「自分のルーツを忘れずに進んでいきたいな」 島唄とロックの要素を盛り込んだ、城南海の2ndシングル

城南海   2009/04/15掲載
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 2009年1月にシングル「アイツムギ」でデビューした奄美出身のシンガー、城南海(きずき・みなみ)。4月15日には、2ndシングル「誰カノタメニ/ワスレナグサ」がリリース! 東海テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『エゴイスト〜egoist〜』(毎週月〜金13:30〜14:00)の主題歌と挿入歌となる本作は、奄美で培われた島唄のルーツが随所に活かされつつ、ヴォーカリストとしての大きな可能性も垣間見える楽曲。本作について彼女に話を訊いた。


 “奄美の島唄とJ-POPを結びつけるシンガー”がまた一人、シーンに登場した。城南海、19歳。3歳からピアノを習い、宇多田ヒカル浜崎あゆみなどのJ-POPに親しんできた彼女は、高校1年生のときに鹿児島市内に移り、そこで奄美の島唄の良さを“発見”することになる。きっかけは彼女の兄が島唄を始めたこと。


 「それまではぜんぜん興味なかったんですけど、兄の唄を聴いて“こんなにいいものなんだ”って気づいて。いまでも、お祝いの席に兄と2人で島唄を歌いに行くこともあるんです」


 2006年、鹿児島市内でのストリート・ライヴ中にスカウトされ、エンタテインメントの世界に進むことを決意した彼女。しかし当初は、ポップスをどうやって歌えばいいかわからなかったという。


 「島唄とポップスを分けて考えてたんですね。私は島唄を歌ってるほうが気持ちいいし、ポップスの歌い方がわからなくて。でも、いろいろと考えているうちに“歌を伝える。歌を通して聴いてくれる人との距離を縮める”ということでは、どちらも同じだなってことに気づいたんですよね。デビュー曲(「アイツムギ」)のレコーディングのとき、“自分が気持ちいいように歌って”と言ってたことも大きかった。ポップスのなかにも自然と“グイン”(奄美の島唄を特徴づける、独特の節回し)を入られようになって、今はいい感じでミックスできてると思います」


 2枚目のシングルとなる「誰カノタメニ/ワスレナグサ」でも、その大らかなヴォーカリゼーション――胸に迫るノスタルジアと聴く者を包み込む優しさを同時に感じさせるような――をたっぷりと披露。ロックの要素を盛り込んだ「誰カノタメニ」には、南米に伝わる民話『ハチドリの一滴(ひとしずく)』からヒントを得た、こんなメッセージが込められている。


 「“小さな声だけど叫んでみる”という歌詞があるんですけど、周りの人にどう思われても、自分ができることをやり続けたいっていう思いが込められていて。私自身“自分にできることってなんだろう?”って考えてるときなので、すごく共感できました」


 そして郷愁の思いを誘うミディアム・チューン「ワスレナグサ」の背景には、彼女の故郷・奄美の自然があるという。


 「歌ってると、自然に奄美の風景を思い出すんです。まさか自分が東京で歌を歌うことになるなんて思ってなかったんですけど、自分のルーツを忘れずに進んでいきたいなっていう気持ちもあるし」


 5月にはNYでジャパン・カルチャー系のイベントに出演。7月に奄美大島北部で観測される今世紀最大規模の皆既日食にともなう音楽祭〈ECLIPESE 2009 奄美皆既日食音楽祭〉にも登場するなど、大きな注目を集めている城南海。その視線はすでに“世界”に向けられている。


 「アイルランド民謡、レゲエ、ハワイの音楽。その土地で受け継がれていた音楽と繋がっていけたらいいなって。あとは“城(きずき)”という名前をみんなに覚えてもらって、ケータイで打ったときもすぐに変換できるようになったら嬉しいです(笑)」



取材・文/森 朋之(2009年4月)
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