『LAST DAYS』公開直前!その軌跡をドラマティックに描いたものから、ご本人登場の自作自演ものまで、“アーティスト/バンド”に焦点を当てた映画特集をお贈り致します!未DVD化の傑作、現在製作中の逸品、すっかり忘れていた名作まで、ズラリとご紹介!
公開前より、オルタナ/グランジ・ファンの間で大きな話題を巻き起こしていた映画
『LAST DAYS』が遂に日本公開(3/18よりシネマライズにて)!かの
ニルヴァーナのフロントマン、
カート・コバーンが命を絶つまでの最後の2日間を、名匠
ガス・ヴァン・サント監督が描いた問題作。主役を演じる
マイケル・ピット(激似!)をはじめ、レコード会社の重役としてキム・ゴードンが出演、音楽コンサルタントには
サーストン・ムーアを起用するなど、“当時”の雰囲気を知るアーティストが制作に参加しているのも興味深し。
ここ日本でも、avex
『Last Days - Tribute To Mr.k』(※4/5発売 AVCF-22746 \2,940(税込)、参加アーティスト:
木村カエラ&
FOE、
少年ナイフ、
チボ・マット、
土屋公平&
清春、
Inoran、Kirito、
Caravan、
曽我部恵一など)、universal music『NIRVANA TRIBUTE(仮)』(※5/10発売 UPCH-1489 \2,625(税込)、参加アーティスト:
THE SALINGER、
detroit7、
吉井和哉、
ART-SCHOOLなど)といったトリビュート盤がそれぞれリリースされるなど、2006年の音楽シーンにおける一大事となりそうな『LAST DAYS』。その公開を前に、“アーティスト/バンド”へ焦点を当てた傑作映画の数々を集めてみました。

まずは、現在絶賛公開中!
ジョニー・キャッシュと
ジューン・カーターの軌跡を描いた
『ウォーク・ザ・ライン 君に続く道』。見事アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた
リース・ウィザースプーンの演技もさることながら、特筆すべきは、やはり
ホアキン・フェニックス。撮影期間中、片時も手放すことなく練習を続けていたというギター・プレイは必見! 時代背景、家庭、ドラッグ……様々な困難に挫折しようとも、一途に愛をささやくジョニー・キャッシュの姿を、その濃厚なお顔立ちで演じきったホアキンにハナマルを捧げましょう。

コロッケもびっくりのそっくりキャスティングといえば、デビュー以前の
ビートルズに在籍していたベーシスト“スチュワート・サトクリフ”の人生を描いた
『バック・ビート』(1994年公開)。後に傑作
『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』に出演を果たす
スティーブン・ドーフのトンガった佇まい、残されたポートレイト/アートの数々から感じ取れる彼の人物像を如実に表現しております。
デイヴ・グロール(
フー・ファイターズ)、グレッグ・デューリ(
Afghan Whigs)、ドン・フレミング(GAMBALLなど)、サーストン・ムーア(
ソニック・ユース)などオルタナ人脈大集合!なサウンドトラックにも注目。

そっくり〜といえば思い出されるのが
『ドアーズ』(1991年公開)。巨匠
オリヴァー・ストーン監督のもと、その短くも衝撃的な
ジム・モリソンの姿をスクリーンへ生き写しのごとく蘇らせた
ヴァル・キルマーにはひたすら感動。後に、特殊メイクを施しているにもかかわらず、変装があまりにバレバレな“怪盗”を
『セイント』で演じることとなるとは露知らず! ヴァル氏の時代を先取るニュー・パワーに溢れた1作。
『NANA』ファンにはお馴染み、
ゲイリー・オールドマンの映画デビュー作
『シド&ナンシー』(全く似せる気がない
ピストルズ役の役者陣が最高)、製作・監督・主演の全てを手がけるなど、
ケヴィン・スペイシー自身の強い思い入れから映画化に至った
『ビヨンド・ザ・シー』、各キャストが溢れる愛情ゆえにノリノリの成りきりぶりを披露している
『24アワー・パーティ・ピープル』、ご本人からの指導も賜った
ジェイミー・フォックスの完コピ具合に泣かされる
『RAY』なども挙げられます。
ジョン・レノン『イマジン』や、
ジミ・ヘンドリックス『ジミ・ヘンドリックス』、 そして
リチャード・ヘル『ブランク・ジェネレーション〜リチャード・ヘル&ザ・ヴォイドイズ〜』、
ラモーンズ『ロックンロール・ハイスクール』、 日本では
フリクション/
ミラーズ/
SSなど東京ロッカーズ&関西NO WAVEの面々が出演した『ロッカーズ』など、ドキュメンタリーから青春ドラマ、現実と虚構が入り混じった前衛的な作品まで、ご本人が参加しているからこそ出来た、説得力&個性が光る逸品も外せないところではないでしょうか。
ダイアナ・ロス&
シュープリームスをイメージしたといわれる『Dreamgirls』(出演:
ビヨンセ)、
ブライアン・ジョーンズの死を描いた『Stoned』(出演:レオ・グレゴリー)、LAパンクの伝説・
ジャームスの歴史を追った『What We Do Is Secret』(出演:
シェーン・ウエスト)、
ジョイ・ディヴィジョンのヴォーカルだったイアン・カーティス伝記映画(製作:エイミー・ホビー)……などなど、現在製作中/公開を控えた作品に過度な期待を寄せつつ、お好みの“アーティスト/バンド映画”を探してみてはいかがでしょ。箸休めには、他を寄せ付けない邦題が異彩を放つ
『モトリーの超過激 暴走生活(原題:UNCENSORED)』(
モトリー・クルー)をどうぞ。