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空族の最新作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』11月公開決定 場面写真とメッセージも到着

2025/09/26 15:09掲載
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空族の最新作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』11月公開決定 場面写真とメッセージも到着
 『サウダーヂ』(2011)『バンコクナイツ』(2016)など独自路線の作風でカルト的な人気を誇る映像制作集団「空族」(くぞく)の最新作『潜行一千里 ILHA FORMOSA』が、2025年11月22日(土)新宿K’s cinemaほかにて全国公開されることが決定。あわせて、場面写真と空族の富田克也、相澤虎之助からのメッセージが公開されています。

 空族の映画の最大の特色は徹底したリサーチ。映画の舞台となる場所を、とにかく歩きそこに住む人々と交流を深め、現地の人々、歴史、そして現在を知るところから映画が始まります。『バンコクナイツ』はタイ、ラオスで撮影されましたが、今回の舞台は麗しの島、台湾。空族は、2026年に撮影が予定されている新作映画のため、2020年以降、コロナ渦の最中に幾たびも台湾に飛びリサーチを続けてきました。『潜行一千里 ILHA FORMOSA』はそのリサーチの過程を記録したドキュメンタリーとなります。

 映画の中で、ストリートに流れる音楽に導かれるように、彼らは台湾原住民たちの住む村に向かっていきます。アミ族の住む花蓮県タパロン部落。そこから3000メートル級の中央山脈を越えて辿り着いたセデック族の部落。そして台湾の最南端に位置するパイワン族の村まで。失われつつある原住民の言葉でラップし始める若者たち、原住民の伝統音楽を現代にアップデートして新しい音を生み出そうとするアーティストたちなど、旅の過程で出会った人々との交流を深めながら、空族は日本も含めた様々な国からの侵略の歴史をも知ることになります。また、一方で、過去の歴史をはねのけるように活き活きと踊り、歌い、笑う人々の姿も。毎年タパロンで行われるアミ族最大の豊年祭を捉えたフィナーレでは、艶やかな原住民の衣装を纏い、三日三晩踊り続ける人々の姿が映し出されます。

 なお、公開期間中は公開を記念した空族特集も予定されているとのこと。引き続き続報にも注目です。

[コメント]
台湾と言えば私たちには一般的に大陸との緊張関係に常にさらされている“もうひとつの中国”という中華圏のイメージが強いのですが、原住民の部落に入るとそこにはかつてはオランダ、次に中国大陸、そして日本も含めて数々の強国からの植民地政策を経て、逆にそれらの異文化を取り入れながらも自らの部族とアイデンティティを守り続けている現在の原住民の人々がいました。その原色に彩られた姿は私たちの持っていた中華圏である台湾のイメージを一新し、西洋と東洋の様々な文化の異なる移民たちと、もともと住んでいた原住民たちが長い時間をかけて共に台湾という小さな島でお互いに“共和”の道を模索し歩んでいる姿が浮かび上がってきたのです。
このドキュメンタリーの中で台湾のラッパー、大支(ダーギー)が「台湾の特徴とはさまざまな文化や音楽が融合するところ。そう、メルティングポットなんだ」と語っていますが、特に2020年代から原住民の若者たちが自分たちのルーツミュージックを様々なジャンルの音楽とミックスさせて台湾独自の新しい音楽を創り出しています。そこから何が生まれ出づるのか?まさにこの現在進行形の台湾の姿を観ることはグローバル化、移民の時代を生きる私たち日本人にとっても大きなヒントになることだと考えています。

――空族(富田克也・相澤虎之助)

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© kuzoku

『潜行一千里 ILHA FORMOSA』
2025年11月22日(土)新宿K’s cinemaほか全国ロードショー!
www.kuzoku.com
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