【THE BEATLES ザ・ビートルズ】日本編集盤をまとめるボックス・セット『ミート・ザ・ビートルズ〈JAPAN BOX〉』が登場

ザ・ビートルズ   2014/06/18掲載
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 2014年1月にビートルズのアメリカ上陸50周年を記念して、主にキャピトル・レーベルの編集盤をまとめた『THE U.S. BOX』が発売された。その時に、もしかして次は? と少しだけ思ったのが、日本編集盤をまとめたボックス・セットのことだった。2014年は日本デビュー50周年の年でもあるし。
(C)Apple Corps Ltd.
 そうしたら、予想よりも早く、その名も『ミート・ザ・ビートルズ〈JAPAN BOX〉』が発売されることになった。87年にビートルズのアルバムがCD化され、作品のフォーマットは基本的に“イギリス・オリジナル盤”に統一されたが、それ以前には、各国独自の編集盤が多数出回っていた。日本編集盤もそのひとつで、60年代には、ジャケットの体裁の異なる作品も含めると、『ビートルズ!』『ビートルズ No.2』『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』『ビートルズ '65』(以上64年)、『ビートルズ No.5』『4人はアイドル』(ともに65年)。『ステレオ! これがビートルズ Vol.1』『同 Vol.2』(ともに66年)の計8作品が制作されている。そのうち今回のボックス・セットには、独自の収録曲を収めた『ビートルズ!』『ビートルズ No.2』『ビートルズ No.5』に加えて、ジャケットの体裁が異なる『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』と『4人はアイドル』の計5作品が収められた。
『ビートルズ!』

『ビートルズ No.2』

『ビートルズ No.5』

『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』

『4人はアイドル』
 日本編集盤についてもう少し詳しく書くと、当時東芝音楽工業でビートルズの日本の初代ディレクターをつとめた高嶋弘之氏が、イギリスから届いた“音源”を元に選曲し、日本独自のアルバムを、ジャケットやアルバム・タイトルも含めて“自由気ままに”制作したものだ。今回のボックス・セットには、60年代の日本の音楽業界をとりまく“いい加減”な空気も詰め込まれている。とくに“ここまでやるか”と思わせたのは、レコード店に届くレコードを入れた箱にひとつ(かな?)封入されていた、いわば本のスリップ(注文書)と同じ意味合いも持つ貴重な“半掛け帯”が再現されていること。店頭に出回ったのを見たことすらない(ゆえに偽物も多い)半掛け帯。本物を買おうとしたら、下手するとこの『ミート・ザ・ビートルズ〈JAPAN BOX〉』を100セットぐらい買えてしまうかもしれない。そのくらい希少価値の高い半掛け帯を、復刻版とはいえ手にすることができるのだ。
 それだけでなく、アルバムによっては発売時におまけとして付いていたミニサイズのポスターなども複製した“完全版”として、紙ジャケ仕様で復刻されている。さらに初回特典として、「抱きしめたい」の日本盤シングル・ジャケットを模した「抱きしめたい」1曲入りプロモーションCDが“1964”人に当たる応募抽選ハガキが封入されるともいうのだから、まさに至れり尽くせり。60年にビートルズに出会った現役世代も、その後21世紀の現在に至るまで、増え続けている第二世代以降のファンも、60年代の日本でのビートルズ現象の証として、これもまた一家に1箱、と思う。
 ボックス・セットのブックレットでの、高嶋氏と『ミュージック・ライフ』の編集長だった星加ルミ子氏のやりとりも面白い。たとえばマニアの間で物議を醸した「プリーズ・プリーズ・ミー」と「抱きしめたい」の発売順についての回想や、高嶋氏が社員を床屋に連れて行って“ビートルズ・カット希望の青年 早くも床屋に現わる”という記事をスポーツ新聞に掲載させた話、星加氏が65年に初めてビートルズのレコーディングを見学した日のこと、などなど、ビートルズの人気が60年代前半の日本にいかに根付いていったか、その奮闘ぶりは、まるで大河ドラマ“日本のビートルズ物語”としても楽しめるほどだ。
 そんな日本編集盤、音源は『THE U.S. BOX』と同じくいずれも2009年のリマスターと同じで、『ビートルズ!』『ビートルズ No.2』『ビートルズ No.5』の3枚は、モノのリマスター音源が使用されている。現行CDを聴き慣れた耳には、とりわけ収録曲について新鮮な驚きがあるに違いない。
 中でもまずこれは、というのは、日本のデビュー・アルバム『ビートルズ!』だろう。まだ36曲しかなかったビートルズ・ナンバーの中から高嶋氏が選んだのは、イギリスのデビュー・シングル「ラヴ・ミー・ドゥ」から5枚目のシングル「抱きしめたい」に加えて、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」「ツイスト・アンド・シャウト」「オール・マイ・ラヴィング」ほか全14曲。これ、デビュー・アルバムというよりも、現在でも通用する初期ベスト盤である。続く『ビートルズNo.2』は、6枚目のシングル「キャント・バイ・ミー・ラヴ」以外はめぼしい曲はそれほどないものの、隠れた曲にビートルズの音楽性の幅広さが見られるのを改めて実感させられる内容だ。『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』と『4人はアイドル』は、日本独自のジャケット復刻にこそ大きな意味がある。とくに『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』は、これだけほしいという不埒な(?)マニアが周りにもたくさんいるほど、ジャケ買いしたくなる作品だ。残る『ビートルズ No.5』は、日本でヒットした「のっぽのサリー」とシングル「アイ・フィール・ファイン」が売りだが、『ビートルズ No.2』以上に“通好み”な内容で、『ビートルズ!』と対になる初期の裏ベストだろう。
文 / 藤本国彦
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