J−ヒップホップ界の実力者がいよいよ! TARO SOULのソロ・メジャー・デビュー作

TARO SOUL   2008/05/20掲載
はてなブックマークに追加
 ソロとしても活躍しつつ、加藤ミリヤMay J.YA-KYIMマボロシDABOらの客演でもお馴染みのTARO SOUL。彼が5月28日にシングル「Big Soul」でメジャー・デビューをする。
陽気なサウンドのベールのなかにもヒップホップの真髄を感じさせる本作。いま注目すべきTARO SOULに話を訊いた。



 これまでにソロ作を1枚、ユニットで2枚のアルバムをインディで発表しつつ、YA-KYIMやMay J.、そしてマボロシといったメジャー・アーティストの作品への客演参加を経て、満を持してシングル「Big Soul」でソロ・メジャー・デビューを果たすTARO SOUL。

 「(他アーティストへの客演は)去年だけでも20曲ぐらいやってますね」と話すように、もしかしたら彼自身の楽曲は知らなくても、彼が参加した楽曲は耳にしたことがあるというリスナーも多いだろう。


 「ポップなR&Bモノからハードなヒップホップまでいろいろ参加させてもらったんで、ホントに修行でしたね。その経験で、自分が適応できるトラックもやりながら増えてったし、“これが出来るんだ”って自分でも発見がありました」

 そして、それだけの幅を作れたのは、歌とラップをシームレスに繋げることのできる、いわば“ラップするように歌い、歌うようにラップできる”という彼独特のソウルフルなラップ・スタイルによるところが大きいだろう。ただ、そのスタイルを本人が躊躇なくできるようになったのは、ここ一年ほどだと言う。

 「インディ時代の『SOUL SPITS』の頃は、“自分はラッパーだから、歌ってると思われたくない”って思ってましたね、スタイルは今と近いんですけど。ただ、それは自信がなかったからですね。今はいろんな経験を積んで、自分のスタイルを自分で信用できるから、もし“男性シンガー”って思われててもいいし、そのイメージを上手く壊せれば面白くできると思うんですよね」


 そして、メジャー第一作となる「Big Soul」は、しっかりとヒップホップのコアな部分を残しながら、表面にはカラフルな陽気さをまぶし、非ヒップホップ・リスナーにも届きやすい作品となった。ただし、本作はポップな仕上がりではあるが、“ラップがあってサビが歌で”というような、いわゆるJ-POP的なモノではなく、至極真っ当なヒップホップ・イズムが貫かれており、彼の立ち位置の面白さが楽曲にも表われている。

 「自分と同世代がしっかりストリート的なヒップホップで格好いいモノを作ってるし、もともと自分もそっちに近いところにいたから、どうしようもなくヒップホップな人間だって自分で気付いてるし、それを越えた何かをしたいなって」

 そしてそれは、彼の音楽的な原点とも近づいてくる。

 「もともと子供の頃からマイケル・ジャクソンに憧れてきて今に至るわけだから、そのレベルまで行きたいんですよ。有無を言わさないような、純粋に格好いい音楽を作りたいんです。ただ……でかいこと言ってしまって正直ビビってますけど(笑)」

 これまでには存在しなかったラップ・スタイルで彼はどのような新しい道をメジャーで切り拓いていくのか、ゴリゴリのB-Boyがメジャーへどのようなエフェクトを与えるのか、興味は尽きない。

 「メジャー・デビューだけどこれまでの道筋も踏まえた途中経過って思いはありますね。“これからまだ他とは違うことができるよ”ってところを見せていきたいし、今まではヒップホップ・リスナーに向かってきたから、そうじゃない人たちが自分の音楽にどう反応してくれるのかは凄く興味がありますね」



取材・文/高木晋一郎(2004年4月)



【TARO SOUL ライヴ情報】

“LACHIC presents SAKAE SP-RING 2008”
※5/31開催 詳しくはオフィシャル・サイト/http://zip-fm.co.jp/sakaesp-ring2008/まで。

“STILL”
【日程】 2008/06/06
【会場】 福岡・VIBE
【開場】 21:00
http://www.voodoo-clubvibe.com/vibe/
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表
[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作
[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成[インタビュー] ソウル&ファンク・ユニットMen Spyder 初のEPを発表
[インタビュー] KMC 全曲O.N.Oによるビート THA BLUE HERBプロデュースの新作[インタビュー] 魚返明未 日本の新世代ジャズを牽引するピアニストが、新たなトリオでアルバムを発表
[インタビュー] みやけん 人気ピアノYouTuber 『俺のヒットパレード!』第4弾リリース![インタビュー] Billyrrom 注目の新世代バンドに聞く新章突入と〈HEADZ 〜NEW HOT WAVE〜〉出演への思い
[インタビュー] 町あかりの歌謡曲・春夏秋冬 春のテーマは「ディスコ」![インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015