家で淫スタ見ているリアリティ――JINTANAと藤井洋平の1曲入魂「GOLD SUGAR BABY」

JINTANA&EMERALDS   2015/12/28掲載
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 1stアルバム『Destiny』(2014年)でのドリーミーな架空のサマー・オールディーズ・ワールドが各方面で絶賛されたJINTANA & EMERALDSのスチールギター・プレイヤーにして、横浜の音楽集団、PAN PACIFIC PLAYA(PPP)に所属するJINTANA。彼のソロ名義でリリースされたシングルが、今ざわざわと話題を呼んでいる。そのバレアリック感濃厚なアーバン・ソウル・ナンバー「GOLD SUGAR BABY」のヴォーカリストとして起用されたのが、真の意味でのイエロー・ファンクを追求する男、藤井洋平
 シングル発売を記念しての本邦初の対談!そもそも、意外性に富み、なおかつ、お互いの個性が溶け合ったこの顔合わせはどうやって実現したのか?楽曲制作時のエピソードや、見る者を驚嘆させたMV制作の話題はもちろん、この異色の男たちの生な言葉を聞き出してみた。
――この濃い男同士の組み合わせで、すごい7inchが出るっていうニュースを知って、ずっと心待ちにしてたんです。先行で公開されたMVも、なんかめちゃめちゃすごい世界観だったし。そのMVの話もあとで聞きますが、まずはお2人のなれそめから。
藤井 「まあ、一番最初はPPPですよ」
JINTANA 「藤井くんがライヴで僕らのことを言うときは“ピーピーピー”じゃなくて、“ピッ!ピッ!ピッ!”だよね(笑)」
藤井 「(笑)わかんない。俺、普通に“ピーピーピー”って言ってるつもりだから」
JINTANA 「すげえいい発音だなって思ってました」
藤井 「初対面はあれです。2014年の海の日(7月21日)に代官山のUNITでやったJINTANA & EMERALDSのリリース・パーティーのときです」
JINTANA 「あのとき、ミスメロ(MR.MELODY)のDJタイムがイベントの最後にあって、そこで藤井くんが歌った」
藤井 「歌が乗ってるトラックに合わせて歌っていくというね、無理矢理だった(笑)」
――そうでしたね。藤井くんとMR.MELODYは一緒にライヴもやるようになってたから、音源的な展開があるとしたらそこだろうと思ってたんです。だから、今回の組み合わせは意外といえば意外で。もちろん、お互いの音楽はそれ以前から知っていたんですよね?
藤井 「知ってはいました」
JINTANA 「顔合わせたのが、そのとき初めてだったんです。話してみてびっくりしたのが、お互いに金野さんっていう人に縁があったということで」
――金野さんって、レーベル「MY BEST! RECORDS」をやっている、あの金野 篤さん?
JINTANA 「そうです。俺がJINTANA & EMERALDSの前から地元の仲間とずっとやってるノイズ・ユニット、ParCodaN(パーコダン)の初めてのCD(『FRESH ParCodaN』2009年)をリリースしてくれた人が金野さん。そしたら、藤井くんの一昨年出たアルバム『Banana Games』も金野さんが出したって聞いて、“なんだ、そのつながりは!”って超ウケたという(笑)」
藤井 「あのおっさんは何でも出すからね」
JINTANA 「とにかく、そういう共通項があって驚いたというか。あの日もYudayajazzさんが藤井くんを連れてきてくれたんですよね」
藤井 「あー、タダで酒飲めるっていうんで」
JINTANA 「それで、PPPの脳くんが“うわ!すごい人連れてきてくれたね”みたいな反応で。脳くんは藤井くんの大ファンだったんですよ」
藤井 「向こうが恐縮してるみたいで、なかなか話してくれないんですけど(笑)」
――そんなに?
JINTANA 「毎日藤井くんのMV見てから寝るって言ってましたから(笑)。だから、最初は脳くんに“藤井くんと音楽やったらいいのに”って僕は勧めてたんですよ。でも、“一番好きな人とはセックスしたくない”みたいな感じらしくて、“俺、絶対やりたくない!”って(笑)」
――藤井くんはPPP、藤井流に言えば“ピッ!ピッ!ピッ!”の存在はいつぐらいから知ってたんですか?
