“マイケル・ジャクソンへのUKからの返答”と評される大型新人・ドーニクがUKから登場!

ドーニク(PMR Records)   2015/12/24掲載
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 サウス・ロンドンはクロイドン出身の歌手 / ミュージシャンであるドーニクが、イベントの〈Hostess Club Weekender〉に出演するため来日した。英「ガーディアン」誌が“マイケル・ジャクソンへのUKからの返答だ”とまで評した彼のヴォーカルとサウンドは、たしかにかつてのマイケルやプリンスを思わせるものがある。それも「ヒューマン・ネイチャー」から「ユー・アー・ノット・アローン」のMJに連なるような柔らかな声だ。その一方で、西アフリカのシエラレオネで活躍した巨匠エベネザー・カレンダー(1912〜1985)は叔父にあたるというから、まだまだアイディアの引き出しを持っていそうだ。現在、25歳の新人ながら豪華な制作陣も参加したデビュー盤について話を聞いた。
――最初は女性歌手、ジェシー・ウェアのバックでドラムスを叩いていたそうだけど?
 「そうなんだ。11歳ごろからドラムを演奏していたけれど、歌をうたうのは従兄弟や家族の前だけだった。それがジェシーのライヴでデュエット相手として駆り出されてから、歌うようにけしかけられるようになった(笑)。ぼくの父はソウルやレゲエ、アフリカン、それにディスコなどもかけるDJで、クワイアでも歌っていた。従兄弟にもミュージシャンがいる。シエラレオネのパームワイン・ミュージックを演っていたエベネザー・カレンダーって知っている? 彼は叔父にあたるんだ。西アフリカで有名な音楽家だよ。ぼくもそんな音楽ファミリーの一員ではあるんだけどね」
――住んでいるクロイドンって、マッド・プロフェッサーを生んだり、ダブステップのようなダンス・ミュージックの一大拠点だったりする場所だけど、そうした音楽からも影響を受けたりした?
 「マッド・プロフェッサーは昔から大好きだよ。彼のスタジオはすごい近くにあってね。ダンス・ミュージック系にもいいものがたくさんあるけれど、ぼくとしてはそれほどでもないかな」
――クロイドンにはブリット・スクール(The BRIT School for Performing Arts and Technology)もあるけれど、ひょっとしてジェシーもあそこ出身なのかな? というのも、あなたはローラ・ドックリル(詩人 / 作家)と共作しているけれど、ローラはジェシーとも一緒に書いているよね。それでアデルやローラと同じく、ジェシーもブリット・スクールに通っていたのかな? って思ったんだけど。
 「ああ、アデルとローラはすごい仲がいいからね。じつはぼくの初めてのショウをアデルも観に来てくれていた。とても嬉しかったよ。でも、ジェシーはブリクストンの出身だけど、あの学校には通ってないよ」
――今回、デビュー盤の『ドーニク』にはフィラデルフィアのプロデューサー、ポップ・ワンゼルとの共同制作曲も収められているけれど、彼が参加することになったいきさつは?
 「ぼくのマネージャーとレーベルが彼を推薦してくれたんだ。それで、ぼくがフィリーに出向いて2日ほど一緒にセッションをやってみたら、とてもうまくいった。そんな形で生まれた曲だね」
――ポップ・ワンゼルって、ニッキー・ミナージュではドラムンベースを、ミゲールではダブっぽい曲を作っていたり、どこかイギリス的なサウンド指向もある人ですよね。
 「そうだね。たしかにそういう感じもする。ただ、彼はイギリス的なものというよりも異文化自体に惹かれるんだと思う。ぼくもアメリカ的なものを含めて、世界のいろいろな異文化に興味を持つから、お互いにそんな開かれた感覚に共鳴したのかもしれない」
――彼は絡んでいない「ストロング」のキーボードが、ポップの親父さん、デクスター・ワンゼルみたいな音なんだけど、これは狙ってのこと?
 「イエー(笑)、ジャズ・フュージョンっぽい感じだよね。これはサンダーキャットとも組んでいる友人のキーボード奏者に弾いてもらったんだ。彼だったらぼくの思うとおりに演奏してくれるはずだから、お任せでやってもらった」
――アルバムのミックスを担当したのは、ディアンジェロなどを手掛けてきたラッセル・エルバードだね。
 「ラッセルは天才だよね。ディアンジェロをはじめ、彼が関わった作品は大好きだ。じつはジェシー・ウェアのベース奏者っていうのがピノ・パラディーノの息子(ロッコ・パラディーノ)で、最初に会ったのはピノを通じてなんだ。アルバムを作る1年くらい前かな、ニューヨーク滞在時にラッセルのスタジオに遊びにいった。そのときにディアンジェロもそこで作業をしていたけれど、そんないきさつで知り合った。それでラッセルもぼくのことを覚えていてくれて、今回のミックスを快諾してくれたんだよ。ぼくもミックスに立ち会ったけど、とても楽しい作業だった」
取材・文 / 高橋道彦(2015年11月)
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