“小説を音楽にするユニット”
YOASOBIが、7つの国と地域を巡る自身2度目のアジア・ツアー〈YOASOBI ASIA TOUR 2024-2025 “超現実|cho-genjitsu”〉を完走。合計14万人に及ぶ動員を行い、日本人アーティスト最大級のアジア・ツアーを成功させました。
昨年12月から2月にかけて仁川、香港、バンコク、台北、上海、シンガポール、ジャカルタの全7都市にてそれぞれアリーナ2Daysを行うアジア・ツアーとなり、各国で熱狂的な盛り上がりを見せ、ついに幕を閉じました。
ツアーでは、昨年開催した国内ドーム・ライヴのテーマでもあった“超現実”を体現する約90分・アンコール含む計18曲のセットリストを披露。その最終公演となる2月27日・ジャカルタ公演のライヴ・レポートが到着しています。
[ライヴ・レポート] 2024年10月に結成5周年を迎え、11月には自身初の東京ドーム公演を大成功に終えたYOASOBI。間髪入れず12月から、7都市14公演を回る日本人アーティスト史上最大規模のアジアアリーナツアーに臨み、2025年2月27日、インドネシア・ジャカルタにて最終公演を迎えた。
外気は熱帯特有の蒸し暑さだが、空調の効いた会場内もまた、詰めかけた観客の熱気に満たされている。定刻の現地時間20時過ぎ、ドーム公演でも打ち出された「超現実」の世界観に引き摺り込むようなカウントダウン演出を経て、巨大なLED内に異形のモンスターが蠢いた。続いてコンポーザーのAyaseとボーカルのikuraのシルエットが姿を表すと、割れんばかりの歓声が巻き起こる。二人の佇まいから、3ヶ月にわたるこのアジアツアーを経て得たであろう確かな自信が感じられた。
ライブは「セブンティーン」「祝福」「UNDEAD」といったアグレッシブなナンバーでスタート。Ayaseは不敵な笑みでフロアを見渡し、ikuraは精度の高い歌唱の合間に何度も煽りを入れる。観客のボルテージは一気に最高潮だ。続くMCでは、自分たちにとって初の海外ライブの地がジャカルタであったことに触れ、「ただいま」「おかえり」といったやりとりで現地ファンとの絆を確かめあった。
新曲「New me」ではクラップで会場が一体に。「好きだ」「もう少しだけ」といった明るい楽曲では会場中に笑顔の花が咲き、「ハルジオン」「たぶん」など初期の人気曲は冒頭から最後まで日本語での合唱が絶えない浸透ぶり。「モノトーン」「優しい彗星」もアニメの主題歌としてこの地にしっかり届いていることが伺える。
続いてのMCでは、Ayaseの言葉を会場に届けるお手伝いをする人を募集するとして、日本語に自信のあるファンをステージ上に招くという展開に。「Ayaseとikuraどっちが好き?」のような質問も交え、オーディエンスとの距離がさらに縮まったところで、ライブは後半戦へ突入。「怪物」「勇者」と立て続けのヒット曲で会場の温度をさらに上昇させ、この日のハイライトともいえる「あの夢をなぞって」へ。上述したジャカルタでの初ライブの際、ファンが泣きながら歌唱する「あの夢をなぞって」の動画がSNS上でバイラルし、インドネシア国内でもストリーミング数が急上昇するといった現象を巻き起こした楽曲とあって、観客の大合唱がikuraのボーカルをかき消さんばかりだ。田口悟(Gt.)、森光奏太(Ba.)、鈴木栄奈(Key.)、Tatsuya Amano(Dr.)という新たなバンドメンバーも圧巻のソロ回しで熱狂に応える。極めつけは「アイドル」。割れんばかりのOi!コールが会場をこれでもかと揺らした。
海を越えたアジアの各地域でこうしてライブができることは、何よりもいつも応援してくれて、待っていてくれる人々がいるからだと、改めて感謝を伝えるikura。観客は「HEART BEAT」の大合唱でそれに応える。本編ラストは「群青」。アリーナ最前列からスタンド最後列まで、思い思いの表情で歌う現地ファンの表情が印象的だった。
アンコールはikuraがギターをかき鳴らす「舞台に立って」、観客を総立ちにさせた「夜に駆ける」で大団円。7都市14公演で計14万人を動員、自身二度目のアジアツアーを大成功のうちに締め括った。
YOASOBIは3月16日にアメリカ・ロサンゼルスで『matsuri'25 : Japanese Music Experience LOS ANGELES』に出演、6月にはスペイン・バルセロナの音楽フェスPrimavera Soundに出演。そしてイギリスはロンドン・OVO Arena Wembleyでヨーロッパ初の単独公演を二日間開催する。アジア、アメリカ進出を経て活躍のフィールドをさらに広げるYOASOBIからますます目が離せない。


Photo by Satria KhindiPhoto by Poto-Pot