JAPAN-狂撃-SPECIAL   2009/05/22掲載
はてなブックマークに追加


 昨年11月にシングル「カミカゼロード」を引っ提げて威風堂々、メジャー・シーンに殴り込みを掛けたナニワの暴走音楽結社、JAPAN-狂撃-SPECIAL(ジャパンくるうスペシャル)。一度目にしたら二度見を禁じえないインパクト抜群のルックスと、走り出したら止まらない土曜の夜の天使みたいなスピーディでゴキゲンなパンキー(パンク+ヤンキー)・サウンドで噂を呼んでいる彼らが、ついにメジャー1stアルバム『This is なめんなよ』を発表! ネタでもギャグでもない4人の本気っぷりをとくと味わうべし!


「みんなこういう音楽聴いたことないでしょ。教えてやろうかなと思って、これが、いちばんカッコええって」




──ついに完成したメジャー1stアルバム『This is なめんなよ』ですが、どんな作品を目指したんですか?

なめんなよーかい(b/以下、よーかい) 「コンセプトはズバリ、“セックス&バイオレンス”ですね(笑)」

キワメミチJUNZφ(vo/以下、JUNZφ) 「タイトル通り、“これがなめんなよ”です」

ラン坊(g) 「今の俺たちのすべてが入ってる=“なめんなよ”です」

昭和過激(ds/以下、か〜君) 「俺らの、汗と涙と……」

ラン坊 「血とおしっこがいっぱい入ってます!」

──ダハハハ。昔からの曲も入ってるんですか。

JUNZφ 「いや、結構、新しい曲ばかりですね」


──メジャーに来てから、曲作りで変わったとこってありますか。

よーかい 「分かりやすくはなったかな。まだまだ速い曲ばっかやけど」

JUNZφ 「昔と変わって、メロディ重視で作ってます。日本の全国民に聴いてほしいから」

──では、アルバムの柱になった曲は?

JUNZφ 「シングルになった〈カミカゼロード〉、〈朝日〉、う〜ん、全部ですね」

よーかい 「オレのお気に入りは〈CRAZY HERO〉と〈なめんな・よ音頭〉……」

JUNZφ 「オイ、間違えるな(笑)」

よーかい 「そや、〈なめん・な音頭〉や(笑)。あと〈No.1〉も最高やし、ホンマ全部いいな(笑)」

──アルバム通じて、歌詞は、前向きなものや今の自分たちの立ち位置を書いているものが多いですね。

JUNZφ 「俺ら前しか見てないんで。あ、上も見てました(笑)」

よーかい 「俺らの望んでる気持ちかな。“前に出ていこう”、“金持ちになってやる”とかね」

──不況の時代だけに、いろんな人に響きそうですよね。

JUNZφ 「俺ら、サラリーマン代表なんで」

よーかい 「これ聴かせて、“お前はどうする?”って言いたい。あ、ちょっとカッコつけ過ぎた(笑)。みんな、元気が出てくれたらうれしいっス」

──サウンド面でこだわったところは?

よーかい 「分かりやすく気持ちよくって感じかな。あと迫力もやね」

ラン坊 「ギターは、いろいろ試せたのが大きかったな。いろんなギター使って、いちばんいい音で作れたし。インディーズ時代は時間も金もなかったもんな」

か〜君 「ドラムの一撃一撃で、聴いてるヤツがパンチを食らうみたいな感じになればなと。1曲聴いたらボコボコや(笑)。あと、スネア、タム、シンバルとか、それぞれバラバラに録っていったのが面白かった」

──あ、一発録りじゃないんですね。

か〜君 「そうそう、結構細かくね。音を分離させたくて、こだわったんです」

JUNZφ 「やっぱり、迫力と聴きやすさかな。ゴチャゴチャしたの嫌いやから。激しいけど、聴きやすい音になってると思いますね」

よーかい 「アホでも分かる音になったと思います(笑)」

か〜君 「みんなこういう音楽聴いたことないでしょ。教えてやろうかなと思って、これが、いちばんカッコええって」

──JAPAN-狂撃-SPECIALの底力を食らえと。では、曲に触れていきましょう。アルバムの実質的な1曲目の「カミカゼロード」ですが、どんな思いで作った曲なんですか。

