのでしょうか?
Kaede 「前に録った時と声質も変わってきているので、違和感があるというか。(以前のは)子供っぽい声なので、歌い直すとやっぱり変わります」
Nao☆ 「昔のイメージで作られた曲なので、今歌うと成長したNegiccoが歌うっていう風に見れるのかなって思います」
――具体的に“この時期に大人っぽい声になった”という自覚はありますか?
Kaede 「(ブラザー・)トムさんに言われて。『ヌキ天』っていう番組(『勝ち抜き!アイドル天国!!ヌキ天』。Negiccoは2代目ヌキ天クイーン)に出た時に、“みんな似たような歌のクセがあって、あまりよくない”と言われて。意識的になったのはそこからかもしれないです」
Nao☆ 「そのくらいから意識が変わりはじめて。自分たちで“こうなんじゃないか”とか指摘し合ったり、個人個人で頑張るようになりました」
Megu 「前は3人とも同じような声にしか聞こえなかったんですけれど、今は一人一人の声がわかるようになりました」
――最後は「Falling Stars」。とてもロマンチックな曲です。
Nao☆ 「この曲はconnieさんが思い入れのある曲で。古町と、星のふる町をかけてるんですよね。『新潟市古町音楽祭』でグランプリを受賞することができて。新潟の人にとっては“Negiccoの地元の歌だね”って言ってくれる曲だと思います。それを今の心情で歌い直せてよかったです。でも、ダンスを作り直したいねって言っています。自分たちで“よし”って思える時じゃないとその歌は見せられないので」
――曲をどうやって披露するかということに強いこだわりがあるんですね。
Megu 「昔はやらされている感があったんですけど、今は自分たちで作り上げたいという気持ちがあります」
Nao☆ 「アイドルって作られるものっていうイメージがありますけど、スクールがなくなったあたりから“ちょっとそれは違うんじゃないかな”と思いはじめて。そこから納得いかなかったり、自分たちの中で未完成のものは出したくないと思うようになりました」


――東京に来られる頻度が増えましたが、これまでと違う手応えを感じていますか?
Nao☆ 「デビュー当時は年に1回東京に来られるかどうかという状態で、このままでいいのかという不安もいっぱいあって。辞めようと思った時期もそれぞれあったりしました。不安なままずっと前が見えないし、ステップアップのきっかけもなくて、そのうちスクールもなくなってしまって、今のマネージャーが私たちを拾ってくれなかったら解散していたんです。そういう状態で、ひとつ目の転機というか希望が『ヌキ天』でした。そこで意識が変わったし、CDデビューも決まったんですが、1年くらい話がこなくて(笑)。結局、曲は来たのですが、自分たちが思っていた曲とその曲が違い過ぎて、みんなで泣いたんですよ」
Kaede 「もう無理かなって」
Nao☆ 「正直、“またネギの曲?”っていう気持ちで。大人になってきたのに“こういう曲からやり直すの?”って、ぽんちゃ(Megu)なんかすごく泣いて」
Megu 「その時は<My Beautiful Life>とか<アノソラヘ>とか、かっこいい路線にシフトチェンジしていたので“こんなのやりたくない”って思っちゃったんですよね」
Nao☆ 「それでも、とにかくみんなで頑張ろうよって励まし合って。それで何度も聴いていたらだんだん良い曲だって気づきはじめたんです」
Megu 「ネギのことをすごく勉強して<ねぎねぎROCK 〜私もお家に連れてって〜>を作ってくださったという話を聞いて」
Nao☆ 「反省しました。ネギの話をすごく楽しそうにしてくれて。Negiccoの私たちがネギのことで不安になっていて、メンバーじゃない人が勉強して、ネギ尽くしの曲を作ってくださったのに、私たちは何を思ってたんだろうって悲しくなってきちゃって」
Kaede 「ネギを捨てようとしてましたからね(笑)」
Nao☆ 「<ねぎねぎROCK>があったから『U.M.Uアワード2010』で優勝できたのに。その『U.M.Uアワード』が第二の転機でした」
Kaede 「そこから仕事がくるようになりました」
Nao☆ 「でもそれも不安で。自分たちは地方アイドルの中でも長年やってきたのに、もし優勝できなかったら解散になっちゃうんじゃないかと責任を感じていて。そうしたらマネージャーが“優勝しなくていいよ”って言ってくれて」
Megu 「それで肩の荷が降りました。“今まで通りでいいんじゃない?”と」
Nao☆ 「歌が好きでダンスが好きで人前でパフォーマンスするのが好きっていう気持ちを忘れないようにしようねってヌキ天の時から話してきたのに、その気持ちを忘れかけていて。それで、マネージャーの一言があって、楽しい気持ちでステージに立ったら優勝することができました」
――今後のNegiccoさんはどうなっていくのでしょうか。フル・アルバムも聴いてみたいですね。
Kaede 「全部ミニでしたからね」
Megu 「全国流通に乗っていない良い曲もたくさんあるので」
Nao☆ 「ライヴに来ていただけると、楽しさや楽曲の良さが伝わると思うので。こないだも東京でライヴした時に“Negiccoは良い曲があるということを初めて知った”と言ってもらえました。だから実際に足を運んで頂きたいと思います!」
取材・文/南波一海(2011年7月)
【Negicco オフィシャル・サイト】
http://negicco.net/
■Nao☆ Blog
http://ameblo.jp/naochapin/
■Megu Blog
http://ameblo.jp/negicco2773/
■Kaede Blog
http://ameblo.jp/kaepo/
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