【e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活 番外編】ハイレゾ忘年会 2014 牧野良幸 x 國枝志郎 x 黒澤 拓(e-onkyo music)、3人が語り合う“ハイレゾ元年”

2014/12/26掲載
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 “ハイレゾ”という言葉が広く世間に浸透し、ハード・ソフト両面の充実とともに一気に活況を呈した2014年のハイレゾ・シーン。そんな一年を振り返るべく、おなじみの牧野良幸さん、國枝志郎さん、e-onkyo musicの黒澤 拓さんにお集まりいただき、ハイレゾ忘年会を開催しました!

――2014年は実質的な“ハイレゾ元年”だったと思うのですが、実感としてはいかがでしたか?
黒澤 拓 「ずいぶん前から毎年のように“ハイレゾ元年”と言われ続けてきましたが(笑)、今年ようやく“元年”を迎えたと感じることができたように思います。というのも、去年の後半にソニーウォークマンがハイレゾ対応の機種を発売して注目を集め、それを受けて今年頭から“ハイレゾ”というキーワードが世の中にどんどん広がっていきました。そして最近はスマートフォンにもハイレゾ対応の機種が出てきたことで、ますます盛り上がっていますね。やはりドコモなど、国を代表するような大きな会社が動き出したというのは、今年のモニュメンタルな出来事だったと思います」
――ウォークマンやスマートフォンなど、ポータブル機器によってハイレゾの普及が進んでいるということでしょうか?
黒澤 「今年はとくにその傾向が強く、家電量販店でもポータブルが売上を支えているとのことです。40代くらいの中高年層の方々が、もう一度良い音で音楽を聴きたいとハイレゾに興味を持ち、通勤時間などにポータブルで聴いているようですね。e-onkyo musicの会員数もおかげさまで飛躍的に増えており、サイトのオープンから9年目にしてようやく長いトンネルを抜けることができそうです」
國枝志郎 「XperiaGALAXYといったスマートフォンがハイレゾ対応の機種を出す一方で、iPhoneはけっこう前からアプリでハイレゾに対応しているんですよね。Onkyo HF PlayerHibikiなどのアプリを使えば、5.6MHzまでのDSD音源を再生できる。さらに、それをデジタル出力してポタアン(= ポータブルヘッドフォンアンプ)につなげば、DSDのネイティブ再生が可能になるわけです。最近はDSDまで対応できるポタアンが増えて、種類もいろいろあって充実していますよね。ここまでの高音質を、屋外に持ち出して手軽に楽しめる環境が整ったというのは、今年の大きな進歩だったと思います。それから今年のトピックとしては、ハイレゾ配信サイトの拡充が挙げられるでしょう。e-onkyo music以外にもOTOTOYとかhighresaudio.jpとか……昨年後半からはmoraもハイレゾに対応しましたからね。日本にいながらにしてハイレゾ音源を買えるサイトが増えたのは素晴らしいことです。やっぱり“ハイレゾ”という言葉に対しての音楽リスナーの入れ込み方が、以前に比べてすごいなと感じますね」
――牧野さんはいかがでしたか?
牧野良幸 「今年はね、ハイレゾのタイトルが揃った。それに尽きる! クラシック、ジャズ、ロック……すべてジャンルでものすごい数のタイトルがハイレゾ化されて、一気にカタログが充実しました。この連載をはじめた去年は、アルバムが1枚出るたびにいちいち喜んでたけれど、その頃に比べたら雲泥の差ですよね。もう今は“選ぶ”状態になってきたわけ。以前はなんでも出ればまず聴くっていう感じだったのに比べ、最近は、たとえばオペラでも同じ演目で違う演奏者のタイトルが複数あるので、どっちがいいかなと選べるようになりました」
――今年は洋楽ロックをはじめ、ビッグ・タイトルが続々と出ましたよね。
牧野 「そう、レッド・ツェッペリンとかジョン・レノン、アブコ・レコード時代のローリング・ストーンズディープ・パープル……軒並みですよ! どれも良かったなあ。ツェッペリンはセカンドが好きですね。クラシックではゲオルク・ショルティの『ニーベルングの指環』がすごかった。マリア・カラスはリマスターのCDボックスを買ったのですが、それを聴きながらハイレゾでも聴きたいものをダウンロードしたり。ヘルベルト・フォン・カラヤンも出ましたね。グラモフォンデッカなんて、新録音のCDがリリースされる前にハイレゾで配信されてたりするでしょ? あれはインパクト大きいです」
