【日本語ラップ対談】サ上とロ吉とSKY-HI〜サイプレス上野とロベルト吉野×SKY-HI(日高光啓 from AAA)〜

サイプレス上野とロベルト吉野   2013/03/12掲載
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 前作から11ヵ月というスパンでニュー・アルバム『TIC TAC』をリリースしたサイプレス上野とロベルト吉野。アイドル・グループAAAの活動と平行してソロ・ラッパーとしても活動し、昨年コラボレーションを主眼にしたアルバム『SKY-HI presents FLOATIN’LAB』をリリース、また2月には初の全国ツアーも見事に成功させた、SKY-HI a.k.a.日高光啓。クラブをベースに出会い、親交も深いこの2組が、ついにCDジャーナルWEB上でヒップホップについて熱く対談!
「会ってからしばらくは、日高がAAAのメンバーだってことは知らなくて、単なる若手のラッパーだと思って接してた」(上野)
──まずサ上とロ吉と日高くんの出会いは?
 SKY-HI a.k.a.日高光啓(以下、日高) 「出会いはクラブっスね。たしか渋谷のクラブ・NUTS(※現在は閉店)で。サ上とロ吉が1stEP『ヨコハマジョーカー』と1stアルバム『ドリーム』を出す真ん中ぐらいの時期に」
 サイプレス上野(以下、上野) 「2005〜6年だね。日高は会うたびにいつもデモCDを持ってきてくれて、それがもらうたびに内容が変わってるから、デモとはいえ制作もスピーディだし、勢いのある若手だなって。渋谷のFAMILYってクラブでは、俺らは〈ONE〉、日高は〈METROCKRIDE〉ってイベントに出てたりして、イベントは違うけど、近いところでは活動してましたね。でも会ってからしばらくは、日高がAAAのメンバーだってことは知らなくて、単なる若手のラッパーだと思って接してたんだよね」

AAA「PARTY IT UP」

AAA『Ballad Collection』

──じゃあ、後で実はアイドルなんだって分かったんだ。
 日高 「それはどう知ったんですか?」
 上野 「たしか普通に話の流れで出てきたんだよ。で、こっちも“そうなんだ。いろいろやってるね”ってぐらいで」
──そんなに驚きもなく。
 日高 「ラッパーって別の仕事持ってる人がほとんどですからね」
──でも相当特殊だよ。
 上野 「だから、珍しいとは思ったけど、そこまで驚きもなく“まあ、頑張ってよ”みたいな。こっちはしがないレコード屋の店員だったのに、武道館アーティストに対して偉そうに(笑)」
──そのときって日高くんはどんなラップしてたの?
 日高 「忘れてるのか、記憶に鍵を掛けてるのか(笑)、思い出せないんですよ」
 上野 「ウチにそのときのデモまだ残ってるよ」
 日高 「え〜、燃やしましょう(笑)!」
 上野 「ヤフオクに出そうかな(笑)」
──日高くんから見た、その当時のサ上とロ吉の印象は?
 日高 「ライヴを必ずロックするグループって印象でしたね。NUTSってDJにスターが多い、DJメインのハコだったし、特に平日はライヴが盛り上がらなかったんですよ。でも、そこでも手法選ばずにガンガン盛り上げてて、“スゲえ、これぞヒップホップだ!”って感じでしたね。ライヴ以外でも、ここまでいろんなことやっていいんだって思わされたというか」
──例えば?
 日高 「当時、サ上とロ吉のCDの特典で、70分ぐらいの、ふたりが話してるラジオみたいな音源が付いてきたんですよ。ただ、ほとんど文字に起こせないような内容だったり、間にけっこう無言の時間が続いたり、なんだこれはって感じで(笑)」
 上野 「特典とは言えヒドいな(笑)」
 日高 「それぐらいやってもいいんだなって(笑)。あと、出会った頃から優しい先輩でしたね。僕の(アイドルという)素性を知っても知らなくても、上野さんとかKEN THE 390さんとかは対応の変わらない人たちでした。俺の“昼間はAAAで夜はSKY-HI”っていうライフ・スタイルを普通に見てくれてましたね」
──反応変わる人もいるんだ。
 日高 「接しづらそうにされちゃう場合もあって。それも当然あるなとも思うし、“気を遣わせてしまって、すいません”って思うんですけど」
──当時、ライヴは被ってたりした?
 上野 「いや、ハコは同じような場所でやってたけど、被らなかったですね」
──じゃあ、クラブでのコミュニケーションと、音源で繋がっていった感じだったんだ。

