稀代のポップス・クリエイターが本格復帰! MAMALAID RAGがニュー・アルバムとベスト・アルバムを同時発売!

MAMALAID RAG   2010/04/06掲載
はてなブックマークに追加
稀代のポップス・クリエイターが本格復帰! MAMALAID RAGがニュー・アルバムとベスト・アルバムを同時発売!
 現在は田中拡邦の“ひとりバンド”となっているMAMALAID RAGから、4年ぶりとなるニュー・アルバム『SPRING MIST』が届けられた。精神的、肉体的な危機を乗り越えて制作された本作には、軽やかでヌケのいい、まさに極上と呼ぶにふさわしいポップ・ミュージックが息づいている。ベスト・アルバム『the essential MAMALAID RAG』も同時リリース。稀代のポップス・クリエイターの本格的な復帰を心から喜びたい。


――2009年の春にシングル(「オフェリア」「空に飛ぶ想い」「すてきなダンス」)を続けてリリースしたときは「夏にはアルバムを出したい」とおっしゃってましたよね。
田中拡邦(以下、同) 「そうですね。あれからまた、引きこもっちゃったんですよね。どういう曲を作ろうかなって悩んじゃって。3枚のシングルが気に入らなくなっちゃって、もうちょっとヌケのいいものが作りたくなったのもあったし」
――すべてリセットする、と。
 「体調も良くなかったんですよ。そうやって行き詰まって、落ち込んでるときに加藤(和彦)さんが亡くなったっていうニュースを聞いて、それが僕にとってはものすごいショックだったんですよね。人間って波で生きてると思うんですけど、そのいちばん下のところまで行ったというか。そこで一念発起して、断食をやりまして」
――どういう種類の断食なんですか?
 「マクロビオティックの7号食というやつで、基本的には玄米しか食べないんです。あとは1日にコップ1杯の番茶。それを1週間から10日続けるっていう。精神的にも肉体的にもぜんぶ出し切ってしまうってことですよね」
――効果はどうでした?
 「もうナチュラルハイになっちゃって。視界はクリアになるし、何をやっても楽しいんですよね。とにかく音楽をやりたいっていう気持ちが溢れていて、次の日から16日間、毎日1曲ずつ仕上げていったんです。今まででいちばん楽しかったですね。お金のためにでもないし、何のためでもない。今、音楽をやりたいからやるっていう。あと、あんまり細かいことを気にしなくなったんですよ。自分の作った楽曲がとても心地よく聴こえて、そのことによってさらに創作意欲が湧いてきて」
――なるほど。今回のアルバム『SPRING MIST』は確かに、非常にヌケがいいバンド・サウンドに仕上がってますよね。全体的な方向性はどんなものだったんですか?
 「あんまりそういうことを考えなかったかな。ただ、これまでの経験――これはベスト盤(『the essential MAMALAID RAG』 / 左写真)のことにもつながってくるんですけど――20代でやってきたことだったり、そこで得たノウハウを活かせることはわかっていたので。いま言われたように、密室感、パーソナル感を消しつつ、いかに普遍的なものを作るかっていうところですよね」
――パーソナルな部分はないほうがいい?
 「パーソナルな作品っていうのは、芸術家はいつでもできるんですよね。どうしてもパーソナルな部分は入ってきてしまうし、それをいかに大衆的なものにするか、商品化するかというのが、ロックとかポップスであると思うので。ママラグはマニアックなことをやろうとしているバンドではないですからね」
――そうですよね。『SPRING MIST』というタイトルについては?
 「ふと“春霧”っていう言葉が浮かびまして。裏の意味としては『春雨道中』という最初のミニ・アルバム、もっといえば1stアルバム(『MAMALAID RAG』)を超えるものを作りたいっていう気持ちもあったんですよね。春雨に対して春霧っていうのもおもしろいな、と」



――名盤と言われている1stですが、田中さんにとっても大きい存在なんですか?
 「若いときの勢い、ものすごい気合いで作ってるものなので。とにかく思いが通じてるし、あとはメンバーですよね。腐りかけがいちばん美味しいなんて言いますけど(笑)、バンドが崩壊する直前に作ったから演奏もすごくノリがいい。人の問題は大きいですよ。今はひとりですから」
――それでもMAMALAID RAGという名前、バンドという形にこだわり続ける、と。
 「これはいろんなところで言ってるんですけど、最初のドラムの山田君がやめたときに、何の違和感もなく僕と江口はMAMALAID RAGを名乗ったんですよ。ということは、その後、江口が抜けてもMAMALAID RAGでないとおかしいと思うんですよね。つまりママラグは誰のものでもなくて、ただのコミュニティ、入れ物なんです。今は僕だけがメンバーということですね。僕も脱退するかもしれないし」
――(笑)いやいや、もっと続いてもらわないと。
 「今年はアルバム1枚とは言わず、リリースを続けるつもりです。もう次の作品を作り始めているし、レーベル・オーナーとしてもいろいろ予定があるので」
――レーベル・オーナーとしての立場って、どうですか?
 「商才はなさそうですけどね。オーナーとしては“予算を抑えろ”って思うんだけど、どうしてもミュージシャンとしての自分が勝ってしまって、つい機材を購入してしまったり。なかなか大変ですね(笑)」
取材・文/森朋之(2010年3月)


<SPRING MIST TOUR 2010>
●日時:5月7日
●会場:大阪・RUIDO
●時間:開場18:30 / 開演19:30

●日時:5月14日
●会場:東京・下北沢GARDEN
●時間:開場18:30 / 開演19:30

●日時:5月22日(土)
●会場:佐賀GEILS
●時間:開場18:30 / 開演19:00

●日時:5月23日
●会場:福岡ROOMS
●時間:17時30分 / 18時30分

※全会場共通料金:全席自由 税込4000円(ドリンク代別)
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[特集] Sony Park展「音楽は旅だ」「カンタビレIN THE PARK」レポート 奥田民生[特集] クラウン時代のラスト・アルバム(鈴木茂コスモス’51リミックス発売記念ライブ)白熱のライヴ・レポート、鈴木茂
[インタビュー] 千住真理子、音楽は時空を超えて旅をする 新作はヴァイオリンで歌う世界のメロディ[インタビュー] ユーミン、じゃがたら、『みんなのうた』…、新作は原曲と違う風景が見えるカヴァー集 KERA
[インタビュー] 宮本笑里×DAITA 恐竜科学博の壮大なテーマ曲で実現した、異なる弦楽器のコラボレーション[インタビュー] 架空の映画のサウンドトラックというコンセプト・アルバムを発表したKaede
[インタビュー] 大井 健 コロナ被害からの再起 / みずからの新たな挑戦から生まれたクラシック・アルバム[インタビュー] マチュー・ボガート  パリからロンドンに拠点を移し、“新しい絵の具”を使って作られた英詞アルバム
[インタビュー] 人気女性ピアノYouTuberが“天空”にまつわる楽曲を弾いた煌めきの新作 朝香智子[インタビュー] デビュー35周年の豪華シングル 西方裕之
[インタビュー] 小松亮太 アストル・ピアソラ生誕100周年を記念して「バンドネオン協奏曲」のライヴ録音をリリース[インタビュー] パット・メセニー 新作はクラシック! 室内楽作曲家デビューを果たした『Road to the Sun』
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015