UKダンス/ソウル・シーンのブライテスト・ホープ、ベン・ウェストビーチ登場!

ベン・ウェストビーチ   2007/04/13掲載
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 クラブ・ジャズ・シーンにおいてDJとして大きな影響力を持つジャイルス・ピーターソンに才能を見出された新人アーティスト、ベン・ウェストビーチ。さまざまな音楽ジャンルからの影響を感じさせる彼に、デビュー作『Welcome To The Best Years Of Your Life』と、その音楽的ルーツについて語ってもらった。


 ポップ・グループマッシヴ・アタックポーティスヘッドロニ・サイズら、音楽史に残るアーティストを数多く輩出している英国はブリストルから、また新たな才能が登場した。世界的なジャズDJにして、元トーキング・ラウドのオーナー、ジャイルス・ピーターソンが新たに立ち上げたレーベル、ブラウンズウッド・レコーディングスの日本進出第一弾に選ばれたアーティストがベン・ウェストビーチだ。
「他の街だと、流行を追いかける側面があるのに対して、ブリストルは孤立したところがあって、自分たち独自のものを追求する傾向にあるよね。だから、オリジナルなものが生まれやすいんじゃないかな。あとは……みんなの飲んでる水が関係しているのかもね(笑)」



 チェロやピアノ、声楽を学ぶなど、クラシック音楽の教育を受けた彼は、その一方でドラムンベースやヒップホップに傾倒し、DJやトラック・メイクを行なうという本人いわく「分裂気味な」音楽生活を送った後、当時住んでいたロンドンからブリストルに移住。そこでロニ・サイズのフル・サイクル・クルーと交流を深め、本格的な音楽キャリアを歩むことになったという。
 「2年くらいかけて、4、5曲作ってはいたんだけど、むしろ、僕はラッパーのプロデュースやトラック・メイクに携わっていて、自分のアルバムを作ることにあまりこだわっていなかったんだ。そんな時にジャイルスと出会って、契約が決まったことで、本腰を入れてアルバムを作り始めたんだ。だから、このアルバムはありのままの作品だと思う。あまり考えすぎずに、これまでの人生……幼年期に起きたことや人間関係、23歳までの自分のフィーリングが込められているんだ」 

  ドラムンベースやヒップホップがルーツにある彼だが、その音楽性は実にしなやかだ。曲ごとにビート・アプローチを自在に変化させながら、メロディやサンプル・フレーズにジャズ、ソウル、ブラジリアンの要素をちりばめており、そのヴォーカルも柔らかで甘い耳触りだ。音楽的には、ギャングスタ・ラップ・グループのN.W.A.からエリック・サティディアンジェロからセックス・ピストルズチャーリー・パーカーからニルヴァーナまで、実に様々な音楽から影響を受けているという。そのファースト・アルバム『Welcome To The Best Years Of Your Life』では、様々な音楽要素を蒸留したような澄みきったソウル・ミュージックを展開、聴く者の心を潤してくれる。
「この数年間は仕事も金もなく、つるんでいた友達にしても必ずしも品行方正な連中ばかりではなかったから、音楽を作りながら、あちこちを泊まり歩くように5回引っ越したんだ。その間、銃で思いっきり顔を殴られて入院するはめにもなったんだけど、だからこそ、そういう状況を抜け出すためにも自分には音楽をやる必要があったし、そういう辛い経験を乗り越えるために、ハッピーな音楽を作ってきたんだ。だから、このアルバムは非常にパーソナルなものだね。ひょっとしたら、そういう辛い状況に置かれた方がいい音楽って作れるのかもしれないって思うけど、だとしたら、今のいい状況が反映された次のアルバムはひどい内容になるかもしれない(笑)。そうなったら、また自分を辛い状況に追い込んでみようかなって思ってるんだけどさ(笑)」

取材・文/小野田 雄(2007年4月)
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