『ドリーム』

 日高 「そうですね。やっぱり『ドリーム』が衝撃だったんですよ。イントロが2回あるとか意味分かんないじゃないですか。だから、ライヴでもドヒャーってなるし、音源でも驚かされるし、会えば良い人だしっていう」
 上野 「すげえ褒められてるな(笑)!」
 ロベルト吉野(以下、吉野) 「でも、その当時ってあんまり記憶自体がないんですよね」
 上野 「いきなり話の流れぶった切ったな(笑)!」
 吉野 「酒ばっかり呑んでたから」
 上野 「お前の自己責任だろ、それ!」
 日高 「吉野さんと一番最初にしっかり話したのが〈ULTIMATE MC BATTLE〉の会場だったんですけど、そのときもベロベロでしたよね」
 吉野 「MCじゃないんで関係ないから呑むしかなかったんですよ」
 上野 「関係あるだろ、絶対!」
 日高 「『ドリーム』を出したときに、僕のラジオにゲストで出てくれたんですけど、そのとき吉野さんは一言も発さなくて(笑)。でも、スクラッチやパフォーマンスは凄いし、ライヴじゃ裸だし、一体どんな人なんだろうって謎が深まってたときだったんで、〈ULTIMATE MC BATTLE〉で話せたのは嬉しかったっす」
 吉野 「日高がメタルみたいな格好してたんで“ヘヴィだね”って褒めた記憶があります」
 上野 「どういう会話だよ(笑)」
 日高 「ステージ上で上野さんが吉野さんにマジギレするってのもありましたよね」
 上野 「よくキレてたし、ブースに蹴り入れるとかスピアー(タックル)かますとか、ライヴのルーチンにも取り入れてた(笑)」
 吉野 「ブースが壊れて、腰で支えながらDJしたこともありますよ(笑)」
 日高 「サ上とロ吉のライヴでは、吉野さんのビール毒霧とか、誰かしらが傷を負うことが多いですよね」
──毒霧の場合、吹きかける対象がお客さんだっていう恐ろしさがあるし、誰も油断できない(笑)。
 上野 「クセえ!とか言われて(笑)」
「サ上とロ吉さんの世代はライヴが上手い人が多いし、それぞれすごく工夫してる先輩が多いなって。その世代からの影響はホントに大きい」(SKY-HI)
──一緒に制作したのはホントに最近になってからだよね。
 上野 「去年リリースされたKREVAさんの〈PROPS feat.KEN THE 390、LB(LBとOtowa)、HI-SO、KLOOZ、サイプレス上野、SKY-HI a.k.a.日高光啓(AAA)〉が最初っスね」
 日高 「その前に、TRIGA FINGA & DJ TY-KOH〈Gyal Is Everything〉のリミックスを作ろうと思ったとき、上野さんに声をかけたんですよ。で、OKは貰ったんだけど、すっぽかされるっていう(笑)」
 上野 「2011年の夏にagaHaで〈女性口説きMCバトル〉があったときに、その話をもらったんだよね。だけど、秋が過ぎ、冬になり……」
 日高 「“上野さん忙しいんだろうな”とか思って、俺もその件でだんだん連絡取らなくなり(笑)」
──〈女性口説きMCバトル〉で上野くんと日高くんは戦ったんだよね。
 上野 「普通のMCバトルでは戦ったことないのに(笑)。ageHaの〈口説き〉は一回戦が俺と日高だったんだよね」
──何が決め手で勝敗が決したんだっけ?
 日高 「“私を笑顔にしてくれたのが上野さん”っていうのが、口説かれガールのジャッジでしたね」
 上野 「日高もラップで“Mステ”とかワード出してて、やるなって思ったんだよね」
 日高 「上野さんが、“君のために稼ぐぜ”みたいなことを言ったから、それを受けて、“家で見ててくれ、Mステ”って返したんですよね」
