大阪在住の4人組、POP ART TOWNの1stアルバムに満ちるフレッシュなポップ・センス

POP ART TOWN   2019/11/05掲載
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 大阪在住の4人組ポップ・バンド、POP ART TOWNがファースト・フル・アルバム『SWEET! SWEET? SWEET!』をリリースする。彼らの音楽は、ダンサブルでファンキーなR&B的サウンドに乗せて、キャッチーなメロディを女性ヴォーカルのキュートな歌声で聴かせる、キラキラ感あふれるポップスが持ち味。本作はアッパーな曲からせつないバラードまで粒揃いの楽曲が揃い、彼らのフレッシュなポップ・センスを存分に発揮した力作だ。メンバー4人に話を聞いた。
――結成は2016年12月とのことで、どうやってバンドを組んでいったんですか。
こーや(vo,cho)「もともとみんな地元がバラバラで、リーダーのしゅんさんが和歌山にいて、僕は徳島出身で、あとの2人は大阪なんです。その4人が専門学校で一緒になったんですよね」
しゅんさん(ds)「当時はみんなバラバラの活動をしていたんですよ。前のバンドをやっていたり、なるお(さやか)ちゃんは一人で弾き語りをやっていて。それで僕が2年の時に前のバンドを抜けて、でもまだ音楽したくて、同期の3人と一緒にやろうってなって。それが始まりです」
――しゅんさんは結成した時に、このバンドでどういう音楽をやりたい、というのがはっきりしていたんですか。
しゅんさん「けっこうはっきりしていました。前のバンドがロックなバンドで、J-ROCKというかテンポも速めな感じで。やっぱ叩いていて、向いていないなって思うようになって。それまでとは違う感じのやつをやってみたいなって思って」
なるおさやか(key,vo)「私はシンセもピアノも触ったことなくて、ギターしかなかったんですけど、シンセを買って、それまでとはキャラも違って。最初の頃はどっちがほんまの自分なんや、みたいなのがあって。ギャップがすごかったし。でもだんだんやっていくうちに、バンドのキャラというか、やり方がわかってきて、今はそれがほんまの自分なんかなあ、とか思ったりしています」
――ちなみにみなさん、もともとどういう音楽が好きだったんですか。
しゅんさん「それは4人とも、めちゃくちゃミーハーな邦ロック大好き人間で(笑)。ベースはマキシマム ザ ホルモンだし」
こーや「僕はELLEGARDEN」
なるお「私がBase Ball Bearが好きで」
しゅんさん「僕はBUMP OF CHICKENとかRADWIMPSとか」
――じゃあなんでこういう、ダンサブルでキラキラした音楽をやっているんですか。エルレもホルモンもキラキラしていないじゃないですか。
こーや「結局みんな、このジャンル好きやしな」
しゅんさん「好きやし、その真逆の方におったんで、憧れもあったし」
こーや「なんだかんだで向いているジャンルがここなんだよね、みんな。やっていくうちにどんどん好きになるし。3年目やけど今いちばんこのジャンルが好きやし」
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――そのへんがこのバンドのおもしろいところですよね。じゃあファンキーでキラキラした曲、という個性は、最初からしっかりあったんですか。
こーや「そうですね。しゅんさんから、キラキラした女性ヴォーカルで、シンセも入っているのが作りたい、というすごくわかりやすいイメージが伝えられていたんで、僕の中で作曲のコンセプトはまずそこで、っていう形で始まって。最近は年が経つごとに、このバンドはこういうバンドやな、っていうイメージが自分の中でもつかめてきたんで。POP ART TOWNとは、というのが自分の中で確立されてきて、このアルバムにたどり着いた感じはしますね」
――そういうこのバンドらしさというのは、たとえばバンド名は誰でも知っているような言葉を並べていますし、曲のタイトルもそうだし、音楽性そのものも含めて、すごくわかりやすいというところだと思うんですよ。聴き手を選ばない間口の広さ、というのを感じるんですけど、そこは意識しているんですか。
こーや「楽曲制作は僕なんですけど、曲のタイトルはみんなで決めるんです。やっぱシンプルなのがいいってなるんですよね。それで、楽曲の中の絶対的にこれがなかったらあかんっていうのが、耳に残るキャッチーさなんですよね。フレーズが残るとか、サビのメロディが独特とか、それか歌詞になにかのパンチがあるとか、っていう、どこかしらに僕の中でのキャッチーっていう要素が楽曲の中にある曲しか作らないので。そこにエグい部分を持っていっても、これはいらんなって省かれていって、今のわかりやすさっていうところに行っているので」
――それはたくさんの人に聴いてほしいというのがあるから?
こーや「そうですね。なるべくたくさんの人に聴いてほしいです」
しゅんさん「街を歩いていて、商店街とかで流れてきて、ああいいな、っていう曲でありたいですね」
――今回のファースト・アルバムは、これまでのキャッチーでグルーヴィな楽曲、というのを踏襲しつつ、サウンド的にはシンセを前面に出していて、音が分厚くなっていますね。
こーや「同じリフをギターとシンセで弾いた時に、やっぱりシンセの方が圧倒的にパンチがあるなって。それもキャッチーにつながるかなっていう部分で。最近、使っているソフト音源もパワーアップしまして、その結果もあって。自分の作ったフレーズがいちばん際立つ、いちばんパワーが乗る音はどれか、ってなった時に、シンセの音がいちばんだと思って。楽曲にシンセのフレーズはとても多いですね」
――ビートは冒頭2曲などで、ディスコ・ビートを多く取り入れていますね。
こーや「ディスコにしようとは思っていなくて、単純に自分が踊れるドラムのフレーズってなんだろうってなった時に、やっぱこれじゃね? みたいな。それで結果的にディスコ・ビートみたいな感じになっていますね」
しゅんさん「ダンス・ビートはいちばん大事だと思いますね。四つ打ち大好きですから」
こーや「やっぱりやってて楽しいのがいちばんなんで。打ち込んでて楽しいし」
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――アルバムの中盤ではスロー〜ミディアムの静かめな曲が続いて、ちょっとせつない一面も見せていますけど、ヴォーカルが冴えていますよね。
なるお「静かな曲が私の得意分野なんですよ。静かな曲を歌うのはすごく落ち着くし、歌ってて楽しいです。盛り上がる曲もすごく楽しいんですけど。ゆっくりの曲は自分を出せるので」
――なるおさんってすごくエモーショナルに、熱く歌いますよね。バラード曲だととくに。こういうバンドだったらもっとかわいらしく歌ってもいいように思えるんですけど、そうしないのはどうしてだと思いますか。
なるお「そもそもかわいく歌うのができなくって(笑)。1人でやっていた期間が1〜2年あったので、それが染みついちゃってて。バンドに入った時に、歌い方どうしようって思って悩んだけど、自分が出せるところっていったら歌しかないので、歌い方は弾き語りの時とそのまま同じだし、ひとつひとつの歌詞の言葉の意味もちゃんと伝えたいので、めちゃめちゃエモーショナルになっていますね」
――じゃあ最後に、バンドとして目指すものや目標ってありますか。
なるお「大阪に住んでいるんで、大阪城ホールでライヴできるくらい大きくなりたいなと思います。あそこでフライングしたいんです。飛びたいんです」
こーや「いちばん形がある目標はそれやな。“城ホ”で吊るされて飛んでくっていう(笑)。あと夏フェス出たいとか。それくらいで、バンドの最終目標はないんですよ。なるべくたくさんの人に聴いてもらうっていう、大雑把な目標ですね」
取材・文/小山 守
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