環ROY、オルタナティヴなトリック・スターが放つ2ndアルバム!

環ROY   2010/03/18掲載
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 ヒップホップの閉鎖性を口にし、それを打破しようとミニ・アルバムをこの2年で5枚リリース。クラブのみならず、ライヴハウスでも積極的にライヴを行なう一方、twitterの積極活用やustreamのアルバム視聴会など、新たな可能性を模索してきたラッパー、環ROY(たまきロイ)。フィッシュマンズに大きな影響を受けたオルタナティヴなトリック・スターが2ndアルバム『BREAK BOY』をリリースした。NEWDEALOlive OilFragmentといった過去の共演者から七尾旅人□□□の三浦康嗣、PSGPUNPEERIOW ARAIHimuro Yoshiteru、CONFLICTら、新たな共演者まで、幅広い才能と作り上げた本作は、過去、現在、未来が詰め込まれたヒップホップ・アルバムだ。




──2008、2009年の2年で、Fragment、EccyDJ YUI、Olive Oil、NEWDEALと、計5枚の共演盤を発表していますが、今の活動を考えるうえでの転機となったのは?
 「2008年5月にFragmentと出した『MAD POP』っていう連作の一枚目ですね。あのアルバムは、ヒップホップを聴かないけど、興味はあるっていう人に引っかかったので、活動の幅が広がりました」
──それ以前、2006年の1stアルバム『少年モンスター』は、ヒップホップ・リスナーに向けていた?
 「や、その頃からヒップホップ・リスナーにはあまり向かってなかったですね。一番向いているのは今回のアルバムだと思っているんですけど……」
──環くんは“いわゆるヒップホップ・リスナーは許容する音楽の幅が狭すぎる”っていうことを執拗に言ってますよね。 そう思うようになったのはいつ頃から?
 「1stアルバムを作る前ですね。高校生の頃って、ロックだったらロック、ヒップホップだったらヒップホップだけ聴いて、それが一番格好いいってことになりがちじゃないですか。俺はそうだったんですけど。“ヒップホップ以外ダセー!”みたいな。で、そこから抜けていったのがいろんな音楽を聴きはじめた22、23の頃なんですけど、その変わった意識で作ったのが1stアルバムですね。それぞれの人間には属性があると思うんですけど、表現って、自分の本質に近づいて、自分の属性にフィットしたものを100パーセント駆動させることが時に一番力を持つものだと思うので、自分の属性に無理をせずやった方がいいじゃないですか。僕は既存のヒップホップが持ってるイメージっていうところで頑張っても、属性が違うので正当な評価を得られないんじゃないかって思ったんですよ」
──そのイメージっていうのは、例えば、ヒップホップは不良の音楽っていうような?
 「そう。でも、それって、世間のイメージでしかないから。僕自身は、昭和中期に生まれたらフォークをやってたかもしれないし、平成に生まれたらエレクトロをやってたかもしれないしっていうレベルでヒップホップをやってる。音楽を聴く時にレコード・プレイヤーを使うか、iPodを使うか、CDかラジカセかっていうことと等しく、音楽を作る時にテクノなのかロックなのかヒップホップなのかっていうところでヒップホップをやってるって考えているので、本来なら、そういう属性を気にする必要はないんですよ。でも、世間一般に形作られたイメージがあって、それは自分と剥離しているから、そこで頑張るのは無理してる気がして楽しくないなと思った。不良じゃない、ただのラップ好きじゃダメなのかな?みたいな」
──そこで、過去2年に出した5枚の作品でご自身の作風を攪乱してみせたと。
 「攪乱なんすかね。いろんなサウンドが提示できるっていうアティテュードと、それによって生まれる文脈を提示するって意識なんですけど。でも、好き放題やりすぎちゃったんで、今回のアルバムはしっかり伝わるように意識して、これまでの伏線を回収してオチを付けつつ、後半で次に自分が向かうべき方向を示唆していったんです」
──今回のアルバムではヒップホップに苦言を呈さずに、新しい表現で攪乱し続けるという選択肢もあったと思うんですが。
 「攪乱してるつもりはないんですけどね。色々な作品を作ってみて、僕はポピュラリティのある方が格好いいと思うようになってきたので、今回みたいな方向へ行きました。だから、報償を得るための行動のなかに、パーソナリティをぎりぎりまで、高度なセンスと塩梅で注ぎ込むっていう。それが一番難しいことだと思ってるし、それが僕のなかでポップ・ミュージックを作る一つの手法だと思うので」
──今回のアルバムは攻撃的な前半から、レフトフィールドなビートと絡んだ中盤、そしてラストの「Break Boy in the Dream」は七尾旅人くんとの共演が今後の広がりを感じさせる、そんな流れになっていますが、前半の「J-RAP」という曲で気持ちよく苦言を呈していながら、作品そのものでは、そのJ-RAPをやっているっていう、引き裂かれるような気分は過渡期的なものなのか、どうなのか。
 「<J-RAP>は苦言じゃないんですけどね。愛ですよ。そういう意見もありつつ、僕個人はすがすがしいですけどね。前半は自分がやり残してきたことを言葉にして、自分が出てきた地元(ヒップホップ・シーン)にメッセージを送った。中盤で5枚の共演盤の総括をして、後半で次作を示唆するっていう流れは確かにその通り。ここから先は、どちらにも振り切らず、バランス感覚をよりブラッシュ・アップしていくっていう。それが今後のミッションだと思ってます。だから過渡期的なものだと思いますよ」
取材・文/小野田雄(2010年2月)


iTunes Store 今週のシングル
■環ROY「Break Boy in the Dream feat. 七尾旅人」
※3月17日〜3月24日まで。
環ROY 2NDアルバム「BREAK BOY」リリースパーティー 
ワンマンライヴ<BREAK BOY IN THE LIVE>
4月23日(金)
会場:渋谷O-nest
OPEN / START 19:00 - DAY EVENT
前売:¥2,000( D別) / 当日:¥2,300( D別)

<出演>
環ROY

GUEST:
七尾旅人
PUNPEE(P.S.G)

<Ticket>
チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード 102-427
ローソンチケット Lコード 75266
イープラス

問合せ:H.I.P. 03-3475-9999
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