[PC Audio Extra]カナル型イヤフォン特有の耳障りな音のクセを解消する斬新なアイテム 音茶楽 カスタマイズドイヤフォン

2011/12/02掲載
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カナル型イヤフォン特有の耳障りな音のクセを解消する斬新なアイテム

音茶楽 カスタマイズドイヤフォン

試聴・文/大塚康一
まったく違うイヤフォンのような音の変化に驚いた
 カナル型イヤフォンの音が耳障り、あるいはサシスセソなどの子音がキツイと感じることはないだろうか? 聴覚の研究を行なってきた音茶楽(OCHARAKU)サウンド・カスタマイズによれば、それは特定の周波数での外耳道の共振が大きな原因であるという。もともとイヤフォンの音が鼓膜に届くまでには外耳道の影響を受けるわけだが、耳にイヤフォンを装着すると、片方が鼓膜、もう一方(耳の穴)がイヤフォンで塞がれるため、6kHz及び12kHzあたりの周波数が共振によって強調される。その6kHzの共振が、前述の耳障りな音を生むそうだ。

 そこで、イヤフォンそのものにトルネードイコライザー(音茶楽の特許)と称する特殊な部品を装着して、共振を抑える方法を編み出した。具体的には、波長・音速・周波数から割り出したサイズの、中空パイプ状のネジに似た部品を取り付ける。イヤフォンのドライバーから出た音はパイプの穴を通る第1経路とネジの谷間を通る第2経路の間で時間差が生じて逆位相となり、結果的に高音域の音圧低下を招くことなく6kHz前後のピークを抑えられるという、まったく新しい発想の音響回路である。この谷間を通る音波が竜巻状に通ることから、トルネードイコライザーと命名されたわけだ。第1弾は、オーディオテクニカのATH-CKM55をベースに、耳道の長い人用にロング・クリア/ロング/ロング・マイルド、短い人用にショート・クリア/ショート/ショート・マイルド、標準の人向けにクリア/ニュートラル/マイルドといった9種類のチューニングを施している。リスナーは実際に試聴して、自分に合ったものを選べるが、今回はこの中からクリア、ニュートラル、マイルドを試聴してみた。



カスタマイズは、トルネードイコライザーという中空状のネジ部品(写真上)をイヤフォンの音道に取り付ける。これにより、パイプの中央を通る第1の経路とネジの谷と外壁との隙間を螺旋状に通る第2の経路で経路差ができて音のクセを解消するという仕組みだ(図右)。

●問い合わせ:音茶楽サウンド・カスタマイズ
156-0052 東京都世田谷区経堂2-17-2
TEL 03(3428)5557
http://ocharaku.jp/sound/contact/




チューニングパターンは9種類を用意。自分に合ったサウンドを選べる。


 まず、チューニングを施していないオリジナルATH-CKM55から聴いてみる。豊かな低音と歯切れよい中高音を再生するイヤフォンである。次にチューニングされた方を順次聴き比べてみる。“クリア”に付け替えると、ベールが一枚はがれて中高域の透明度がいっそう増した感じだ。“マイルド”は、中高域はしっかり出ているが、やや高域が穏やかになって全体に柔らかくなった印象。しかし、こもった感じはない。“ニュートラル”はオリジナルとどう異なるのかと思ったが、より低音が締まり、全体にフラットな音になっていた。たしかに三者三様で、まったく違うイヤフォンのような変わりように驚いた。いや、むしろイヤフォンの性能や音質も大きな要素だが、それ以前に音を聴くためのヒューマンインターフェイスも重要なのだということを実感させられた。チューニング費用はCKM55本体4,000円+部品代込みの技術料6,000円で、総額1万円となる。数万円するイヤフォンが少なくない昨今、これだけの費用で自分の耳にフィットしたカスタム・イヤフォンが手に入るなら、むしろリーズナブルといえるのではないだろうか。
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