アイドルやめた――“渋谷系ガールズロックユニット”に転身したCANDY GO!GO!のリアル

CANDY GO!GO!   2017/08/10掲載
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 CANDY GO!GO!が放つ約1年ぶりのシングルは、その名もズバリ「CANDY」。メンバーが5人になり、“新生CANDY GO!GO!”としての覚悟を示す作品には、結成からの7年間に彼女たちが味わってきた出会いと別れ、喜びと苦しみという“リアル”が痛いほどに詰め込まれている。そして発表された“渋谷系ガールズロックアイドル”から“渋谷系ガールズロックユニット”への転身――。アイドルの枠を超え、新たな天地へ飛び出そうとする5人の今後に注目だ。
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――「CANDY」というタイトルといい、キャッチーな曲調といい、新生CANDY GO!GO!の意気込みを感じるシングルですね。
なぎさりん 「(プロデューサーである)社長の鼻歌が送られてきた段階で、“タイトルと歌い出しは絶対『CANDY』にしてほしい”と言われていたんです。7人だったメンバーが、今年に入って5人になって。CANDY GO!GO!としても今が踏ん張り時の大事なシングルなんだ……とも伝えられていたので、私が書いた歌詞の内容も全部リアルですね! 結成からの7年間でたくさんの出会いと別れ――加入と卒業があったから、彼女たちの想いも全部背負ってこの5人で闘い続けていくよ。CANDY GO!GO!という居場所を私たちは守り続けるから、いつでも帰ってきていいよ……という曲になっています」
――なるほど。“CANDY 旅立ちは「サヨナラ」じゃないから”というフレーズで曲が始まるのも、それを聞くと納得です。
関根ゆみ 「結成当初からいる私からしたら、もう、何回“出会いと別れ”を見てきたんだろう?って。全員が後輩なのに全員が先に抜けていくのがすごく苦しいときもありましたし」
菜月アイル 「思い返せば新人だった私も、今は中堅という立場になってしまったのが、ちょっと寂しく感じられたり、今までにない感情を覚える曲ですね」
高城しおり 「一番最後に加入した私でも、もう2年半が経つんですよ。つまり、その後に入った子がみんな卒業しちゃってるってこと」
磯野未来 「入って4年の私からすると、出会ったことのないメンバーや一緒に活動したことがないメンバーが大勢いるんです。そうやって一つのユニットが継がれていってるんだなぁと考えると、一緒に活動できなかった人たちの分まで頑張っていきたいと思える曲ですね」
――ええ。アッパーでキラキラとした光の見える曲調からも、そういった前向きな想いは伝わってきます。
なぎさ 「同じメロディが繰り返される曲なので、レコーディングではすごく苦戦しましたけどね。ある意味単調なぶん、歌い方一つで印象が変わるから」
菜月 「メインで歌っているのはりんさんで、私はAメロでの掛け合いを担当しているんですけど、そこに先日卒業した宍戸桃子の卒業ライヴで私が彼女に向けて書いた手紙の一部分が使われているんです。“本当はもっと一緒にいたかったんだ”っていうフレーズで、ライヴでココが来るたびに私、泣きそうになっちゃって……あ、涙出てきちゃった」
関根 「二人以外は本当に一言しか歌ってなかったりするんですけど、その一言に感情を込めすぎて、たまにデカい音になってしまったりもしますね。あと、最後の“オレンジのヒカリを”は全員で歌っているので、オレンジのサイリウムでいっぱいのワンマン・ライヴだとか、今までの7年間を思い浮かべながら歌ってます」
――CANDY GO!GO!の色がオレンジなんですよね。
関根 「はい。最初のロゴがオレンジ色だったんです。そこからオレンジが浸透していったのかな?」
なぎさ 「今はライヴでも毎回歌っているんですけど、この曲キーが高いんですよ! だから喉のケアは大変で、でも、歌っていると毎回じんわりくるんです。7月3日のワンマン・ライヴを観に来てくれた卒業メンバーも、みんな“メチャクチャいい曲ですね!”って言ってくれました」
菜月 「それこそ宍戸なんて、速攻マネージャーに“MVください”って言ったらしく、メンバーより先にフルのMVをもらってました(笑)。それくらい気に入って、ずっと頭から離れないって言ってましたね」
高城 「CANDY GO!GO!の歴史の半分も在籍していない私でも、本当にたくさんの出会いと別れを経験してきたので、この曲はCANDY GO!GO!と関係なく、どんな方でも共感してもらえる曲だと思います」
――人生には出会いと別れがつきものですからね。じゃあ、今までの人生で一番印象に残っている出会いと別れを、それぞれ教えていただけますか?
