ブルックリン発ブリット・ポップを通って生み出された、AMAZING BABY独自のモダン・サイケデリア

アメイジング・ベイビー   2009/08/12掲載
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ブルックリン発ブリット・ポップを通って生み出された、AMAZING BABY独自のモダン・サイケデリア
 MGMTの世界的大ブレイクによって一躍注目を浴びた、NYブルックリン発のモダン・サイケ・ポップ・シーン。どうして今、サイケ・ポップなのか? その理由はよく分からないが、想像するに時代の閉塞感に対するアーティストからのオプティミスティックな反動であり、音楽的には数年前からアニマル・コレクティヴらが牽引したフリー・フォーク・ムーヴメントがあったからこそ、ブルックリンがモダン・サイケデリアの発信地となったのかもしれない。そんな動きの中から、ボーイ・クライシス、チェアリフトイェイセイヤーといったバンドが各方面で話題になりつつあるが、中でもポストMGMTとして、イギリスのメディアから熱視線を浴びているのが、最もブリティッシュ・ポップ色の強いアメイジング・ベイビー(AMAZING BABY)だ。デビュー・アルバム『リワイルド』をリリースし、フジロック・フェスティバル'09で初来日した彼らに話を訊いた。


――初来日でのライヴがフジロックだったわけですが、どうでした?
ウィリアム・ローン(vo) 「まず、ロケーションが素晴らしいよね。あんな大自然の中でのフェスなんて最高だよ。それに観客も素晴らしかった。まだ僕らのことを知っている人はそれほど多くはなかったと思うけど、とてもフレンドリーだったし、僕らの音楽を楽しんでくれたと思う。ほかのバンドはあまり観られなかったけど、ダイナソーJR.はすごかったな」
ロブ・“ドグ”・ラクソ(g) 「これまで行ったフェスでは、間違いなく最高の場所だよ。会場と観客のヴァイヴがとにかく最高だった。あれだけ大きなフェスなのにすべて上手くオーガナイズされてたし、会場もきれいだったしね」
――ウィリアムとサイモン(・オコナー/g)が携帯電話の着メロを作る会社で知り合ったのがバンド結成のきっかけだったそうですが、実際に着メロを作っていたんですか?
ウィリアム「それは事実なんだけど、本当はその前から音楽は作っていたし、お互いに知っていたんだ。そういうところで出会ったという方がエピソードとして面白いと思っただけでね」
ロブ 「あれは仕事としては最低だったよ。全然クリエイティヴじゃないからね。ヒット曲をエディットしたりするだけだから。ただ一所懸命に働かなくてもいいという意味では良い仕事だったかもしれないけど」





――まだ結成から1年半ほどですが、結成直後からMGMTやブロック・パーティーらと共演していますよね? もともとメンバーは演奏経験は豊かだったんですか?
マット・アベイセケア(ds)「メンバー全員、それ以前から別のバンドやプロジェクトでミュージシャン活動の経験があるんだ。僕が一番アマチュアかもしれないと思うくらいね。下積みという意識はないけど、みんな好きな音楽をそれぞれのバンドで楽しんでいて、お互いのバンドのライヴを観にいく友達だったんだよ」
ウィリアム「もともとみんなクリエイティヴな人間ばかりだったから、知り合って少しした頃からみんなと組んで音楽を一緒にやれば上手くいくんじゃないかって思ってたんだ。まずは友達として上手くやれることが、バンドとしては重要だろ?」
――このメンバーで始める時、どんなタイプのバンドにしようとか、ビジョンのようなものはあったんですか?
ウィリアム「いや、何もないよ。みんなそれぞれのアイディアをぶちまけて、そこから何が出来上がるか自然に任せただけなんだ。それがこのバンドのいいところだと思っているからね。メディア的にはブルックリンのサイケ・ポップとかって括られているけど、それは正確じゃないと思うし、決まったフォームとかサウンドにしようなんてことはまったく考えていないんだ。僕らはクリエイティヴィティに関して制限のないバンドなんだよ」
――とはいえ、MGMTをはじめとする他のブルックリンのバンドとあなたたちの音楽にはサイケ・ポップという共通性があるのは事実ですよね?
ウィリアム「みんな友達だし、一緒に同じような体験をしてきたのは事実だから、似たような影響を受けているからかもね。ただMGMTはサイケというよりニューウェイヴ的だと思うし、僕らとは違うよ。音楽の構成とかサウンドとかの重要な要素はね。僕らの方がもっとハードだと思うし、よりバンドっぽいと思うんだ」
――そういえば、ウィリアムは子供の頃ブラーの大ファンだったそうですが、ブリティッシュ・ポップ色が強いのは、そんなところにも理由があるんでしょうか?
ウィリアム「そうかもしれないね。ブラーは今でも大好きだよ。でも当時はアメリカのオルタナティヴ・ロックが全盛だったから、僕の周りには誰もファンがいなくて、ライヴを観にいく時、友達を誘っても相手にされなかったことを覚えているよ。ほかのメンバーも最初は全然理解してくれなかったけど、僕がしつこく聴かせているうちに好きになったみたい(笑)。やっぱり良い曲は理屈抜きでいいからね」



取材・文/保科好宏(2009年7月)
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