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DRMとは?

2007/04/13掲載
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決して“DARUMA”の省略ではない、“Digital Rights Management”ことDRM。ここ最近のニュースでもトピックとして挙がることの多いこの言葉、知っておいても損はない?CDJournal.com的考察をまとめてみました。
DRMとは?
 DRMとはDigital Rights Managementの略称。デジタル著作権管理、音楽データなどのデジタル情報の著作権を保護する技術のことを言います。特定のソフトやハードでしか再生できないように暗号化したデータを符合させる方式によって記録し、第三者による複製や再利用に制限をつけるDRMは、メモリーカードなどの記録媒体に内蔵されたり、音声や動画プレーヤーのソフト、ファイルの送受信ソフトなどに組み込まれたりなど、実にいろいろな方法で使用されています。たとえば、Adobe Acrobat形式 (PDF形式) の文書が印刷できなかったりするのもこのDRM技術のひとつ。そんな中で、私たちがその技術に触れる機会が多いのはやはり音楽配信でしょうか。

 このDRMは各企業により様々なものが使用され、アップル(iTunes)では「フェアプレイ」、マイクロソフトでは「ウィンドウズ・メディアDRM」といったように異なる規格を使用しています。これらDRM技術によって、ダウンロードされた音楽や動画は、編集やフォーマットの変換、CDやDVDなどメディアへのライティング、他のメディア機器への移行は不可能になるのです。さらにライセンスの有効期限が設けられているものもあり、いずれ視聴が不可能になるというものも存在します(iTunesでは「5台までのPCで視聴可」などの制限があります)。そのうえ、これらDRMの規格には互換性がなく、iTunesで購入したものはiPodでのみ再生可能といった形になり、ユーザーの使用機種の選択肢を狭めているのが現状でした。そんななか、アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズ氏は「DRMは無意味で決して役立たない」などと異議を唱え、DRM廃止を訴えていました。そして、ついに大手レコード会社である英国EMIがDRMを外した(つまりはコピー可能)な形での音楽配信を発表したのでした。

 そのEMIは5月から世界中で、このDRMを外した形による配信をiTunesにて開始予定。通常よりも一曲あたりの値段が若干高い設定(1.29ドル。通常は99セント)になるそうですが、AACフォーマットでビットレートが128kbpsから256kbpsとより高音質になり、過去にDRM付きで購入したの音源もDRMなしのものにアップグレード(30セントをプラスすることで)ができるようになるそうです。また、ビデオに関しても同様に、すべてDRMなしで配信されるそうです(価格は据え置きを予定)。EMIはこれに対して「ネット販売した音楽を好きな機器で再生できれば、デジタル販売を加速させることができる」とコメントしています。(ちなみに日本国内ではDRMなしでの販売は検討中とのことです)。

 どんなかたちであれ、CDと同じように購入した音源などが機種を問わずに使えるのはやはりユーザーとしては嬉しい限り。さらにDRMを詳しく知りたい、興味を持ったという人は、『デジタル著作権管理―ブロードバンド時代のパブリッシング』(ネクサスインターコム)なる本も発売されているので、こちらを読んでみてはいかがでしょうか?
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