子供番組でロックを楽しむ

2008/09/03掲載
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 子供番組とロック。一見何の接点もなさそうなこの2つは、実は古くから繋がりがあります。かつて放送されていた『ひらけ!ポンキッキ』(フジテレビ系)ではビートルズの楽曲がSEのように使われ、“志賀ちゃん”こと志賀正浩による『おはようスタジオ』(現・テレビ東京系)では、モンキーズを番組で大々的に取り上げ、子供を巻き込んでの一大モンキーズ・ブームを巻き起こしました。現在、子供番組とロックの融合を一番積極的に行なってる番組は……と考えると、NHKの子供番組を挙げる人も多いのではないでしょうか? 今回は、ロックの世界を楽しむことができるNHKの子供番組をいくつかご紹介いたします。

 まず、はじめにご紹介する番組は「みんなのうた」。古くからロック系のアーティストが数多く楽曲を提供しているので、チェックしている人も多いかもしれませんね。 現在(2008年8〜9月度にかけて)放送されているのは、赤ちゃんのキャラクターが登場してダンスをしている映像が流れる、浜谷真理子によるロックンロール・ナンバー「べいびー ろっく〜BABY ROCK〜」。こちらの楽曲の映像に登場する赤ちゃんキャラクターの名前が、“シド”や“ナンシー”。おわかりのように、シド・ヴィシャスとナンシー・スパンゲンが由来となっているだろうこのキャラクター。子供番組に最も似つかわしくないだろう2人の名前をつけてしまうネーミング・センスにも、ロック魂を感じずにはいられません。ちなみにこの曲は、9月17日にCD化が決定しており、同封されるDVDには番組で放送されている映像がそのまま収録されるとのこと。見逃したという方は、ぜひこちらでチェックしてみては?

 重箱の隅をつつくようにロックをマニアックに取り上げていた番組が、2005年まで放送されていた『ハッチポッチステーション』。この番組では、グッチ裕三が誰もが知っている童謡をロックの名曲にのせ、アーティストのコスプレをして歌い、子供を持つロック・ファンから注目を集めていました。その中から楽曲をいくつか挙げてみると、キッスの「デトロイト・メタル・シティ」(おなかのへる歌)やビートルズの「抱きしめたい」(森のくまさん)、ローリング・ストーンズ「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」(おもちゃのチャチャチャ)などがあります。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」(犬のおまわりさん)ではビデオ・クリップのパロディまで行ない、観ていたロック・ファンをうならせました。

 さらに番組では、エド・サリヴァン、ダン池田、スマイリー小原など子供には決して伝わらないパロディなどのマニアックなネタまで披露。子供以上に大人の人気を博していました。残念なことに映像作品としての商品化はされていませんが、番組関連CD『NHK「ハッチ ポッチ ステーション」〜The BEST』 『NHK「ハッチ ポッチ ステーション」〜ベスト・オブ・江戸川サリバンショー』 『NHK「ハッチ ポッチ ステーション」〜WHAT'S ENTERTAINMENT?』に先に挙げたような童謡などが収録されているので、未体験の方はこちらでチェックしてみてはいかがでしょうか? きっとその完成度の高さに驚いてしまうはずです。

 また、NHK-BSのイメージ・キャラクターである“どーもくん”も、ロックとは深いつながりがあります。今年に入って放送されたどーもくんの新シリーズでは、テーマ曲をバッファロー・ドーターが担当。エンド・クレジットではバッファロー・ドーターの楽曲にのせて、どーもくんがフライングVをかき鳴らし、ヘッドフォンをかけてターンテーブルでスクラッチ……と、ロックな姿を披露しています。さらに、公式プロフィールに掲載されているどーもくんの好きなアーティストがなんと、日本が世界に誇るロックンロール・バンドのギターウルフ! 過去に放送された「ロックはお好き」編では、テレビに映しだされるギターウルフに興奮して踊りまくり、同居するうさじい(うさぎのおじいさん)に怒られるといったシーンも登場。 2002年に発売されたゲーム・ソフト『どーもくんの不思議てれび』ではバンドを率いて全国ツアー、2008年に放送された番組の新シリーズ(「ロックでどーも」編)ではバンドを結成と、いつでもロックに魅了され続けているどーもくん。これからも何かやってくれそうなどーもくんから、目が離せませんね。


※「ロックはお好き」編は公式サイト『どーもくんミュージアム』で観ることができますので、ぜひチェックしてみてください。
■どーもくんミュージアム/http://www.nhk.or.jp/domo/


 ロックと接点を持つNHKの子供番組は他にもあります。『天才てれびくん』シリーズでは、タケカワユキヒデが音楽監督を担当した「みゅーじっくテレビくん」なるコーナーで、番組に出演する子役タレントがB-52’sアラン・パーソンズ・プロジェクトバグルスなどの楽曲を歌っていました。 『ピタゴラスイッチ』では桜井秀俊真心ブラザーズ)が「数えてみよう」というコーナーや番組オリジナル曲「つながりうた もりのおく」で歌を担当し、子供番組らしいほのぼのとした楽曲を披露しています。また、同番組の人気コーナー「おとうさんスイッチ」には横山剣クレイジーケンバンド)や浦野正樹(勝手にしやがれ)が子供と一緒に出演し、多くのファンを驚かせました。大人も子供もロック・ファンも楽しめる子供番組。見逃すのはもったいない充実した内容となっていますので、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
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