JUNZφ 「歌詞はメジャー決まってから作ったけど、曲自体はいつ作ったか忘れたな (笑)。でも、“やってやろうぜ!”みたいな、スタートって感じで作ったと思います」

よーかい 「前から、アルバムの最初は〈カミカゼロード〉、最後は〈朝日〉って決めてたんです。それにふさわしい曲かなと思って」

ラン坊 「ギターはシンプルでいこうと思ってましたね。ゴチャゴチャしてると気持ちよくないから」

JUNZφ 「〈カミカゼロード〉は、ホンマに歌うのがしんどくて、地獄のような曲です。なんでそうしたかというと、ホンマに必死で歌ってるぞってとこを出したかったから」

よーかい 「ライヴのとき、しんどいもんな。JUNZφの顔、真っ青(笑)。コーラスでも倒れそうになるもん。血が下がって目がグラグラってなるけど、そのとき座らずに、自分の中で“頑張れ!”っていって立ち直るんです(笑)」

──渾身の力で歌ってると(笑)。ではアルバムのレコーディングで大変だったことは?

よーかい 「俺は何度もベース間違えたな〜。とにかくみんなにドツキ回されて、心が折れそうになったな〜」

JUNZφ 「録りの直前に歌詞を書き直したり、風邪ひいて声が出なかったり。あとはベースの待ち時間やな(笑)」

ラン坊 「ギター忘れていったこと(笑)。あとは余裕やったかな。あ、いっこあった。〈マネーゲーム〉で弾かれへんギター・ソロを前の日に作って、録るときに練習しまくって指の皮が剥けそうになって苦労したな」

よーかい 「俺はその逆で、より単純なフレーズを考えましたね。弾かれへんけどカッコいいオカズは入れたい、でも“最小限に無理せず”を心掛けました(笑)」

か〜君 「今回、全曲スティック使わなかったから拳ズル剥けです(笑)。レコーディングのために、空手道場も通いました」

──ダハハハ、押忍の精神の塊ですねー。

「“なめんなよ”の精神がなかったら、ただのザコ。これがあるから、ザコの代表になれるんです!」





──さて曲に戻ると「バトル オブ ライフ」は、アルバムの中でも、いちばん攻撃的なサウンドで、歌詞は“輝くまで走り続けろ”というナンバーですが。

JUNZφ 「これはダークな感じで、いつになくシリアスですね」

よーかい 「たいがい真剣に曲作ってるけど、いつも面白いことを混ぜてしまうんです。でも、この曲は真面目一直線で作ったな。ギャグなしで。道に迷ってる人に聴かせたいと思って」

JUNZφ 「ま、これが俺らのホンマの姿です(笑)」

──(笑)。その後に楽しげな「なめんな音頭」が出てくるとこがいいですね。

よーかい 「暗い曲のあとには楽しい曲が必要やね。2番の歌詞は、ラン坊と一緒に現場の足場に登ってって思いついたんです。“♪上下も左右も関係ねぇ〜”って歌ってみて、“ええやんけ”って」

ラン坊 「現場仕事では足場で上行ったり下行ったりするからな(笑)」

──(笑)。「命花〜MIKOTO BANA〜」は“命尽きるまで楽しんで生きていこう”って歌詞が乗る高速チューンです。

JUNZφ 「もったいないから、生きてるなら頑張ってやりたいことやろうって。……なんか、どの曲も言ってること一緒ですね(笑)。全部で“トータルなめんなよ”や(笑)」

よーかい 「“トータルなめんなよ”って、ええな! 今からアルバム・タイトル変えようか(笑)」

──ムチャですねー(笑)。で、アルバム・ラストは「朝日」で締めると。明日が見えてきそうな、上昇感のある曲ですね。

よーかい 「アルバムの最後だと、次に続くって感じがするでしょ」

JUNZφ 「それに、次もカッコいいもん作るって自分らの意志も入ってますね」

──では、記念すべき1stアルバムが完成して、今の気持ちは?