関根 「私、飼っていたウサギですね。中学のころ学校に行ってない時期があったんですけど、その子がいたから外に出られるようになったし、明るくもなれたし。8年後に別れが来てしまったときも、私の手の上で亡くなったのが今でも頭に残っていて……だから、もう自分では絶対にウサギは飼いたくないんです」
磯野 「ペットの話はずるいって!(と、涙目になる)」
菜月 「私は最近16年ぶりに親友に会ったんですよ。小学校3年生のときに転校しちゃった子で、ずっと文通はしてたんですけど、高校生くらいから書かなくなっちゃってたんです。それがCANDY GO!GO!の活動をしていることに気づいてくれたみたいで、この前連絡をくれて。待ち合わせをしたら、168センチくらいの大人の女性になってて感動しました!」
なぎさ 「そんなハッピーな話の次に申し訳ないんですけど……私、この別れを機に人を信用することをやめよう!と決めたエピソードがあって。高校時代に好きだった人とメチャメチャいい感じだったのに、見も知らない人間が私を潰すためにネットの掲示板にありもしない書き込みをして、それを彼が信じてしまって関係が壊れてしまったんです。そこから“ああ、人なんて信用するもんじゃないな”って、人とは広く浅く付き合うようになりました。この経験、実は去年出したアルバム『IDOROCK』に収録されている〈事件File.055〉の元ネタなんですよ」
高城 「逆に私は21年間生きてきて、今まで出会ってくれる人はホントに良い人ばかりで! 印象に残っている出会いと別れと言われても、なかなか選べないですね。もう、全員」
なぎさ 「ホントに全員か?」
高城 「そうですね。“いいな”と思う人以外はいない」
――つまり“いいな”と思わない人は、高城さんの中で出会っていないことになっているんですよ。
高城 「そう! だから別に嫌いな人も特にいないし、そういう人は自分の中でいなかったことになってる」
磯野 「……抹消! 一番怖い!」
なぎさ 「自分のテリトリーに入れないってことでしょ?」
高城 「入れない」
磯野 「磯野もそれに近いかな。他人は超嫌いなんですけど身内は超好きっていう、その差が激しいんです。純粋に友達が好きすぎるから、就職されるのがホントに嫌で! 休みが合わなくて遊べなくなるから“ニートになってください!”って、みんなにお願いしてたくらい(笑)」
――就職しても会えますって! そしてカップリングではメイン・ヴォーカルを担当しているメンバーが作詞もされていますが、「禁断relation〜ゲスLOVE〜」が菜月さん作詞というのが意外でした。
菜月 「みんなに言われます! 今まで真面目な歌しか書いてこなかったので、私も新たな扉を開けてみようかなぁと、今回はゲス不倫っていう初挑戦のジャンルに行ってみました。いろんな男女の価値観の違いを描きつつ、最終的には手を出したら泥沼だから気をつけろよ!っていう忠告も含めてるんですけどね」
なぎさ 「私、この歌詞をアイアイが書いたって聞いた瞬間、すごく興奮して! アイアイってホントに真面目で真っ直ぐで超ピュアだから、きっと歌詞を書くに当たっても不倫についてメチャクチャ調べたんだろうなぁ……って、頑張って汚れようとしてるアイアイを想像しちゃったんですよ」
菜月 「あ、実際“どうして不倫をするのか?”っていうのをネットで検索して、最悪わかんないところはお父さんに聞きました。“ねぇ、男の人ってなんで浮気するの?”って」
――そんなに自分から遠い歌詞だと、歌い方もいつもと違うのでは?
菜月 「……難しいです。Aメロも1番は女性、2番が男性の価値観なんで、しっかり区別できるような歌い方を意識してるんですけど、まだ自分のものにできてないですね。もともとセクシーさが薄くて、お客さんにも“アイアイさんは色気がないですよね”って言われるくらいなのに、これはホントに色気を出していかなきゃいけない曲なので、今後のライヴでは色気の増し具合を見てほしいです」
高城 「全員で歌うサビでも1番は男、2番は女、3番は男女両方と目線が変わるので、声の感じを変えているんですよ。メッチャ可愛く歌ってたのが急に太目の声で歌ったり、そこは聴いてもらいたいところですね」
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――そしてType-A収録の「Yes-Yes-Yes」は磯野さんの作詞。
磯野 「詞のテーマは“汚い大人たち”で、CANDY GO!GO!が今までに味わってきた大人たちへの恨みつらみをブチ込んでます。ウチらもそれなりに大人だから、若い子たちだったら見えないところが見えてしまって、そのぶん怒りも湧いてくるんですよね。実はパートごとに対象となる人物がいたりするくらい、この曲も〈CANDY〉とは別の意味でリアルな曲なんですよ」
なぎさ 「歌詞が送られてきたら、それぞれ誰について歌っているのか?っていう注釈まで書いてあって(笑)」