藤井 「それはやっぱり、JINTANA & EMERALDSの最初の7inchシングル(「Honey / Runaway」2012年)が出てからですね。“JINTANAって誰だ?”って思ってました。それでUNITでYudayajazzに乳揉まれてたときに、初めて会ったんですけど(笑)」
JINTANA & EMERALDS
「Honey / Runaway」2012
――そこから、“じゃあ一緒に何かやりましょう”という申し出は、どっちから?
JINTANA 「それは、僕からです。JINTANA & EMERALDSのアルバムを出した後に、脳くんから“もっとスチールギターが上にいかないと、もったいなすぎる”って言われて。スチールギターの本質的なものであるところのチルアウトという感覚を真剣に勉強するところから始めようと思ったんです。それで、その感覚を吸収するために去年、イビサ島に旅行に行き、帰ってきてからその旅行で感じたことを言葉にした歌も作りたいなと思ったんです。それで、最初は自分で歌おうかなと思ってたんですけど、藤井くんの歌を聴いてるうちに、“この天才に歌ってもらえたら、全部が理想だな”って思えて、それでお誘いしたんです」
――藤井くんは、どうでした?
藤井 「去年の夏に、“なんか一緒にやろう”みたいな話を聞いたと思います」
JINTANA 「深夜のコンビニの前でしたよね(笑)。“藤井くんって、フィーチャリングとかやったりするんですか?”って聞きました。そしたら“おもしろければやります”という返事だったんで、“よっしゃ、じゃあおもしろいものを持ってこなければ”と思って帰りました」
藤井 「最初は、すげえもっとさっくりやろうとしてたよね。イビサに行った話をele-kingの記事(「JINTANA、イビザ紀行〜究極のチルアウトを求めて〜」2014年8月公開)にするときに合わせたいって言ってたしね」
――そうだ!この話、去年(2014年)の夏ですもんね。今年(2015年)じゃない。
JINTANA 「そうなんです。イビサ旅行記には、僕のインストがアップされてますけど、本当は藤井くんとの曲も載せたかったんです。それくらいのスピードでいけるかなと頼んだときは思ってたんです」
――それが、ようやく今(2015年12月)……。
藤井 「面倒臭い人間なんでね……(笑)。さくっとやれたらいいんですけど、あんまりそういうタイプじゃないんで」
JINTANA 「藤井くんのクオリティの追求が、本当にやばくて。だって、結構スタジオ入りましたよね?4回とか」
――この1曲のために?
藤井 「最初はファイルのやりとりで作ってたんですけど、なんか今イチどういう方向に行くのかよくわかんなくなってきて」
JINTANA 「“ここのメロディ、もうちょっとよくなったらいいのにな”みたいな意見が藤井くんからあって、僕がいくつか考えて“どう?”って送信したら、“うーん、ここはよくなったと思う”みたいなやりとり(笑)」
――なんか、すごいですね。送られてきたトラックに歌乗せて一発で終わり、みたいな作業とはぜんぜん違う。
藤井 「スタジオに入ってからも、歌詞とメロディの兼ね合いのこととかね。自分がそれじゃ歌えないっていうのがある」
――逆にいうと、JINTANAさんも最初から曲のかたちをかっちり決めてたわけでもなかったとか?