JUNZφ 「俺らは相当いいもんできたと思ってるけどな」

よーかい 「みんなもちょっと聴くだけでいいから。ほんなら全部聴きたくなるから」

か〜君 「こんな音出してるヤツ、どこにもおらんで」

よーかい 「とかいって、他のヤツらのことよく知らなんけど(笑)。とにかく、まずクソガキどもに聴いてほしいです」

ラン坊 「俺らの“上に行こう”とか、“頑張ろう”っていう気持ちをアルバムの最初から順番に聴いてもらって、最後に〈朝日〉。やっぱり朝日は1日のスタートだから、聴いた人もその日、頑張れるんちゃうかなって。みなさん、頑張ってください(笑)」

か〜君 「これが流行らな、日本終わりでしょ。俺らのこと好きじゃない人は全員終わり(笑)!」

──ダハハハ。では、バンドの代名詞ともいえる、“なめんなよ”って言葉に対する想いを聞かせてください。

JUNZφ 「精神じゃないっスか。自分がやってることに自信を持つってことかな」

ラン坊 「自分が好きなことを本気でやってたら、自信って絶対出てくるから、みんな好きなことを思いっきりやるべきやと思う。好きなことを見つけられないって人もいるけど、そんなん泣き言やから。“見つけて、やれ!”って気持ちはありますね。やっぱり思いっきりやったらなめられへんし、他人にもペコペコしないし、それを見つけてやってほしい。一生懸命やれってことですよ」

よーかい 「映画や漫画で、ムチャ気合い入ったカッコええ男おるでしょ。みんなは、しょせん漫画って言うかもしれないけど、俺は真剣に、そんなふうに生きたいなと思ったんです。自分はコンプレックスがいっぱいあったから、それを克服するために、カッコよくなるために、この精神を身につけたというか。ほんなら、どんどん怖いもんなくなったし。ケンカは弱いけど、誰にも負けへんって。だから、みんなもそういう気持ちになったら余裕やでと思ってます。なめられんなよって」

か〜君 「まともじゃないっていうか……まともな人じゃ、“なめんなよ”なんて言えんでしょ。以上!」

よーかい 「あと言葉の響きも楽しいし可愛い。冗談っぽいかもしれないけど、俺は命賭けてやってるし。てか、これしかないですわ、実際。この精神がなかったら、ただのザコ。これがあるから、ザコの代表になれるんです!」





──その、なめんなよ精神を持って、5月から初の全国ツアーがスタートしますね。

JUNZφ 「ほとんど初めて行くとこばっか。楽しみやな」

ラン坊 「40何県か知らんけど、全県行きたいですね。とりあえず今回はこれだけやりまくりますわ」

よーかい 「知らんとこ行くの好き。飯食って街見てって楽しみもあるけど、やっぱり初めて会える人がいるってのが、いちばん楽しみ。今まで行ったことないとこのクソガキを、俺らの音楽でシバき回していこうかなって」

か〜君 「オッサンばっかやったら(笑)?」

よーかい 「オッサンでもシバきます(笑)。だから全員かかってこい!……って書いといて」

──書いときます(笑)。でも、オッサンでも狂撃のことを好きな人っているんじゃないかな。

よーかい 「そうやね。これからもっと聴いてくれる人の幅を広げて、幼稚園児からお爺ちゃんまで、聴けるようにしたいな」

──じゃあ、ライヴのここを見とけってとこを聞かせてください。

よーかい 「メンバー1人1人の表情と気合と、JUNZφの男前を見てほしいですね」

JUNZφ 「それは、女だけで(笑)」

よーかい 「あと、か〜君のドラムもぜひ見てほしい。後ろにいるけど、つい見てしまう、すごいプレイするから」

ラン坊 「男はよーかいを見といて(笑)」

よーかい 「そうそう、オレが全部男引き受けるから。女に“キャー”っていわれるのもうれしいけど、男に“オー”っての方が10倍くらいうれしい。男大好き(笑)! ……ってか、男の心を持ってたら性別関係なくウェルカムや!!」