國枝 「たしかに、あれはすごい。グラモフォンの新譜がいきなりe-onkyo musicにアップされていて、しかもそれが知らないアーティストだったりすると、たまらなくワクワクしますね」
牧野 「ジャズではブルーノートが毎月のように続々出てるでしょ。あれ、ジャズ好きの人なんて全部買ってたらエライことになっちゃうわ。ソニー・クラーク『クール・ストラッティン』が出るのをずっと待ってて、やっと配信されたときは嬉しかった。それから、ECMも出ましたね」
國枝 「ECMはNEW SERIESのちょっとマニアックなタイトルも入っていますね、ハインツ・ホリガーとか」
牧野 「そうそう、キース・ジャレットとか僕の知ってるECMとは違ったラインナップで、全然知らないアーティストもいたりして、最初はあれっと思ったんだけど、演奏者のクレジットなんかを見ていると聴きたくなりますよね」
國枝 「よく分かんなくても、なんとなくスノッブ心をくすぐるのがECMですからね(笑)。それにしても、ECMはこれまでリマスター盤とかSA-CDとかを出さないレーベルだったじゃないですか。オリジナルがいちばん良いっていうスタンスだから。それがいきなりハイレゾ配信で出てきたから、びっくりしました」
牧野 「ほんとにもう、今年一年でハイレゾ・シーンがぱっと華やかになって、この勢いでどんどん出してくれるとありがたいですね。まあ、僕は売れ行きは分からないので、これで売れていれば、本当の意味で“ハイレゾ元年”と言えるのでしょうけど」
黒澤 「パッケージに比べれば、市場の規模としてはまだ小さいですが、毎年確実に伸びてはきていますので、手応えはありますね」
――普及が進む一方、まだ発展途上の部分もあるかと思います。今後のハイレゾ界に望みたいことはありますか?
牧野 「タイトルで言ったら日本でしょ。日本のフォークやロックが圧倒的に足りないと思う。吉田拓郎とか井上陽水山下達郎サザンオールスターズ加藤和彦ザ・フォーク・クルセダーズ……そのへんは非常に欲しいところです」
國枝 「達郎は聴きたいですね。大瀧詠一もDSD音源はあるんですから、配信してほしいです」
黒澤 「世代的にも中高年層ドンピシャですから、そのへんのタイトルは僕らも欲しいところなんですが、音源を持っているレコード会社の担当にはハイレゾについてまだあまりご存じでない方もいらっしゃって……。まずはハイレゾで配信するという選択肢があることをご説明するところからはじめています。レコード会社の担当や現場の方々が、倉庫で眠っている宝をハイレゾでうまく活かそうと思っていただけるようにならないと」
牧野 「50代の僕らの世代が生きてるうちに、早く出した方がいいですよ、冗談抜きで。僕らの世代が死んだら、誰も買わないよ。生きてても、あと10年もすれば耳が遠くなりますから(笑)」
國枝 「このへんって、数年前にリマスターとか紙ジャケとかでCDが一斉に出たじゃないですか。その音源をハイレゾで配信したらいいのに、と思います」
黒澤 「今年の“元年”でレコード会社の方々の間にもだいぶハイレゾの認知が進み、もろもろ調整して、来年から本腰を入れて配信に乗り出すというパターンも多いようです。来年は日本のフォークやロックあたりにも力を入れていきますとおっしゃっていたので、期待できると思います」
牧野 「それは楽しみ。来年に期待ですね!」
――日本のタイトルでも、歌謡曲はけっこう出てましたよね。
牧野 「そう、僕はこれまで歌謡曲はあんまり好きじゃなかったのに、ハイレゾで聴いてはじめて好きになっちゃった。すっかり石原裕次郎のファンになったし、弘田三枝子美空ひばりも良かったなあ。あの頃のサウンドは隙間スカスカなんだけど、それがハイレゾになると、良い具合に豊かに響くんですよね。昔はバカにしてたサウンドが、すごくオーディオ的な気持ち良い音に聞こえてくる」
國枝 「中森明菜の一連のアルバムが出ましたね。なかでも『不思議』っていうアルバムがあって、もとから超モヤモヤした音像で、何を歌ってるかさっぱり分からないんですよ。リリースされた当時から物議を醸してたくらいで。それをハイレゾで聴くっていうのは、ものすごくアンビバレントな行為だなと。だってクリアな音で、あのモヤモヤを聴くわけですから、なんじゃこりゃですよね(笑)」
牧野 「そのアルバムは気になるなあ」
――では、ここからは皆さんがそれぞれ選んできてくださった“2014年のベスト3”をもとにお話を進めていこうと思います。まずは牧野さんから。
/ / / 牧野良幸のベスト3 / / /


