「ここにきて第何次目かの成長期を迎えたような気がします」──剣さん、CKBメジャー第一弾アルバム『ガール!ガール!ガール!』を語る!

2009/08/13掲載
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 「メインストリームのど真ん中でウ●コする」というパンクでヒップなアティトゥードはそのままに、メジャー中のメジャー・レーベル、ユニバーサル ミュージックに移籍して、これまでカウンター的な立ち位置から相対してきた、メインストリームのど真ん中に堂々と歩を進めることとなったクレイジーケンバンド(以下、CKB)。今回、リリースされたニュー・アルバム『ガール!ガール!ガール!』は、そんな彼らのメジャー移籍第一弾アルバムにして、CKBというバンドの存在意義を真っ向から世に問う勝負作でもあるのだ。 齢49歳にして進化……もとい成長を続ける横山剣に話を訊いた。

――シングル「ガールフレンド」、つくづく名曲ですね。聴けば聴くほど切なさがこみあげてくる感じというか。あえて、あの曲をアルバムの先行シングルに持ってきたあたりに、音楽家としての剣さんの矜持をひしひしと感じました。CKBのメジャー第一弾作品ということで、たとえば「GT」タイプの派手で勢いのある曲を持ってくるというやり方も当然あったと思うんですね。
横山剣(以下、同) 「最初はメーカーからも、一聴してインパクトのある曲を望まれたんですが、今回はそういう気分じゃなくて。〈ガールフレンド〉という曲は、朝、半分寝ているような状態のときに、歌詞とメロディがパッと同時に浮かんだ曲なんです。だから、いわゆる天然モノですよね。今回は、そういう曲を優先したいなと思って。インパクトや話題性よりも、曲の良さだけであえて勝負したいなと思ったんです。メーカー・サイドにも、そこは快くご理解いただけて」


――実際、「ガールフレンド」は、アルバム『ガール!ガール!ガール!』に向けた強力なイントロデュースの役割を果たしているような気がします。
 「そうですね。ライヴでいうと、オーラスとか、すごく重要なポイントに持ってくるような曲が、いきなりできちゃった感じで。この曲ができあがったことによってアルバムの方向性も自然に定まっていったような気がします。それはタイトルも然りで」
――“おんな”でもなく、“レディ”でもなく、“ガール”という言葉が剣さんの中から出てきたのは一体、どういう理由からだったんでしょう(笑)。
 「“ガール”という甘酸っぱい響きに昔から、どこか惹かれてしまうんですよ。それに今は女のコが元気な時代でもあるし。たとえば地元の横浜で、アメ車のオープンカーに二人乗りしてる女のコたちをよく見かけるんですけど、それが、すごく格好良かった。でも、そういう元気で格好いい女のコの姿を意外に若い男のコって見てないんですよね。そのぶん、俺はガンガン見るぞっていう(笑)。タイトルには、そういう気分も含まれてます」
――アグレッシヴですね(笑)。煙草をやめて約1年ほど経つそうですが、体調面での変化が音楽活動に影響を及ぼしたところはありますか?
 「車にたとえるならば、自分の声をハンドリングしやすくなったというか。以前だったら自分で作ったはいいけど、歌えない曲というのがあったんです。でも、今はそういうことがないから、歌入れしていても非常に気持ちがいい。禁煙後は体調にも気を配るようになりましたよ。メンバー4人で空手道場に入門したり」
――空手ですか!
 「ええ。やっぱり身体が資本だろうということで。身体を鍛えたり、健康に留意するようになると、ノドもいい楽器になるんだなって。ガツンと大きな声を出さなくても、声が響くようになったんですよ」
――前作では、剣さんが緻密にアレンジまで組み立てて、それをスタジオで生演奏に差し替えるというレコーディング・スタイルを採っていましたが、今回はどういうスタイルで?
 「今回はデモ・テープを作らず、脳内に鳴っているサウンドだけを元にプリプロを進めていったんです。デモ・テープに残さないと記憶できないような曲って大したことないんですよね。本当にいい曲っていうのは、いつでも脳内で再生できるし、メロディに迷いがないんですよ」
――迷いがないといえば、今作ですごく印象的だったのは、「ソウル通信」や「僕らの未来は遠い過去」といった楽曲で、今までになくストレートな歌詞を剣さんが迷いなく堂々と歌っていることだったんです。
 「やっぱり煙草をやめるのと一緒で、覚悟を決めなきゃダメだなと思ったんです。今、思っていることは、ちゃんと言葉にしようと。言い切ってしまうことで大風呂敷を広げる。そうすることで落とし前をつけるために一歩前に進むことができるんじゃないかって」
――これまでは、“言い切る” ことに対する、照れみたいなものもあったんですか?
 「“照れこそCKB”みたいなところがあったんですけど、そう思った時点で自分の芸に胡坐をかいてるんじゃないかと思ったんです。それが予定調和になっているんだとしたら、自分もお客さんも裏切らなくちゃいけないですよね。たとえば〈うっかり八時の半太郎〉という曲で、“愛してる”という言葉を生まれて初めて歌ったんですが、これまでは鳥肌が立つような言葉だったのに、今ではそれを言い切ることが快感になってしまって(笑)。恥ずかしいということは、つまり、それだけ人間の本質に近いということなんですよね。最近、やっとそういうことが分かってきて。ここにきて第何次目かの成長期を迎えたような気がします(笑)」
――齢49歳にして(笑)。
 「ええ。だから若いコたちに“こういうふうにしたほうがいいよ”とか偉そうにアドバイスしてる場合じゃないんですよ。そもそも自分が成長してる最中なんだから(笑)」


取材・文/望月 哲(2009年7月)



〈SUNSTAR TONIC presents HONMOKU MASSIVE〉

日時:9月12日(土)
会場: 横浜港シンボルタワー 神奈川県横浜市中区本牧ふ頭D突堤
開場12:00/開演15:00
※雨天決行(台風荒天の場合は翌日順延)
出演: クレイジーケンバンド ほか
料金: 6,800円(税込)※ブロック指定
スタンディングゾーン/ピクニックゾーン共
◆スタンディングゾーン
(中学生未満ご入場できません。)
◆ピクニックゾーン
(保護者1名につきお子様2名まで無料※小学6年生まで)
イベント詳細はこちらをご覧ください。
http://www.djr69.com/honmokumassive
主催: FMヨコハマ/TOKYO FM /ホットスタッフプロモーション
特別協賛: サンスタートニック
後援: 財団法人横浜開港150周年協会/横浜港運協会/藤木商事株式会社
企画制作: ダブルジョイレコーズ/ホットスタッフプロモーション
協力: ユニバーサル ミュージック/ダブルジョイ・インターナショナル
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