JINTANA 「いや、僕のなかでは完成してたんですけど(笑)」
藤井 「でも、結構アブストラクトだった(笑)」
JINTANA 「それ、EMERALDSのメンバーにもめっちゃ言われるんですよ。なんか、ジョー・ミークの残された音源みたいでわけわからないらしくて(笑)。でも、EMERALDSの場合はみんなもう慣れてるから、自己解釈で勝手にメロディを作ってくれるんです。でもやっぱり僕の歌がアブストラクトすぎるみたいです」
藤井 「古文書の解読みたいだった」
JINTANA 「そうそうそうそう!(笑)」
藤井 「その古文書から完成形を想像するしかなかった。でも、最初は〈パープル・レイン〉ってイメージがあったよね」
JINTANA 「思い出した!そう言われてみればそうだった。途中から忘れたけど」
――じゃあ、最初の曲のイメージはプリンスの「パープル・レイン」っぽかったんですね。
藤井 「そうですね。Aメロとかを吐き捨てるように歌う感じとか」
JINTANA 「そうだそうだ!メロディはそうやって進んでたけど、歌詞も結構難航したんですよ」
藤井 「そもそも〈GOLD SUGAR BABY〉ってタイトルも、後からだった」
JINTANA 「“全裸の女が浜辺を歩いてる”というイビサで目に焼き付けてきたイメージは変わんないんですけど、時間が経つにつれて、日本の社会とイビサとのイメージとの距離感がおかしくなってきて。“全裸の女が浜辺を歩いてる”ということを日本でわれわれ2人が歌っても、なんか現実味がない。それはどうなんだって思って」
藤井 「ふ、ふ、ふ(笑)。でもまあ、それが“横浜の先のヌードビーチ”って歌詞になって(笑)」
JINTANA 「そうそう。なぜか、横浜からちょっと電車に乗るとその場所に行けるという歌詞になり(笑)。“藤沢よりもっと先の、だんだんみんなが知らないエリアになってきたあたりに、そういう場所がある”みたいな」
藤井 「“どっかにあんじゃねえか”って思えてくる(笑)」
JINTANA 「早口のラップっぽいパートの、“4時39分 オレンジのラインの東横線に乗って”とか、そういうところは藤井くんが思いついて」
――だんだん自分の現実のほうに寄せてったというか。
藤井 「どうなんすかね?なんとなくですけどね。自分ひとりではああいうフレーズは出てこなかったです」
――そういう意味では、歌詞も2人で作っていったようなところがあるんですね。
JINTANA 「そうですね。あと、EMERALDSでも歌詞を書いてもらってるdetroit babyさんって女の子がいて、最後にその子にも入ってもらいました。彼女が言葉がうまく決まらないところを手伝ってくれて」
藤井 「サビの言葉がちょっと弱かったから」
JINTANA 「そこでバチっとくる言葉を探してもらって、“GOLD SUGAR BABY”って言葉と、あと“skinny dipping”という言葉を教えてもらいました」
――ああ、“skinny dipping”っていうのもサビに出てきますね。ちょっと気になってました。
JINTANA 「全裸で水に入ることを“skinny dipping”って言うらしいんですよ。それはアメリカのティーンの女の子がすごく憧れる行為らしくて。金持ちの家のプールに裸で飛び込むみたいな理想のひとつとして定着してるそうなんですよ」
藤井 「そんなにエロい行為ではないらしいね。俺の中ではエロい行為だったけど(笑)。スタジオ入っても、そんな話してたよね。“skinny dippingとはなんなのか?”みたいな話。お互いのイメージを統一していくという」
JINTANA 「あと、黒人の女の子を“BROWN SUGAR”っていうのに対して、日本人の日焼けたした女の子をなんと呼ぶかというので、“GOLD SUGAR”で。普通は黄色人種だから“YELLOW SUGAR”なんですけど、イエローどころじゃないヤバさを出したくてゴールドで」
――なるほど!
JINTANA 「“GOLD SUGAR BABY”と“skinny dipping”っていう2つの単語が出てきたところで藤井くんも、“これで俺は歌えるぞ”って感じになったと思います」
藤井 「まあ、イメージがすげえはっきりしてきたというのはありました」
――スタジオに4回入ったって話でしたけど、具体的な制作期間としては、どれくらいだったんですか?
藤井 「スタジオに入ったのは結構飛び飛びでしたね」
JINTANA 「うーん、でも半年はかかってますよね」
――今どきシングル1曲のレコーディングに半年かける人はあんまりいないから、そこはある意味こだわりだし、ある意味不器用とも思いますけど、本当に正直に丁寧に2人で作っていったんですね。
JINTANA 「丁寧にはやりましたね」
――自主的に作ってるわけだから、どちらかの糸が切れたら終わっちゃってた話でもあるし。
藤井 「結構、自分のなかでは“これ、完成すんのかな?”とは思ってましたね」
JINTANA 「確かに、そう思うくらい蛇行した感じはしました」
藤井 「でも、あるときから歯車が回りだして」