ウイングス
『At The Speed Of Sound - Remastered』

 恥ずかしながらこのアルバムを聴くのはハイレゾが初めて。シングルで知っていた「幸せのノック」がハイレゾでとても温かい楽曲に聴こえる。その勢いでアルバム全部までもが温かいものに。ポールのハイレゾ化された中では何度も聴きたいものになった。

クロスビー, スティルス&ナッシュ
『CSN 2012』

 ニール・ヤングがいない、クロスビー, スティルス&ナッシュでの復活コンサートだけど、まるで『4ウェイ・ストリート』をハイレゾで聴いているような感覚にとらわれた。『4ウェイ・ストリート』がハイレゾになっていない淋しさを癒してくれる。

キャット・スティーヴンス
『Tea For The Tillerman』

 キャット・スティーヴンスがハイレゾで聴けるのはとてもうれしかった。1970年代初めのシンガー・ソングライター・ブームの作品。ひっそりと寄り添うようなヴォーカルは、何度も聴きかえしたいから、高音質がうれしい。

國枝 「超シブいですよね、牧野さんのセレクション。とくに面白いなと思ったのがキャット・スティーヴンスで、正直言って今の日本ではそんなに人気のあるアーティストではないじゃないですか。でもそれが、ほかのタイトルを征して配信されたというのが、すごいなと」
牧野 「そうそう、すごいと思った。僕もこれが突然アップされたとき、びっくりしたもん」
國枝 「たぶんメーカー側としては、こういうのはCDで出してもそんなに売れないけど、とりあえず配信で出して反応を見てみるか、みたいなところも若干あると思うんですよね、実験的に。そういう意味では、手探り状態の今だからこそ、ちょっと変わったものが配信で出てくることって、意外に多いんじゃないかと思います」
牧野 「そういう意味では、マニアにはたまらん状態なのかもしれないですね。ほんとに楽しいですよ、今は」
――國枝さんは毎日欠かさずハイレゾ配信サイトをチェックしてるんですよね?
國枝 「もちろん! e-onkyo musicだけでなく、ほぼすべての配信サイトを毎日欠かさずチェックしています。日付が変わる午前0時に新しい作品がアップされることが多いので、その瞬間はPCの前に張り付きで(笑)。だって今は、何が出てくるか分からないんだもん。うかうかしてられないですよ」
牧野 「えーーっ! それはすごいな」
國枝 「今は“ハイレゾ元年”的な位置づけなので、何でもいいからとにかくタイトル数を増やしていこう、多少ジャンルがめちゃくちゃでも、少しでも選択肢を多くしていこうという動きですよね。だから玉石混淆だし、いろいろなものが整理されずにバラバラと出てきている。けれど、あと1〜2年後にはそういった状況が改善されて、ある程度カタログが系統的に揃い、全体が俯瞰できるようになっていくと思うんです。たとえば、これでオペラの主要演目は揃いましたとか、フォークの大御所は揃いましたとか、きちんとしたカタログが出来上がっていく。そこでまた、ユーザーがぐんと増えると思います」
――DSDマニアの國枝さんは、ベスト3をすべてDSDのタイトルから選んできてくださいました。
/ / / 國枝志郎のベスト3 / / /


大野由美子 + AZUMA HITOMI + Neat's + Maika Leboutet
『Hello, Wendy!』

 4人の宅録系女子によるこの配信のためのスペシャル・パフォーマンス1発DSD5.6録音! しかも全員ヴィンテージ・アナログ・シンセ! 究極のデジタルmeetsアナログ。タイトルはシンセ多重録音の草分け的存在から。

VA
『Beauty of Tradition - ミャンマーの伝統音楽、その深淵への旅』

 複雑な倍音構成を持つ民族楽器こそ、究極のデジタル録音技術DSDにふさわしい。ミャンマーに40日間滞在したエンジニア井口 寛氏が録音した厳選12曲。まさに脳髄直撃のデンジャラス・トリップ・ミュージック。


オノ セイゲン
『ブルーインパルス 20140531』
(PCM 96kHz / 24bit)