 上野 「あれスゲえ湧いたよね」
──日高くんだから説得力あるし、現実に『ミュージック・ステーション』に出てるわけだからね。
 日高 「だから“勝った!”と思ったんだけど、延長にもつれ込んじゃって、最終的に負けちゃって。でも、決勝で上野さんとNONKEYさんが上半身裸で戦ってるの見て、“これは勝たなくて良かったかも”と思いましたけど(笑)」
 上野 「俺も優勝したのはいいけど、口説かれガールは速攻帰ったもんね(笑)。で、それに対してSUPER-G(MIGHTY CROWN)先輩に、“結局口説けてねえじゃん!”ってその場で説教喰らうっていう(笑)」
──その年末にも、もう一回口説きバトルで戦うんだよね。
 上野 「俺が司会やってる『RAPSTREAM』っていうUST番組のクリスマス特番で。その日、日高は別のライヴに出てたんだよね」
 日高 「KEN THE 390さん主催の〈超ライヴへの道〉に出てて。それ終わりでKENさんと会場に駆けつけて、まず上野さんとKENさんが戦ったんですよね。上野さんは極限の下ネタで女の子を口説いてて(笑)」
 上野 「それで、ジャッジの口説かれガールは勝った方を指さすとかじゃなくて、女の子が鞭持ってて、俺とKENが四つん這いになって、ケツを叩かれた方が勝ちっていう。で、俺が叩かれて、勝った喜びと打たれた喜びでアヒアヒ言ってて(笑)」
──ヒドすぎる(笑)。
 日高 「それで、上野さんの最後の敵として俺が登場することになったんだけど、出るの、かなり躊躇しましたもん。“勝っても負けてもいいけど、四つん這いだけは、いろいろ無理だ”って(笑)」
──事務所とかそういう話になってくるよね(笑)。
 日高 「でも勝てたときは嬉しかったですね。あのときか、〈ULTIMATE MC BATTLE〉でPONYに勝ったときか、どっちかですね、ラッパー人生で一番嬉しかったのは」
──その比較、PONYが可哀想だわ(笑)。
 日高 「四つん這いにならなくてよかったのも嬉しかった(笑)」
──そういう、日高くんのパブリック・イメージを壊しかねない状況が日本語ラップ界には渦巻いてるわけだけど。
 上野 「いや、俺らの周りだけでしょ(笑)」
 日高 「サ上とロ吉の周りだけで、俺のAAAとしてのキャリアがダメになりかねない地雷がかなり埋まってそうですもんね」
──なんで、そんなのと付き合ってるの?
 上野 「おい! ひどいこと言うな(笑)!」
 日高 「ハハハ。でも、上野さんといるとホント楽しいんですよ。昔話してるだけでこんなに面白いんだなって改めて思うし。それを常に提供してくれるんですよね」
 上野 「日高は気兼ねなく付き合えるから。日高がクラブとかでやってるSKY-HIとしてのライヴには、AAAからのファンも来てるわけじゃないですか。で、一緒に写真とか撮ってる背後から、むんずと日高の股間を握ったり」
──気兼ねしないってそういう部分か(笑)。
 上野 「そんなことしたら俺が嫌われる可能性の方が高いのに(笑)」
──嫌われるっていうか、ファンから見ると王子様とそれを貶める悪者だよね。
 上野 「ひひひ〜って感じで(笑)。それを日高も楽しんでくれるから、マジで信用できる」
 日高 「『RAPSTREAM』で最終的にチュウした記憶がありますもん」
 上野 「しかも生放送で」
──日高君としてはなんのメリットもない(笑)。
 日高 「だから、ホントにラップの先輩と後輩で付き合えるんですよね。四つん這いにさせないだけのラインは守ってくれるし(笑)」

