異形の楽園“シャンバラ”をテーマに三部作を発表!Joseph Nothingが語る!

ジョセフ・ナッシング   2007/07/13掲載
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 4年ぶりとなる新作は、人知れず存在する桃源郷/理想郷としてチベット密教で信じられている“シャンバラ”がテーマ!“異形の世界”をポップにそしてキャッチーに翻訳するコンピュータ・エイジのシャーマン、ジョセフ・ナッシング(Joseph Nothing)に“シャンバラ三部作”の序章『Shambhala Number One』(写真右)について語ってもらった――。


 ダンス・ミュージックにしてはメロディアスで、ポップスにしてはアブストラクトというマージナルな作風でエレクトロニック・ミュージックの枠を越え、一(いち)音楽家として美しくもユニークな作品世界が支持を集めてきたジョセフ・ナッシング。前作『Deadland After Dreamland』を発表後、イルリメのアルバム『ilreme.com』のアレンジ、HER SPACE HOLIDAYのマーク・ビアンキとpianaとともに結成したTHE HEARTBREAK MOMENTでの活動、はたまたオムニバス映画『ユメ十夜』の音楽を担当するなど、課外活動が続いていた彼が、4年ぶりの新作『Shambhala Number One』を完成させた。
「作品は日常的に作っているので、ヴォリューム的にはすでに3枚分くらいのトラックが出来ていたんですけど、世間的にエレクトロニカのトレンドがあったので、そういう盛り上がりが落ち着いたときに出そうかなって思っていたら、4年経っちゃいました(笑)。僕自身、カテゴリーを意識することなく自分流でやってきたし、パソコンはたしかに使っていますけど、エレクトロニカっていうよりは、一人でバンドをやっているような、オーケストラをやっているような感覚で作品を作ってきたので、周りのいわゆるコンピュータ・ヘッドとは一線を引きたかったし、離れたところからお祭りの喧噪(けんそう)を聞くような感じで、そのブームを眺めてました(笑)」



photo by aya takano

 その間に彼の作風を継承する若手トラック・メイカー、DE DE MOUSEが若いリスナーの支持を集めるなど、音楽シーンは大きな変化を迎えつつあるが、マイ・ペースかつ独自に我が道を極める彼は、チベット密教に伝わる異形の楽園“シャンバラ”をテーマにした三部作の第1弾に着手。その不可思議なイメージは、ゆったりしたテンポのビートとオーケストラほかのサンプルやシンセサイザーの美しいレイヤーが浮遊するエキゾチックなサウンドスケープに結実している。
「前作では実家の近所にある遊園地が朽ち果てていく様をテーマにしたんですけど、アルバムを作るうえでは何かしらのテーマが欲しくて。そんな時、アートワークを担当してくれた(カイカイキキの)タカノ綾ちゃんが“シャンバラ”の本を貸してくれて、それを読んだら、ニューエイジっぽい“シャンバラ”観ではなく、自分流のイメージを出したいと思うようになったんです。今って、科学で立証されないと認められない世の中になっていますけど、そこから外れるもの、解明されていないものも世の中にはたしかに存在していると思うんですね。だから、そういうものにインスパイアされて、音楽を作るのは面白いなと思いますね」

 論理性や技術、それこそあふれんばかりのモノや情報で余白が埋め尽くされつつある現代において、音楽の形而上的側面を強く信じ、ポップな夢を見続ける彼の頭の中では目くるめくストーリーが現在も進行中だ。
「エレクトロニック・ミュージックって、もともと機材に入ってる音色を使っちゃうと個性が分かりにくくなってしまうので、僕は、サンプラーやパソコンを使って、ある程度、自分のサウンドを作ってしまっていて。それを立ち上げたら、自分のサウンドを出せるようになっているんです。例えば、よく使うオーケストラのサウンドは、10年くらいかけて集めた素材があるし、そこで何を描くのか。僕は幼少の頃、長く香港に住んでいたせいか、朽ち果てた風景が好きなんですね。だから、先日も廃墟に行ってフィールド・レコーディングしていたんですけど、今回の3部作はここから先、そういう音も使って、 がらっと変わった作品になっていくので、楽しみにしていてください」

取材・文 小野田 雄(2007年6月)
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