 「ブルーインパルス」の展示飛行の模様を、オノ セイゲン氏がライヴ・レコーディング。編集もローカットもEQもなし。収録からたったの3日後にe-onkyo musicから配信されるというおそるべきスピード。これぞまさに究極のピュアDSDサウンド。

牧野 「出た! ブルーインパルス!!」
國枝 「これは音楽ではないけれど、この行為自体が評価されるべき録音ですよ。言ってみればジョン・ケージ的な存在」
――ジョン・ケージ的!?
國枝 「オノ セイゲンさんって、ハイレゾ界においても超重要なキーマンですよね。そのセイゲンさんがDSDにこだわる理由は、とにかくありのまま、イコライザーもリバーブも一切何も使わずに、そこで鳴っている音をそのまま録って、再現することができるから。要はマスターの音をそのままパッケージできるメディアだからなんです。実際、まだDSDにはPCMほどの自由度がないから、編集がしにくいという事情もあります。だから編集を重ねて組み立てていくよりも、屋外録音とか、そこにある音をざっくり切り取る方がやりやすい。今のところ、DSDには基本的に“録って出し”しかないわけです。そういった意味で、アーカイヴに向いていると言えるでしょう。このブルーインパルスの録音は、まさにそういったDSDの特性を活かしたもので、録ったまま、何の編集もせずに、速攻で3日後に配信した。その行為自体に大きな意味があると思います」
黒澤 「ほんとこれ、飛行機がゴーーーーーッて来て、ゴーーーーーッて去って行く、それだけなんです。子どもが近くで何かを言っている声とかも全部そのまま入ってて。でも、そういうことを真剣にやるんだっていうのが面白いですよね」
國枝 「そう、これを真剣にやるところがセイゲンさんのすごいところです。僕はこれ、ハイレゾ大賞だと思うね」
――そもそも、なぜブルーインパルスの音を録音することになったんですか?
黒澤 「国立競技場の取り壊し前の式典に、特別にブルーインパルスが出動すると聞き、こんな機会はなかなかない! ということで、セイゲンさんが録音することになったんです。その日を切り取ったという意味では、すごく有意義な記録ですよね。一日に何本もそこを通る列車の音を録るのとは違い、ブルーインパルスはその日にしか飛んでいないわけですから」
國枝 「これを録音しようと思い立ったセイゲンさんもそうですが、それに対応したe-onkyo musicのスタッフの皆さんも素晴らしいですよね」
黒澤 「以前にも、DSDではないですが、レコーディングの模様を収録からマスタリングまで完全生中継して、その日のうちにスピード配信するという企画をやったことがありましたが、パッケージ・メディアと違ってスピード感がありますよね。しかもハイレゾだから音も良い。今後もいろいろと、これまでになかった新しい企画を立てていきたいですね」
――すでにパッケージが発売されている音源をハイレゾ化するのではなく、最初から“DSDで録って配信でリリースする”という企画が今後もっと増えていくと面白いですよね。
國枝 「僕がベストに選んだ大野由美子の『Hello, Wendy!』も、「サウンド&レコーディング・マガジン」誌とe-onkyo musicの共同企画でしたよね。これは最初に聴いたときびっくりしました。一発録りですもんね」
牧野 「でも、DSDってまだ本当にタイトル数が少ないですよね。ハイレゾが話題になりはじめた頃はDSDをウリにしてたはずなんだけど、言うわりにソフトが出てない。この一年だって結局、有名アーティストのDSDとかは、ほとんど何もなかったんじゃないかなあ」
國枝 「坂本龍一の一連のアルバムのDSDは出ましたけど、海外ものが少ないですよね。海外のレコード会社の意向とか、許諾の問題が難しいのでしょう」
黒澤 「それもありますが、海外は日本に比べてDSDにあまり興味がないように思います。日本人がDSDに対して非常に熱心だと言うべきか」
國枝 「だからこそ、日本ではインディ・ミュージシャンがいきなりDSDで録音! なんて驚くべきこともあるわけで。そのへんがまた面白いですよね。だって今は、DSD録音ができるレコーダーがそこまで高価でなく、誰にでも入手できちゃいますから」
牧野 「へぇー、それはすごい時代になったもんだ」
國枝 「e-onkyo musicで、Drop'sという北海道の若手ガールズ・バンドのEPとアルバムが配信されているんですけど、なんとこれが全部DSDの5.6MHzなんですよ! 彼女たちはインディではないものの、まだあまり知られているグループではないですよね。そんなガールズ・バンドがいきなりDSD録音って、インパクトありますよ。その意気を買いたいなって思います」
牧野 「それは物珍しさもあって、興味が湧きますよね」
國枝 「ええ、それが今、ウリになるとも思うんですよ。DSDのソフトが少ない今、“DSD録音”というだけで飛びつくハイレゾ・ファンがいるでしょう、僕みたいな(笑)。DSDだったらジャンルも好みも関係なく、片っ端から全部聴いてみようという人が意外といるんじゃないかな。そういった層に向けて、Drop'sのような試みはすごく良いアピールになると思います」
黒澤 「e-onkyo musicでも今年、予想外の売り上げを記録したのは、やはりDSD関連でしたね。Drop'sもそうですが、まだそこまで有名ではない日本人ミュージシャンのDSD録音が、いきなりダウンロード・ランキングのトップに躍り出たことも何度かありました」
國枝 「DSD trioとか、Tokyo Cinema Jazz trioとかですね」
牧野 「ジャズといえば、CTIレーベルのカタログが一気にDSDで出ましたよね。去年の暮れだったかな」
國枝 「あれはDSDの2.8MHzでしたね。同じタイトルのリマスターがCDでも出てたけど、それと同じマスターによる音源ですか?」
黒澤 「いや、それが違うんですよ。同時発売のCD用のリマスタリングとは別に、このハイレゾ配信のために全部マスターテープから取り込み直したんです。しかも、一回は192kHzで取り込んで、もう一回まわして今度はDSDで取り込んで、というように」
國枝 「えーっ、192kHzとDSDを別々に取り込んでるんだ、すごい! てっきりCDと同じ音源だと思ってたから、そんなこと全然知らなかったよ!」
黒澤 「じつはすごい時間と手間がかかってるのに、全然伝わってなかったですね(涙)」
――では最後に、黒澤さんのベスト3を。
/ / / 黒澤 拓のベスト3 / / /