『FLOATIN' LAB』

──話は作品の話に変わって。昨年、日高くんはSKY-HIプレゼンツとして、コラボ色の強いアルバム『FLOATIN' LAB』をリリースしたわけだけど、日高くんがデモを配ってる時期から彼のことを知ってるサ上とロ吉としては、その動きはどう見えた?
 上野 「ホントに素晴らしいなって。いち若手にすぎなかった男が、作品の方向付けやディレクションもほとんど自分で決めて作品を作ったっていうのが、まず信用できると思った。MCやトラック・メイカーに関しても、現場にいないと繋がれない面子が多くて、それも日高じゃないとできなかったんだろうなって。“アイドルだろ?”みたいに斜めに見るヤツも多いと思うけど、そういうヤツも聴けばトバされる作品だと思いましたね」
 吉野 「スキルの部分でもホントに研究熱心ですよね。倍速で信じられないぐらいのファスト・ラップができるし、アスリートみたいに、どこの筋肉を鍛えたらどう強くなるのかが分かってる感じがありますね」
──『FLOATIN' LAB』にはサ上とロ吉の参加はなかったけど。
 日高 「たぶん、〈Gyal Is Everything〉のことが尾を引いてたんだと思います(笑)。でも、ホントのところ、候補には入れさせてもらってたんですよ。だから、連絡もしてたんだけど、曲やコラボとして、そのときはピッタリとしたハマりどころがなくて」
──そして先ほど話題に挙がったKREVAの「PROPS」で、タッグではなくバトルロイヤルって感じで組み合うことになるんだけど、一緒に制作しての印象は?
 上野 「参加した全員が全員とも、ここでカマさなきゃって思ってたから、いい緊張感もあったし、それでもみんな仲良いから和気あいあいともしてて、すごく楽しかったですね」
 日高 「1回目のプリプロで集まった時期に、上野さんとクラブで会ったから、そこで〈PROPS〉の話になって“上野さん、プリプロのリリックは結構大人しかったですね”っ て言ったら、“いや、全然エグいこと入れてくよ”って言ってて。で、実際に2回目のプリプロでは“電マ”とか“俺は赤ちゃん”とかってワードがガンガン上野さんのヴァースに入ってきてて(笑)」
 上野 「後出しじゃんけんみたいなモンで、1回目では手の内を明かさなかったんだよ(笑)」
 日高 「“やばい! 出しちゃいけない部分引っ張り出しちゃった!”って思いましたね(笑)。でも“俺は赤ちゃん”はヤバかったな〜。ヒップホップで“俺は●●”って表現はよくあるじゃないですか」
──「LIKE A ●●」とか、何かに例える表現ね。でも、大体強いモノに例えるけど……。
 日高 「赤ちゃんという自分では何もできない、保護される代表に自分をなぞらえて(笑)」
 上野 「“泣くのが仕事だ”って開き直って(笑)。〈PROPS〉はKREVAさんの曲なんだけど、勝手にやってくれって感じだったから、気が楽だったし、自分たちの曲って思える曲でしたね。だから、KREVAさんのライヴだけじゃなくて、参加メンバーのライヴでもやらせてもらったり」
 日高 「あの曲は上野さんやKENさんっていう30歳前後の先輩世代と、俺やLBっていう若手世代の競演っていう形になったけど、そこで思ったのは、サ上とロ吉さんの世代はライヴが上手い人が多いし、それぞれすごく工夫してる先輩が多いなって。俺らはその世代のライヴを観ることが多かったから、ライヴとか曲とか、スタンスってモノをすごく考えさせられましたね。だから、その世代からの影響はホントに大きい」
 上野 「俺らから日高世代を見ると、ラップが上手いのはもう当然の世代。かつライヴの構成も凝ってるし、負けてられないなってのは感じますね。それから、YouTubeとかネットの使い方とか、見せ方をホントに考えてるし、それが個人でもできちゃうのは普通にすごいって思いますね」
 吉野 「僕らの世代はお酒飲んじゃうし、飲み続けられられたのが勝ちみたいな感じだから、日高みたいなストイックな人があんまりいないんですよ」
 上野 「そういう人間ばっかりじゃないけど……ま、いいや(笑)」
 吉野 「やっぱりマトモだし」
 上野 「お前に比べたらな(笑)」
 吉野 「そうか……じゃ、大丈夫です」
 日高 「大丈夫で良かったっス(笑)」
「ヒップホップに対して誠実にやってるから本当に信用できる。日高がシーンにいることで活性化は確実に起こってるし、いい流れを生んでると思いますね」(上野)

