ウォーレン・ジヴォン 2003/06/17掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
ウォーレン・ジヴォンと言えば76年の『WARREN ZEVON』を思い出してしまいます。ニューヨークを経由したインテリな風貌からして、当時のウエストコーストの中でも異彩を放つ存在で、眼鏡なんかかけちゃって、まるで大作曲家のような佇まいでしたからね。なんか難しい曲を書きそうだなと思ってると、「Hasten Down The Wind」「Mohammed's Radio」など、実に温かみのある優しいポップスを聴かせてくれるから、筆者なんかはこの『WARREN ZEVON』が大好きなんですけどね。その後の、独特の文学的詩世界でアウトロー的な道を行き、“ロック界のサム・ペキンパー”の異名をとるようになったジヴォンも男らしくて良いですが。
さて今日のニュースはですね、ファンの間では以前から噂されていた最新オリジナル・アルバム
『Wind』(COCB-53087\2,500(税込))について。いよいよ8月20日に発売されるんです! キャリア30年、常にロック裏街道を歩んだ孤高の天才、ウォーレン・ジヴォン。そんな彼のために集まった何とも個性豊かなアーティストがゲストで参加しています。まずは、ともあれ錚々たる参加メンバーをご覧ください!
Billy Bob Thornton
Dwight Yoakam
Ry Cooder
Don Henry
Bruce Springsteen
Tom Petty
Jackson Browne
John Waite
Emmilou Harris
Timothy Schmit
T-Bone Burne
Jim Keltner
David Lindleytoiu
盟友、
ジャクソン・ブラウンや
ライ・クーダー、
ドワイト・ヨーカム、
トム・ぺティ、
ブルース・スプリングスティーン、そして
エミルー・ハリスなどなど、何とも大陸的と言いますか、まるでアメリカン・ロックを凝縮した絵巻のような参加メンバー達の演奏と、ジヴォンの簡潔なメロディー・・・。想像するだけで名盤の佇まいが感じられます。参加メンバーは、みんなルーツミュージックからオリジナリティーを創造してきたような人が多いですが、
ビリー・ボブ・ソーントン??こんな客演も、この面子だとハマっちゃいそうなのが不思議です。筆者は何より、ドラムがジム・ケルトナーって所が嬉しいですね。ケルトナーなら4ビートを演奏しても面白いと思いますよ。
ご存知の通り、自ら末期の肺癌である事を告白しているウォーレン・ジヴォン。本作は、癌と戦いながらレコーディングされた渾身の1枚で、おそらくスタジオ・レコーディング・アルバムはこれが最後になるのでは?シンガー・ソング・ライターのジヴォンとして、当然、そうした自身の現状を反映した歌詞が綴られるでしょうから、悲痛な印象を残す作品になりそうです。心して聴くべし!