山中千尋 サムシン・ブルー・クインテット
『ライヴ・アット・ブルーノート東京』

 世界中で称賛を浴びる山中千尋が、自身初となる2管クインテット編成でツアーを敢行!その2014年9月東京公演の模様をDSD収録、DSD配信したe-onkyo music独占音源。

ミハイル・ウォルニー・トリオ
『Weltentraum』

 ドイツや北欧のジャズ・アーティストを中心に数々の名作を送り出してきたドイツの名門レーベル、ACTイチオシの新世代ピアニスト、ミハイル・ウォルニーのピアノトリオ作品。

ロバート・グラスパー・エクスペリメント
『Black Radio 2』

 ジャズやヒップホップを自在に融合したロバート・グラスパー・エクスペリメントの第2作。現代のジャズをネクストレベルへ引き上げる、今聴くべきジャズの筆頭株。

黒澤 「山中千尋の『ライヴ・アット・ブルーノート東京』はブルーノート・レーベルの作品になりますが、e-onkyo musicとTASCAMが協力してDSD録音したもので、配信のみでのリリースになります。こういった試みははじめてだったので、ひとつの道筋をつけることができたかなと」
――コンサートをDSDで録音して配信してくれるなんて、ファンには嬉しいですよね。
黒澤 「今はDSDって、それほど大がかりでないモバイル・レコーディングでも、十分に良く録れるんですよね。今後もっと増やしていきたいなと思います」
――ハイレゾ花盛りの楽しい2014年でしたが、来年はどんな年になるでしょうね。
國枝 「DSDの11.2MHzの配信というのは、どんな感じになっているのですか? 配信を開始したサイトもありますよね」
黒澤 「今まさに検討中です。じつはちょっと迷った部分もあったんですよね。最高の音質には違いないけれど、MHzの数字競争みたいになってしまっているところもあるし……」
國枝 「でも配信をスタートしたら注目を集めるし、ニュース性もある程度大切ですよね。そして何より、僕らの世代はスペックオタクじゃないですか。スペックが高ければ高いほど良いわけですよ。DSDの11.2MHzがすでに実用化されてるのに、5.6MHzまでしか聴けないっていうのはやっぱりねえ……あるんだったら聴かせろよって(笑)」
牧野 「上を上を求め続けて、キリがなくなっちゃう。ソフトをどんどんダウンロードしてると金銭感覚も麻痺してくるし。ハイレゾはいろいろ危険ですね」
國枝 「ハードもどんどんアップデートするから、どんどん買いたくなりますし」
牧野 「怖いコワイ……でも楽しい!」
取材・文 / 原 典子(2014年12月)
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