世界のダンス・ミュージック・シーンを席巻するエレクトロ・デュオ、JUSTICEがUSツアーの模様を克明に収めたDVD+CDを発表!

ジャスティス   2008/12/11掲載
はてなブックマークに追加
 ロック色の強いエレクトロ・サウンドで世界のダンスミュージック・シーンを席巻するフランスのエレクトロ・デュオJUSTICE。そんな彼らのツアー・ドキュメンタリーを収録した初の映像作品『ア・クロス・ザ・ユニヴァース』がリリースされた。めくるめく狂騒の日々を克明に収めた今作について、メンバーのグザヴィエ・ドゥ・ロズネを直撃した。




 ロックとエレクトロを接合し、わずかアルバム1枚でダンス・ミュージック・シーンの寵児となったJUSTICE。10月には〈GAN-BAN NIGHT〉で来日を果たした彼らが、初の映像作品をリリースする。2度目となる2008年のアメリカ・ツアーに密着したドキュメンタリーを収めたDVDとライヴCDのパッケージとなる『ア・クロス・ザ・ユニヴァース』を発表するにあたって、彼らは、あくまでJUSTICEをムーヴメントのひとつとしてではなく、個として表わしたかったのだという。
 「このDVDにもいろんな面があるけれど、JUSTICEの一日を追っかけた、シンプルなテイストをこころがけた。こういった音楽ドキュメンタリーだと、ミュージシャンの視点だけになってしまうものが多いけれど、僕たちは普通の人の視点で、普通の人が楽しめるものを作りたかった。ギャスパール(・オジェ)も僕もポップ・カルチャーが本当に好きで、そうしたものって一度観ただけですぐ理解できるものが多いだろ。でもマイケル・ジャクソンの作品もそうだけど、実際よく聴きこんでみると、非常にプロダクションが細かくて実はクレイジーなことをやっている。そういったところを出していきたかったんだ」(グザヴィエ・ドゥ・ロズネ、以下同)


 そんな彼らのコンセプトを見事に具体化したのが、ディレクションそして撮影を務めたロマン・ガブラス、そしてED BANGERのソーミー。彼が手がけた「STRESS」のPVを観て、自分たちの頭の中のイメージがあまりにもそのまま描かれていたことからの起用だという。もちろん、彼らがふたりの親友であることもあって、ドキュメンタリーは、ツアーの裏側が忌憚なく描かれていく。
 「彼の才能は、現実のものを過剰にせずにそのまま撮る、そこに個性があるので、僕たちはそこを買って彼に依頼したんだ」
 その言葉の通り、JUSTICEと彼らを取り囲むツアー・マネージャーやドライバー、そして友達やファンとのやりとりが、フロアの狂騒とともに生々しく切り取られており、ライヴのフッテージではヒートアップするオーディエンスをあおり続ける悪夢的なループ、スラッシュ・メタルさながらのヘッドバンギングが繰り返されるダイナミックなフックなど、JUSTICEのライヴにある甘美な興奮を追体験できる。長きにわたるワールド・ツアーを経て、アルバムよりもさらに凶暴に変貌を遂げたライヴのプロダクションについては、グザヴィエはこんなふうに語る。


 「ライヴの音作りに関しては、一度しか聴けないオーディエンスに対してシンプルにするというのはひとつ大事なポイントにして、フックとヴォーカルを強調したアレンジにしている。例えば〈D.A.N.C.E.〉では、作品ではストリングスを入れたりしているけれど、ライヴではビートとベースとヴォーカルだけに絞っていたり、シンプルにまとめている。そんな風にかなりアルバムとは変えているんだ」
 同時期に盟友ソウルワックスもライヴ・ドキュメンタリー作品を発表するなか、そちらにも出演しているふたりは、エレクトロ・シーンの成熟を象徴するようなこの偶然をやんわりと否定する。
 「あれもすばらしいドキュメンタリーだね。彼らはこのシーンを代表するアーティストだし、いろいろなアーティストのインタビューが入っていたり、長いツアーや制作の様子を詳しく捉えている。だからこそ、僕らは20日間のツアーを追いかけた、シンプルなものにしたかった。このシーンが今後どうなっていくか、という質問に対しては、解らないね。成熟していくということはインテリジェンスが加わっていくということだと思うけれど、僕たちが鳴らしているのはそうした知性というよりも、もっとダンスがしたくなるとか直接的な快楽、楽しみをもたらすための音楽だから」


取材・文/駒井憲嗣(2008年10月)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] Arvin homa aya  実力派シンガーの話題曲 アナログで連続リリース[インタビュー] ジェイコブ・コーラー × kiki ピアノ 凄腕師弟コンビ
[インタビュー] 文坂なの \[インタビュー] 人気ジャズ・ピアニストが立ち上げた新レーベル 第1弾は田中裕梨とのコラボ・シングル
[特集] いよいよ完結!? 戦慄怪奇ワールド コワすぎ![インタビュー] you-show まずは目指せ、新宿制覇! 新宿発の楽曲派アイドル・グループがデビュー!
[インタビュー] 想像を超えた創造。タフでラフでラブな一枚 崇勲×ichiyonのジョイント・アルバム[インタビュー] 千住 明、オペラ・アリアをヴァイオリンで 千住真理子とともに20年以上前の編曲スコアを再録音
[インタビュー] 思い出とともに甦る名曲の数々 藤あや子のカヴァー・アルバム[インタビュー] 紫 充実の新作を発表、海外フェスへの出演決定と結成55周年に向け勢いを増すバンドの現在と未来
[インタビュー] RISA KUMON バイリンガル・シンガー・ソングライター  ユニバーサルなアルバムでデビュー[インタビュー] HAIIRO DE ROSSI ジャズ・ラップの金字塔 10枚目にして最高傑作
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015