大阪を拠点に活動するコンポーザー / パフォーマー、
7FOが、ニュー・アルバム『
ひろった石が割れた』を9月11日(金)に発表します。アルバムの背景にイメージとしてあるのは、音の「質量」。全8曲を収録するこのアルバムから、「左右図形」が公開されています。
ある日、ふと道でひろった石が7FOの掌で割れました。音楽家である前に東アジア人という属性をもつ7FOに突如開いた説明のつかない「自然」、そこに音楽家という性(さが)が作動して掴み取った「音の種」のようなものを育て、ある種の媒介者として、自然に投げ返した音の群れ、それが本作だと思われます。音に質量は無いはずなのに、このアルバムの音には手で触れられる実体があるかのようです。かつて
武満徹は「自分を超えた自然や未知の響きに対して、自らを投げ出すことによってのみ、本当の音に出会うことができる」と言いました(『音、沈黙と測りあえるほどに』新潮社, 1971年)。
「質量」という言葉には、ダイナミクスのないノイズ、金属的響き、耳をつんざくダンスフロアの狂乱、様々な形態のドローンなどの音響イメージが思い浮かび、それぞれは独自に「重厚」と言えますが、7FOは重厚の異なる側面を探求しました。密度の高い低周波、彫刻のように凝縮された音の塊、微妙に揺れ動く重力場、躍動感あふれる喜びと滲み出るようなユーモアの集合体です。2024年から2025年にかけて録音された本作で、7FOはドラムマシン、ギター、シンセサイザーと音楽的ビジョンを8つのコンパクトな構造に集約しています。これらの構造は、アメリカの戦前ブルースの強烈なエッセンス、エチオピアの伝統音楽の魂からも部分的にインスピレーションを受けています。
『ひろった石が割れた』の出発点は、7FOが初めてシングル曲というコンセプトに挑んだ7インチ「ヒーリング剣」(2023年)のカップリング曲であるライヴ一発録りの「蛇」に遡ります。この7インチがヘンリー・ロリンズの手に渡り、彼のラジオ番組でB面の「蛇」がオンエアされたことが7FOを刺激し、それが「しろへび」という曲に変態し、アルバムの画竜点睛となって『ひろった石が割れた』が完成しました。音の種を視覚的に育てたようなアートワークは飛鷹宏明によるものです。