JINTANA 「僕のなかでは歌詞が決まってからは、歯車が回りだした感じがしましたけどね。僕はどっちかというとメロディ中心に曲作りをしてきて、歌詞をかっちり書くということはあんまりやってこなかったから、藤井くんみたいなシンガー・ソングライターとの志向の違いというのは今回知りました。そういう考えがあって曲になるんだなというのは、僕の作るアブストラクトな、トラックの上で蚊が飛んでる音が入ってるようなのはまだ曲じゃないんだなとは思いました(笑)」
――でも、いい意味でのアブストラクトさというのは、曲のはしばしに残ってますよ。だから普通のアーバン・ソウルとも、チルアウト系の歌ものというのともぜんぜん違う。どこかで“この曲どこに行くのかわかんない”っていう破綻を感じさせてくれるのが、すごく魅力的だと思いますね。
JINTANA 「それはよかったです」
――そういう意味で、数ヶ月の試行錯誤が必要だったのなら、それはよいことだったのかなと。
JINTANA 「そうですね。あと、歌詞でもうひとつ前に進んだと思ったのは、楽園のイビサ世界じゃなくて日本から見てるというのがあることでしたね。サビに描かれてるのはイビサ世界なんですけど、Aメロとかではそういう妄想に浸りながら“君のインスタみるエブリデイ”っていうフレーズが浮かんで。“家でこれインスタ見てるだけなんだ!”っていう」
藤井 「家でセンズリこいてるという(笑)」
JINTANA 「そうそう!それでやっとリアリティが出た」
――ちょくちょくそういう現実に引き戻す単語が出てくると、藤井くんも俄然歌いやすくなる。
藤井 「そうですね。“インスタ”って単語が出てきたときに、“これは結構いいワードだな”と思いました(笑)」
JINTANA 「よかった(笑)」
――藤井くんって、ライヴでだれかの曲のカヴァーをすることはあったとしても、人と一緒に歌詞をこうやって作っていったことってあんまりないんじゃないですか?
藤井 「ないですね。大変そうだなと思ってたんですけど、実際やってみたらやっぱり大変でした(笑)」
JINTANA 「でも、すげえ学びましたね」
――藤井くんからしたら“こういうふうになると自分は歌いやすい”という感覚を他人から教えてもらう体験だったりしたんじゃないですか?
藤井 「やっぱり、歌詞にパンチのあるキーワードがあるとわかりやすいですね」
――そもそも、一緒にやるにあたって、“どういうの聴いてきたんですか?”とか“今何聴いてるんですか?”みたいな話もしたでしょ?
JINTANA 「スタジオではそういう話は結構しましたけどね」
藤井 「基本的に、2人とも出どころは、ノイズなんですよ。そういうわけわかんないところから出てきてて、過去の知り合いに共通の人がいたり」
JINTANA 「高円寺のスカム・シーンにちょっと絡んでいたんです。カニバリズムガンジーバンドとか見てましたね。その近辺にいた人と藤井くんも一緒にやっていたり。僕もバンドでライヴもちょっとやたり、そういうとこにライヴを見に行ったりはしてました」
――20000Vとか無力無善寺とかで、お互いのことは知らないまでも交錯してた可能性はあるんですね。
藤井 「うーん、まあ、わかんないですけどね。でも、自分の過去の知り合いに聞いたら“JINTANAって、あの人か?”みたいな話になったことはありましたけどね」
――スカムやノイズという出自もありつつ、藤井さんは大瀧詠一さんがすごく好きですよね。JINTANA & EMERALDSもギタリストのKashifさんが大瀧さんを敬愛していて、去年の1stアルバム『Destiny』も聴いてもらいたかったと言ってました。そういうところでの共通点もおもしろいなと思うんです。
藤井 「そういう話は特にしなかったかな」
JINTANA 「僕も大瀧さんはウォール・オブ・サウンド的な感覚やオールディーズ的なメロディとかめっちゃ大好きなんですけど、藤井くんも大瀧さんが好きとは知らなかった」
藤井 「そういうキーワードはいっさい出てこなかった」
JINTANA 「うん。ミゲルは相当出てきたけどね(笑)」
藤井 「ミゲルの話ばっかりだった(笑)」
JINTANA 「8割はミゲルだったね!ジャケがやばいとか」
藤井 「“俺らのジャケもミゲルで行ったらいいんじゃない?”みたいな話してたよね。結局、ミゲルとはまったく別物になったけど」
JINTANA 「衣装はミゲルをちょっと意識したかな」
――そうなんですか、むしろ鍵はミゲルだった(笑)。
藤井 「〈パープル・レイン〉はどっか行っちゃった。あ、でも、最後のほうにリズムトラックの参考にするんでいろいろ聴いたけど、やっぱり〈パープル・レイン〉に戻ったかな。曲自体は別物になってしまったけど。この曲は〈パープル・レイン〉とミゲルでできましたね」
JINTANA 「まあ、ほぼミゲルでした(笑)」
――なるほど(笑)。しかし、延々と続くレコーディングがあったということなんですけど、2014年の夏には間に合わなかったとしても、その次の目標はどこに置いてたんですか?