取材・文/土屋恵介(2008年4月)






〈メジャー・デビュー・アルバム『This is なめんなよ』リリ―ス・ツアー〉
●5月20日(水)
●兵庫県・神戸 START CLUB
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:夢番地大阪 06-6341-3525

●5月23日(土)
●広島県・広島NAMIKI JUNCTION
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,800円/当日3,300円
●問い合わせ:夢番地広島 082-249-3571

●5月24日(日)
●福岡県・福岡DRUM SON
●開場17:30/開演18:00
●料金:前売り3,300円/当日3,800円
●問い合わせ:福岡DRUM SON 092-737-5777

●5月26日(火)
●三重県・三重KING COBRA
●開場19:00/開演19:30
●料金:前売り2,500円/当日3,000円
●問い合わせ:三重KING COBRA 059-256-7578

●5月30日(土)
●宮城県・仙台CLUB JUNK BOX
●開場17:30/開演18:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:ノースロードミュージック 022-256-1000

●6月13日(土)
●大分県・大分T.O.P.S.
●開場18:00/開演18:30
●料金:前売り2,000円/当日2,500円
●問い合わせ:大分T.O.P.S. 097-533-0467

●6月14日(日)
●愛媛県:松山SALONKITTY
●開場18:00/開演18:30
●料金:前売り2,000円/当日2,500円
●問い合わせ:松山SALONKITTY 089-945-0020

●6月18日(木)
●北海道・札幌 KING COUNTER ACTION
●開場19:00/開演19:30
●料金:前売り1,500円/当日2,000円
●問い合わせ:札幌 KING COUNTER ACTION 011-222-1413

●6月20日(土)
●青森県・八戸 ROXX
●開場18:00/開演18:30
●料金:前売り1,500円/当日2,000円
●問い合わせ:八戸 ROXX 0178-46-1889/フォーユー八食店 0178-20-3766

●6月21日(日)
●岩手県・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
●開場18:00/開演18:30
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:盛岡 CLUB CHANGE WAVE 019-613-6618

●6月23日(火)
●福島県・郡山 CLUB#9
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,000円/当日2,500円
●問い合わせ:郡山 CLUB#9  024-934-1980

●6月27日(土)
●岡山県・岡山 PEPPER LAND
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:岡山 PEPPER LAND 086-253-9758

●7月3日(金)
●愛知県・名古屋 HUCK FINN
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:名古屋 HUCK FINN 052-733-8347

●7月10日(金)
●大阪府・十三FANDANGO
●開場18:30/開演19:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:夢番地大阪 06-6341-3525

●7月11日(土)
●静岡県・浜松 MESCALIN DRIVE
●開場1830/開演19:00
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:浜松 MESCALIN DRIVE 053-454-7363

●7月12日(水)
●東京都・新宿 LOFT
●開場18:00/開演18:30
●料金:前売り2,300円/当日2,800円
●問い合わせ:ホットスタッフ 03-5720-9999
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 角野隼斗 イメージ・キャラクターを務める「ベスト・クラシック100極」のコンピレーション・アルバムを選曲・監修[インタビュー] 色々な十字架 話題の“90年代ヴィジュアル系リヴァイヴァル”バンド 待望のセカンド・アルバムをリリース
[インタビュー] アシックスジャパンによるショートドラマ 主題歌は注目のSSW、友成空[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤
[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ
[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも
[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”
[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015