ラジオの洋楽番組のDJ、そして英語歌詞対訳で活躍している山本さゆり氏のDJイベント、“山本さゆりのA Song For You〜それ行け!ベイ・シティ・ローラーズ 2013”が6月8日、東京・シーサイドホテル芝弥生にて開催されました。
1974年から78年にかけて、世界中に“タータンハリケーン”大旋風を巻き起こした
ベイ・シティ・ローラーズ(Bay City Rollers)。彼らの専門レポーターであり、ラジオを通して情報を伝えてきた山本さゆり氏ですが、今回は大森庸雄氏(音楽評論家・ラジオパーソナリティ)、鈴木博一氏(元東芝EMIベイ・シティ・ローラーズ担当ディレクター)をゲストに、“今だから話せる当時の秘話”などを交え、彼らに魅了され、青春をともに過ごしたファン約200名が参加しました。
そのうち約30名が男性ファン。地方から飛行機や新幹線でこの日のために参加したファンも多く、 彼らのトレードマークであるタータンチェック、そしていわゆる“ローラーギア”を身に着けて参加するファンで会場は熱気にあふれていました。
1975年にイギリスで1位になったフォーシーズンズのカヴァーである「バイバイベイビー」を聴いて、「オリジナル以上に素晴らしい! 何とか日本でも彼らの魅力を伝えたい」と感激した大森氏が、鈴木氏や山本氏らとタッグを組んで、レコード会社やラジオ、雑誌を通してプロモートした結果、新聞の一般紙の記事に載るほどの爆発的人気になった初来日の様子。そして取材時の苦労や裏話など、いかに彼らが洋楽シーンのみならず一般的において“社会現象”を巻き起こしたか、“タータンハリケーン”と呼ばれた要因をあらためて知ることができる内容でした。
とくに印象的だったのが、36年たっても彼らの音楽を愛し続け、この場に集まったファンのパワーです。このイベントの告知後3日目で参加者が60名を超え、予想以上の希望者に一時募集を中止し、キャンセル待ちになるほどになったため、直前で会場を拡大するほどになったということ。
会場で流れた彼らの曲に合唱するファンの笑顔は、このうえもなくキラキラして輝いていました。
「当時のピュアな気持ちを思い出す」
「ローラーズがきっかけでさまざまな音楽と出会うことが出来た」
「英語に興味を持てた」
「どんな小さな事にも一喜一憂。笑って涙したあの頃はまさに青春時代の宝物」
ここに集まったファンの方々にとって、彼らベイ・シティ・ローラーズは人生においてかけがえのない特別な存在。その計りしれないパワーは永遠にファンの心の奥に生き続け、未来に繋げる原動力となっているのでしょう。
「青春に捧げるメロディー」「夢の中の恋」「ハートで歌おう」などは、今回のゲストである元東芝EMIの鈴木氏がつけたシングルの邦題ですが、ファンのなかでも「最高の邦題!」という声があがり、「感激です。勇気をいただきました」という鈴木氏の言葉もまた印象的でした。
ベイ・シティ・ローラーズ……作り手、送り手、すべてにおいて彼らは単なる“一過性のアイドル”ではない。それ以上の素晴らしい存在であると確信できたイベントでした。