関根 「だから歌ってると、その人の顔が出てきますよ。タイトルは〈Yes-Yes-Yes〉でも、メンバーはイエスマンじゃないんだよって、すごく感じますね。ちゃんと毒だって吐くんだよって」
磯野 「もともとは〈no-no-no〉という曲があって、そのアンサーソングとして作った曲を、卒業した宍戸が自分のソロ曲として歌っていたんです。それをCANDY GO!GO!バージョンにアレンジして、歌詞も全部書き換えたんですよね。逆にType-B収録の〈ハピスマ〉は平和な穏やかな曲で、社長の鼻歌が送られてきたときにパッと思い浮かんだのが、メチャメチャ泥酔して潰れてるおじさんが歌ってるラブ・ソングだったんです。なので“酔っ払いのラブ・ソング”をテーマに、ベタな愛の言葉を詰め込んでみました」
――「ハピスマ」というタイトルも“ハッピー&スマイル”ということですよね。
なぎさ 「でも、前に私と二人で飲んでたとき、磯野は“恋愛なんてクソだ!”みたいな話を散々してたんですよ。その直後にこんな歌詞が送られてきたから、笑っちゃいました」
磯野 「“男なんて全員カラダだろ?!”みたいな話してたよね。こんなのもアイドルやめたから言えることだけど(笑)。だから歌詞を書くにあたっては、少女マンガ好きな菜月となぎさに、少女マンガでありがちな台詞を教えてもらったりもしましたよ」
菜月 「“僕の隣にいてよ”とかね。でも、私、本当に少女マンガ好きの恋愛体質で、そういう想像や妄想をするのもすごく好きだから、この曲は私がセンター取りたかった! 一回みきぴょんが休んだときに代わりに歌ったら、もう楽しくて楽しくて! “ああ、これ私の曲だったらなぁ”って思っちゃいました」
なぎさ 「でも、アイアイが歌ったらしっくりきすぎちゃって、普通のピュアなラブ・ソングになっちゃうから。しっくりこない磯野が歌ってるからこそ感じるこの違和感が、逆にメッチャいい!」
関根 「私はファンの人に向けて歌ってるところもありますね。例えば“今まで君がどんな人といて”には、“今までどんなアイドルを応援してきたの?”っていう想いを重ねていたり。ちょっと重い女かもしれないですけど(笑)」
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――ところで、さっき磯野さんが「アイドルをやめた」とおっしゃっていましたが、どういうことですか?
関根 「7月3日のワンマン・ライヴが終わったときに、いきなり社長がステージに出てきて“CANDY GO!GO!はアイドルをやめます。渋谷系ガールズロックアイドルではなく、これからは渋谷系ガールズロックユニットになります”って宣言したんです。アイドルという枠を超えたアーティストになりたい……という気持ちはわかるんですけど、まだまだ参加してるイベントもアイドルライヴが多いし、私としては“これからどうなるのかな?”っていうワクワクと不安の両方がありますね」
なぎさ 「アイドルをやめる宣言をしてくれたことで、なぎさりん的には本当の自分が出せるかな。今でも素を出してるように見えるでしょうけど、これでも“アイドル”という言葉に押さえられていたんですよ! でも、もう何も私を押しとどめるものはないんだ……って、今はイキイキしてます。これから私の第二の人生スタートだ!って」
高城 「怖い! OKの許容範囲を超えてしまいそう」
磯野 「ダムが崩壊したみたいにパーン!といきそうだよね。アイドルをやめて何をするのかを明確に聞かされていないので、磯野的には不安が大きいんですけど、それもこの5人で乗り越えていかなきゃいけないんだなと。プロデューサーにも“落ちるところまで落ちましょう”っていう言葉を貰ったくらい、今、CANDY GO!GO!ってピンチな状況なんですよ。メンバーも減って、お客さんの動揺もあって、ホントにここを乗り越えないと先は無いから、どんな状況になっても絶対這い上がってやろう!っていう意味なんでしょうね」
――崖っぷちだからこそ出る力もありますしね。
なぎさ 「崖っぷちじゃなく、もう崖から一回落ちた状態ですよ!」
磯野 「蹴り落されて、もうロッククライミング状態ですね」
高城 「そんな状況でも、このメンバーだから。この5人だからできるっていうのが、なんとなく心の中にあるんですよ」
菜月 「おかげでメンバーが団結したので、逆に強いんじゃないかな。ただ、個人的には残念な想いもありますね。せっかく“アイドロック”というものを確立しかけてたのに……って」
関根 「と言いつつ、今までと変わらない気もするんですよね。ただ、どんどん楽曲がロックな感じになっていって、老若男女問わず聴ける曲を作っていくようになるんじゃないかな」
なぎさ 「バンド、アイドルの他に“アイドロック”というジャンルがあるっていうことだよね」
関根 「うん。私たち自身も模索しながら、これから“渋谷系ガールズロックユニット”というものを確立していきたいと思います」
取材・文 / 清水素子(2017年7月)
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