『TIC TAC』

──日高くんはサ上とロ吉『TIC TAC』にどんな印象を受けた?
 日高 「サ上とロ吉のカラーはこれまでの作品と同様に共通してるけど、空気感は前回のストイシズムから比べると、肩の力が抜けて1stの『ドリーム』寄りなのかなって思いました。ビートもすごく今っぽいし、特に〈YouTube見てます〉とか、今最新で流行ってるビートじゃないですか。なのに、なんでサ上とロ吉臭が出ちゃうんだろうって(笑)。それも、『ドリーム』が出たときに同業者が揃って“やられた”って思った感じに近い。ヒップホップIQが高ければ高いほど楽しめるんだけど、全然ヒップホップを知らなくても、異物感込みで楽しめる作品だと思いましたね。今回も、アルバムのトレーラー映像が、いきなりお母さんとの会話で始まるっていうのはやっぱり衝撃でしたね。作品を告知したり売るためのトレーラーじゃないのかよって(笑)」
 上野 「あれ母ちゃんじゃないんだよ」
 日高 「え! じゃあ誰なんですか?」
 上野 「近所の飲み屋のおばちゃん」
 日高 「余計どういうことなんスか!(笑)」
 上野 「〈LIVE GOES ON〉のPVをウチの近所で撮ってたんだけど、そこは普通の駐車場なんだよ。で、そこで目出し帽被って、おもちゃの拳銃とかナイフ持って撮影してたら通報されちゃったんだ。それで結構な数の警察に囲まれて“なにやってんだ”って言われて、“映像クラブです”とか言い訳してたら、いきなりそのおばちゃんが来て“捕まっちゃダメよ〜”って」
 日高 「ラッパーが警察に囲まれる理由が、そんなにファンシーなのは初めて聞きましたね(笑)」
──バイオレンスでもドラッグでもなく、言い訳が「映像クラブ」だもんね(笑)。
 上野 「“映像撮り終わったら帰るんで”とか言ってる隣では吉野が金髪のカツラ被って吊されてるし(笑)。でも話は戻るけど、同業者を驚かせたいっていうのは本当にその通りで。格好いい曲で驚かせるっていうより、“ものの見方”であったり“表現”っていう部分で驚かせるっていうのがやりたかったんですよね。その捻くれも俺たちの持ち味だし。ストイックに作ったり、格好いい音に格好いいラップを乗せるのだけがヒップホップじゃないよな、今までないモノ作るべきだよなっていうのは、今回特に考えましたね。だから作ってても楽しかったし、その俺らが楽しんでるのを感じて、聴いてて楽しくなってほしいとも思ってて」
 吉野 「DJ的にも新しいことを結構やってて、それもハードだったし、ひとつの擦りフレーズが決まるまで1週間ぐらいかかったりもしたんだけど、その試練も楽しめる感覚がありましたね。トレーラーの音源でもスゲえ擦りまくってるんですけど、パンチ・インとかするとライヴ感が出なくなっちゃうから全部生で繋いで、10分のトレーラーの音源作るのに24時間かっちゃったりして」
 上野 「でも、トレーラーなのにあれだけ2枚使いしてるから、曲が分かりづらくてプロモーションとして機能あんまりしてないっていう(笑)」
 日高 「でも、それに妙な楽しさがあるんですよ。10分もあるのに、音的にもDJジャグリングで構成されてて凝ってるから、映像だけでいえば江ノ島をサ上とロ吉が散策してるだけなのに、それでも見てられるんですよね」
──では、サ上とロ吉が日高くんに望むことは?
 上野 「なにはともあれ、ラップしてる新世代の中では確実に一番知名度があるし、ただ有名なだけじゃなくて、スキルも活動もブレずに、ヒップホップに対して誠実にやってるから、本当に信用できる。日高がシーンにいることで活性化は確実に起こってるし、いい流れを生んでると思いますね。ヒップホップに興味がない子が、日高を入り口にヒップホップに興味を持ったっていうのは確実にあると思うし。それから、俺がもし日高の才能とルックスがあったら絶対もっとメチャクチャやってるハズなのに、日高はホント真面目だよね(笑)」
 吉野 「(唐突に)日高ってニュー・ジャック・スウィング感がありますよね」
(一同疑問顔)
 吉野 「マイケル・ジャクソン感がある」
 上野 「どっちだよ! ボビー・ブラウンかマイケルなのか分かんないよ(笑)」
 吉野 「なんつーか、USのアイドル感がありますよね。ジャスティン・ティンバーレイクとか。僕はできないと思うんで」
──僕はできない……、対抗意識があったのか(笑)。
 吉野 「ウチの母ちゃんがエアロビの先生だったんで。……そうスね。スーツ着てラップしてほしいっすね」
 上野 「結局見た目の話かよ(笑)」
──日高君からサ上とロ吉に望むことは?
 日高 「考えてたんだけど、吉野さんの発言で飛んじゃった(笑)。えーと、『MUSIC EXPRES$』からスパンは短いし、その間にも上野さんはかなり客演もやってて、いま連絡がつかないアーティストの上位に位置してると思うんですね。そういう“やってる感”“動いてる感”からはすごく刺激をもらうし、そうやって刺激をくれる人たちでずっといてほしいですね。俺らは追っかけてるから背中も見えるし、一緒にコラボしたりして正面も見える。そういう存在でいてほしい」
──最後に、サ上とロ吉とSKY-HIで曲作ったらどんなのになるのかな。
 上野 「BACH LOGICじゃない方のBL感のあるものに(笑)」
──ボーイズ・ラヴ感のある。日高くんファンの悲鳴が聞こえる(笑)。
 上野 「シーンから総スカン喰らって」
 日高 「日本中から喰らいますよ(笑)! だけど、今までヒップホップを聴いてなかった腐女子層を掘り起こしたりして(笑)」
 上野 「熱い(笑)!」
取材・文/高木JET晋一郎(2013年2月)
撮影/SUSIE
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