フランク・ブラック単独来日! ソロ・ベスト盤『93−03』を語る

フランク・ブラック   2007/05/25掲載
はてなブックマークに追加
 来る5月30日、2003年までのソロ・キャリアからセレクトされた初のベスト・アルバム『93−03:ベスト・オブ・フランク・ブラック』を日本先行で発表するフランク・ブラックピクシーズ/ソロと、これまでは一切取材を受けなかった彼が突然の単独来日!




 ピクシーズのリーダーだったフランク・ブラックの、ソロのベスト盤『93−03:ベスト・オブ・フランク・ブラック』がリリースされる。ピクシーズ解散以降の10年間に出した9枚のアルバムの中から曲はピックアップされ、さらに新曲もプラス。国内盤はロキシー・ミュージックの「リメイク・リモデル」のカヴァーも含む、ライヴCD付きの2枚組だ。

 今回のベスト盤は選曲も担当したマネジャーのアイディアだが、当初フランク自身はヒット曲もないだけに「気が進まなかった」と言う。
ブロンディビートルズビーチ・ボーイズといった人たちは、大ヒット曲があるからベスト盤を出しても当然だよ。でもレジデンツもベスト盤を出しているし、フランク・ブラックが出してもいいかなと。ぼくとしては、フランク・ブラックをカルトなアーティストだと思っているからね(笑)」

 パンクからカントリーまで、自ら“精神分裂”と言うほど幅の広い曲が聴けるベスト盤。一緒に歌えるほどコンパクトでポップな曲ばかりだが、毒気を効かせて遊び心を大切にする異能のシンガー・ソングライターだとわかる。
「自伝的な曲も、抽象的な曲も、SFから題材を取ってきた曲もあるよ。でも何が何だかわからない半トランス状態に陥った時に曲ができていた感じだから、その時に思っていたことを自分でも忘れてしまうんだ(笑)」


 バンド時代と変わらぬクオリティが堪能できるCDでもある。けど再編ピクシーズのDVD『ラウド・クァイエット・ラウド』では、「ソロ活動はピクシーズの影に隠れてしまっている」という、ぼやき発言も聞かれた。
「それはぼくの正直な気持ちで、ちょっと本音が出ちゃった感じだね。どんなアーティストも、人気が出た時期を超えない限り常に比較されるのは宿命で仕方ないけど、たまに“でもなあ……”って思っちゃうことはあるな(笑)」
 でもマイナスの気持ちをプラスのエナジーに転換するのが“フランク流”。今回のCDに入っている新曲、これが2004年のピクシーズの再結成ツアーの熱気がフィードバックされたかのような、パワフルでキレた曲なのだ。
「実はピクシーズの新作を作りたくて曲を書いたんだけど、再結成アルバムを作るのを“嫌だ”と言うメンバーが一人いて実現しなかったんだ。別に怒っているわけじゃないよ。で、ベスト盤に新曲を入れたいという依頼があってから、ソロ・アルバム用の曲も作ったんだ。聴き手がそこにピクシーズ的なエナジーを感じるのであれば、“バンドでできないのなら俺が一人でやってやる”みたいな感じだったんだろうな」
 その新曲も収録して秋にリリース予定の次のソロ作は、ピクシーズ時代の名前の“ブラック・フランシス”名義に戻して発表する。
「ピクシーズと一緒に使っていた名前の方が、みんなにより浸透しているだろうからね」
 牛歩に見えて精力絶倫の創作活動を20年以上続ける“ブラック”の、原点回帰と心機一転の節目になるベスト盤。ご賞味あれ。


取材・文/行川和彦(2007年5月)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 5年間の集大成、これが進化を遂げたTANAKA ALICEスタイル[インタビュー] 俳優としても知られる松下優也 アーティスト・プロジェクト“YOUYA”連続リリース
[インタビュー] パーティ・パンク・バンド“PET”約18年ぶりの新作フル・アルバム[インタビュー] 鞘師里保、ダンス・ミュージックをさらに深く追求した 3rd EP
[特集] ザ・ビートルズ、中期の傑作アルバム『リボルバー』がスペシャル・エディションで登場![インタビュー] ケイコ・リー、豪華コラボレーションも収録する4枚目のベスト・アルバム『Voices IV』
[インタビュー] 上西千波、ジャズと短編小説でリスナーに寄り添う新作アルバム『恋愛小説II』を発表[インタビュー] 日向坂46・佐々木美玲がお悩み相談コメディドラマに挑戦
[特集] 藤田真央、世界が注目するピアニストが『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』でワールドワイド・デビュー![インタビュー] 望月琉叶、グラビアができる演歌歌手が念願のボカロPとのコラボレーションをスタート
[インタビュー] マーク・ジュリアナ、エレクトロニクスの要素を取り込み新たな方向性を示す新生ジャズ・カルテットの新作[インタビュー] 花*花、パルシステムとのコラボレーションで大ヒット曲「あ〜よかった」を再録音
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015