「今回はちょっと地球寄りのアルバムっぽい」――若き奇才KenKenが語る2ndソロ・アルバム

KenKen(RIZE)   2007/10/25掲載
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 RIZEのベーシストとして知られる一方、ソロ・アーティストとしても人気と実力を兼ね備えた若きベース・ヒーローKenKen。若さゆえのやんちゃな魅力と21歳という年齢からは想像できない、タフでぶっといベース・サウンドが共存する第二弾3枚組アルバム『ARRIVAL of INVADERS』について話を訊いた。



 RIZEのベーシストでもあるKenKenが、1年4ヵ月ぶりに3枚組セカンド・アルバム『ARRIVAL of INVADERS』を発表した。“リアル・ミクスチャー!”と呼びたくなる面白い作品だ。




 ファースト・アルバム『PARTY of INVADERS』は、もともとRIZE加入前から作っていた。

 「15〜16ぐらいからバンドやりだしたけど、行き違いばっかりで上手くいかなくて。17ぐらいの時、(自分が)言っている世界観をわかってもらえないなら、一人でちょっと録ってみようと。録ったらすごく面白くて、そのまま結局作品になった感じかな、1枚目の時は」


 むろん作詞作曲もヴォーカルも全面的にやっている。前作同様『Arrival of INVADERS』もベースだけではなく、ジョニー吉長金子マリの家庭に育って子供の頃から親しんでいた、ギターやドラムなどのほとんどのパートも独演。まさに“一人バンド・サウンド”だ。

 「頼む相手がいたらバンドをやっていたね。俺の中で描いているものを、下手でも(自分の演奏で)録ればいいじゃん!みたいな」

 今回は3枚組が通常版として発売された。普及盤と同じディスク1に、ライヴのためのバンドKenKen of INVADERSで演奏した、ファーストの曲やケミカル・ブラザーズのカヴァーを含むディスク2。そしてライヴや会見の模様も収めたDVD。けれど当然メインは、アナログ録音のディスク1だ。KenKenの奇才ぶりに驚く。

 「ファーストは本当に宇宙でパーティーしているやつみたいなCDを作ったけど、今回はちょっと地球寄りのアルバムっぽいよね(笑)。もっとシンプルになって削ぎ落とされて、アコギのきれいな音も求めたりとかして」

 インスト・ナンバーは少なめで、歌詞もすべて日本語になった。こなれていないヴォーカルだからこそ生々しい、歌ものも聴きどころだ。

 「もちろんファンクは根元にはあるけど。85年生まれで、93年ぐらいに音楽に目覚めたから。あの頃って今よりももっとオープンだったよね、いろんな音楽が。でも俺、けっこう変態がかって神がかった人が好きで(笑)。フリーレッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、ペリー・ファレルジェーンズ・アディクション)、レス・クレイプールプライマス)とかね」


 親しみやすい曲に“変態ちっく”で凝ったアレンジを施したところも、彼らに通じる。複雑なこともやっているが、遊び心もいっぱいだ。

 「マニアックだけど楽しいっていうのは、すごく大事だと思っていて。笑っちゃう瞬間とか、音楽にはユーモアが必要だと思うし。フランク・ザッパとかシステム・オブ・ア・ダウンとかのユーモア、素晴らしいし」

 KenKenが自由な活動形態で音楽を追求するアーティストだからこそ、宇宙のように無限の可能性を秘めていると思わせる作品だ。

 「ソロはずっと作っていきたいですね。出せるものが、やっぱバンドと違うんでね。もちろんRIZEの音楽も大好きだけど。RIZEが好きな人も楽しんでもらえると思うし、そこで共存できる場所が増えていけばいいかな」



取材・文 行川和彦(2007年10月)
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