“エレガントでキュート”――アコーディオンの魅力を前面に出したcobaのニュー・アルバム『僕のエレキュート』

coba(小林靖宏)   2008/12/18掲載
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 アコーディオニスト/作曲家のcobaが自身のレーベル“カルモラ・ボスコーネ”を立ち上げ、新作『僕のエレキュート』をリリースした。エレガントでキュートというアコーディオンの最大の魅力を前面に出しつつ、その奥にはさまざまな試みもちりばめられている。聴けば聴くほど“エレキュート”な世界観に引き込まれてしまう本作について話を訊いた。


 自らインターネットや書籍でイメージに合うイラストレーターを探し、「この人しかいない」と依頼したオオマエメグミによるイラストが放つ不思議な存在感。cobaの新作『僕のエレキュート』はセルフ・レーベル“カルモラ・ボスコーネ”の第1弾にふさわしく、ジャケットからして新鮮な印象を与える。
 「エレガントでキュート。“エレキュート”という造語のイメージです。いままでやってこなかったアコーディオンのキュートさを前面に押し出したいと思ったんですよ。それも、しっかりとキャラクターのあるものを」


 コンセプトを象徴するのがバスキア・ストリングス、セブ・ロックフォード(Polar Bear)が参加した2曲。ノスタルジックな雰囲気と浮遊感が渾然一体となる「初恋なのに人見知り」と、美しさの中にスリルが感じられる「綺麗は探求心」だ。
 「しばらく前からロンドンに行くたびにバスキア・ストリングスの噂を聞いていて、ライヴを観に行ったあとで話をしたら意気投合しました。クロノス・クァルテットの進化系、現代版というか、とんがっているんですよ。セブはいま、若手の中では最も忙しいドラマーで、バスキアともよく一緒に演奏しています」

 キャッチーでどこか哀愁漂うメロディが魅力的な「恋のbamboo disco」では持ち前のポップ・センスが光る。
 「今回、4つ打ちをやりたかったんです。90年代以降、グルーヴさえあれば上モノは何でもいいという傾向があって、でもダメな4つ打ちは無意味な垂れ流しなんですよね。退屈せずに、感性も刺激する4つ打ちを考えたときに行き着いたのが70年代のディスコでした」

 ガーシュウィンの「someone to watch over me」は優美な仕上がり。ストリングスとコーラス(cobaの多重録音)が描く夢見心地の世界で、アコーディオンが軽やかに舞う。
 「偉大な先人の名曲です。僕はジャズがフィールドではないですから、ジャズのアレンジではなく、自分のサウンドにしました。時間を止めてくれるストリングス、人間のにおいのするヴォーカル、僕の武器であるアコーディオン。その三つ巴のアレンジを考えついたんです」

 ところで近年、cobaは脳溢血の後遺症により左手だけで演奏しているクラシックのピアニスト、舘野泉の依頼を受けて「記憶樹」を作曲するなど、活動の幅を広げている。
 「僕は“believe in pop music”で、ポップ・ミュージックを自分のものとして制作し、パフォーマンスしたいというのがあります。同時に、それとは別のこともやりたいという欲求が昔からあったんです。ここのところ、クラシックの方々の間で“cobaって面白い曲を書いてくれるらしいよ”という話が広がっているようでリクエストをいただくのですが、とってもうれしいですね。自分が想像もしていなかった表現が生まれていくこともありますから」
 2009年2月には全国ツアーがスタートする。こちらではポップなcobaが全開するはずだ。



取材・文/浅羽 晃(2008年12月)



【全国ライヴ・ツアー“coba tour 2009 僕のエレキュート”】
2月3日(火)新潟・新潟LOTS
2月10日(火)長野・まつもと市民芸術館
2月13日(金)北海道・室蘭市市民会館
2月14日(土)北海道・Zepp Sapporo
2月17日(火)愛知・Zepp Nagoya
2月20日(金)宮城・仙台イズミティ21
2月21日(土)長野・NBSホール
2月22日(日)石川・金沢EIGHT HALL
2月27日(金)大阪・なんばHatch
2月28日(土)東京・恵比寿ガーデンホール
3月5日(木)福岡・ビルボードライブ福岡
3月6日(金)鹿児島・鹿児島CAPARVO HALL
3月7日(土)熊本・BATTLE-STAGE
3月8日(日)宮崎・WEATHER KING
3月13日(金)岡山・岡山ルネスホール
3月14日(土)香川・高松オリーブホール
3月15日(日)愛媛・松山Vivit Hall
3月17日(火)広島・広島CLUB QUATTRO
3月18日(水)福山・ふくやま芸術文化ホールリーデンローズ
※詳しくは、公式ホームページへ(http://www.coba-net.com/)。
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