JINTANA 「まあ、15年の夏には出したかったですね。それはターゲットにはなってました。14年の年末には“来年の夏にはさすがに出るべ”って話してましたから」
藤井 「“夏に向かってがんばろう”ってね」
――でも、さらに引っ張ったという。MVが公開されたのが、秋でしたっけ?
JINTANA 「10月20日くらいのアップでしたね。曲はもうちょっと前にできてたんですけど、“せっかくだからビデオも作ろう”って言い出して、撮影許可とか準備してるうちにまた発売が伸びて。気づけば冬になったった感じでした(笑)」
藤井 「9月の20日くらいに、浜松で撮影した」
――でも、あのMVは衝撃的な内容でした。
JINTANA 「ポールダンサーを使うアイデアは僕が考えました。なんでそう思ったのか……、わかんないっす(笑)」
――あのダンサーの人、すごいんですけど、どうやって探したんですか?
JINTANA 「うまそうな人にメールしたんです。ネットで検索してメールしてみただけなんですよ。そしたら、あの人が“私やります”って返事くれて。プロフィール送ってもらったら、いろんなところで優勝とか書いてあって、“ちょっとすごすぎませんか?”ってなったんですけど(笑)」
――確かにめちゃめちゃうまくてきれいだと思ったけど、それほどの人なんですね!
JINTANA 「普段は先生とか、テレビのバラエティに出たりしてるみたいです」
――振り付けもあの人が?
JINTANA 「そうですね。曲聴きながら自分で作ってくれて」
藤井 「すごかったよね」
――あんな普通の商店街や駅前で踊るっていうのもすごい。藤井くんも十分非日常的な存在だと思ってましたけど、あのダンサーの人の存在感で日常が歪む感じというか。歪み方が奇妙なんだけど美しいんですよね。曲に合ってる。
JINTANA 「イビサ的というか、アンビエントというか、アブストラクト的かもしれない」
藤井 「結局、俺の変顔が入ることで受けるというか、みんなで笑ってた(笑)。でも、ポールダンサーだけだときれいになりすぎちゃうっていうか。趣味がよすぎる」
――あのインパクトは海外にも通じる気がします。英語字幕もついてるし。ヨーロッパの人とか、ぜったい好きな感じだと思う。
JINTANA 「ロシアのサイトで紹介されたみたいなんですけど、なんでなのかよくわかってない(笑)」
藤井 「言ってたよね。“俺ら、日本じゃねえから、海外に訴えていくしかない”って(笑)」
――この組み合わせで、もうちょっとやってみようって感じはありますか?
JINTANA 「ライヴはやってみたいですね」
藤井 「結局、同世代っていうのはあるので」
JINTANA 「前にPPPのみんなで飲んでるときに“藤井くんをPPPのみんなでプロデュースしてアルバムを作りたい”って話になったんですけど、“いや、藤井くんの才能を俺らのところでとどめたらもったいねえべ”ってなって。“J Soul Brothers事務所とかで出してもらったほうがいい!”って結論で終わりました(笑)」
藤井 「でも、やっぱり人とやるのは時間的に大変だなって思いました。今回も1曲作るのに1年くらいかかってるし」
――アルバム用に10曲作ったら、10年!ディアンジェロ並(笑)!
JINTANA 「10年(笑)!」
藤井 「せっかくやるんだったら、みっちりやったほうがいいよね。中途半端なもの出すより。今回もJINTANAくんじゃなかったら、途中で投げ出してたんじゃなかったかな(笑)」
――なんとか15年のうちにシングル1枚でも出せてよかった(笑)。でも、その“なあなあにはしない”感じこそが藤井洋平の音楽を作ってると思います。
藤井 「まあ、本当に良くも悪くも、ですけどね」
JINTANA 「でも、本当にそれがいいと思います。僕の友達がアメリカ人の有名男性シンガーをCMに起用する仕事をしてたんですけど、“細かさがすげえ!”って話をしてくれて。僕が藤井くんと今こういうふうに仕事してるって言ったら、“藤井くんはその人レベルだ!それはアメリカの一番すごい人とおなじだ!”って言ってましたから(笑)」
取材・文 / 松永良平(2015年12月)
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