デビュー10周年を迎えたCOILに敬意を表した、福耳のポップ・センス溢れるアルバムが登場!

福耳   2008/10/23掲載
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 杏子山崎まさよしスガ シカオCOILあらきゆうこ(mi-gu)元ちとせスキマスイッチ長澤知之秦 基博マイクロンスタフらが在籍する、オフィスオーガスタのオールスター・ユニット、福耳が初のオリジナル・アルバムを発表。『10th Anniversary Songs〜Tribute to COIL〜』と題された本作は、10周年を迎えたCOILをトリビュートした作品でもある。ポップ・センス溢れる12曲が収録された本作について、メンバーの杏子、山崎まさよし、岡本定義(COIL)の3人に話を訊いた。




 杏子、山崎まさよし、スガ シカオ、COIL、あらきゆうこ(mi-gu)、元ちとせ、スキマスイッチ、長澤知之、秦 基博、マイクロンスタフが在籍する音楽事務所、オフィスオーガスタ。彼らが一堂に会するスペシャル・ユニット、福耳の2年ぶりとなる、そして、初の新録であるアルバム『10th Anniversary Songs 〜Tribute to COIL』がリリースされる。本作はタイトルにある通り、デビュー10周年を迎えた岡本定義と佐藤洋介のポップ・ユニット、COILのトリビュート・アルバムとなっており、COILがプロデュースしたシングル「DANCE BABY DANCE/夏はこれからだ!」のほか、参加アーティストによるCOILのカヴァー曲など計12曲が収録されている。
 「COILが初めて事務所に来たとき、というか、まだCOILになる前の岡本定義デモ・テープっていうのを2本、事務所の社長がもらってきて、“すごいんだよ、コイツ”って言ってたんですね。で、私は8曲ずつくらい入っているデモ・テープに“α”と“β”ってタイトルを勝手に付けて聴いていたんですけど、その内容は“この曲もその曲も歌いたい”ってもので。それ以来、COILには曲を提供してもらうようになったんです」 (杏子)
 「彼らはデジタル・レコーディングが主流になっていく時代にアナログ・レコーディングにこだわったり、趣味をそのままトラックに落とし込めているっていう部分で、ある種、僕と同じようなことをやってて、変な話ですけど、当初は嫉妬みたいな感情がありましたね。括りみたいなものがなく自由に音楽を作っていたし、プロデューサー、コンポーザーとしても魅力的ですよね」 (山崎まさよし)

 シングル「天才ヴァガボンド」でデビューを果たしたCOIL。最新セルフ・カヴァー・ミニ・アルバム『ギャルソン』ほか6枚のオリジナル・アルバムをリリースしてきた彼らは、ソングライティングからトラック・ダウンまですべてをユニット内で完結できる体制のもと、ねじれたポップ・センスを遺憾なく発揮したオリジナル曲から元ちとせのシングル「あなたがここにいてほしい/ミヨリの森」といった王道のヒット・チューンまで、多角的な音楽活動を柔軟に行なってきた。
 「サダくん(岡本定義)って、建築を勉強した経験があるからかもしれないんだけど、すべてにおいて立体的で緻密、(佐藤)洋介はそれを破壊しつつ、設計図を組み立てるっていうすごい組み合わせの2人なんです」 (杏子)

 そう語る杏子は2005年のAugusta Camp Special in OKINAWAで歌った思い出の曲「アホアホ・ベイビー」を元ちとせと一緒に、山崎まさよしはCOILのホーム・レコーディング・マナーに則って「これでいいのだ/それでいいのか?」を完全コピーで、それぞれカヴァー。そのほかにもスガ シカオがエレクトロ・アレンジで「Loveless」を取り上げているほか、秦 基博とスキマスイッチの大橋卓弥、元ちとせとスキマスイッチの常田真太郎のスペシャル・ユニットなど、参加アーティストのカヴァー曲にはCOILに対する敬意と愛情がじわりと滲んでいる。そんな話を照れくさそうに聞いていたCOILの岡本定義は、COILで歩んできた道のりを振り返りつつ、音楽に向き合う気持ちを新たにしている。
 「初期は音楽が好きな2人が集まって、お金はないけど、時間はあるから何か作ろうかっていうところで、2人だけで完結するしかないし、持っていた機材と言えば、中古のアナログ8トラック(レコーダー)だけだったんで、そういう限られたなかで遊べるだけ遊ぶ自由を感じていたんです。それが楽しかったし、8トラックに何を入れるかっていうところでアレンジ力が鍛えられたのかもしれない。と同時にトラックに込められた楽しい空気が人に伝わっていくし、10年経って、プロ・ツゥールスを使うようになりましたけど、自分たちの活動を振り返ったとき、そういう基本的なところに音楽の魅力があるってことを再認識させられましたし、いい音楽を作らなきゃなって気持ちは今も昔も変わらないですね」 (岡本定義)



取材・文/小野田 雄(2008年9月)
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