ダイナミックかつライヴ感あふれる、SUEMITSU & THE SUEMITH の2ndアルバム

末光篤   2008/03/27掲載
はてなブックマークに追加
ダイナミックかつライヴ感あふれる、SUEMITSU & THE SUEMITH の2ndアルバム
 独創的なプレイ・スタイルとキャッチーなメロディ・センスで注目を集めるピアノ・マン、末光篤のプロジェクト、SUEMITSU & THE SUEMITHがメジャー2ndアルバム『Shock On The Piano』を発表! ここ最近のライヴでバックを務めてきた鈴木俊介(g)、ミト(b)、柏倉隆史(ds)といった腕利きのミュージシャンとともに多くの楽曲を練りあげた末に生まれた今作は、まるで音符の連なりが五線譜の上で楽しげにモッシュを繰り広げているかのような、ダイナミックかつライヴ感あふれる作品に仕上がった。


 そのセンセーショナルなデビュー以来、アグレッシヴなピアノ・ロック・スタイルと抜群のソングライティングのセンスによりシーンに独自の存在感を示してきたSUEMITSU & THE SUEMITHの次なる衝撃。ショック療法ならぬ『Shock On The Piano』は2枚目のフル・アルバムとなる。

 「これまでは完全に僕がプロデューサーの立場に立ってというのが強かったんですけれど、ライヴの機会が増えて、バンドでプレイしている感覚を意識するようになりました。それで今作はもっとライヴ感を色濃く出したいなと思ったんです。レコーディングもよりバンドっぽい感じになって、みんなでセッションしてアイディアを出し合いながらアレンジが生まれてくることが多くなったと思いますね」

 
 クラムボンのミトによるベース、木村カエラなど多くのアーティストをサポートするtoeの柏倉隆史のドラム、そしてアレンジャーとしても幅広い活動を続けるギタリスト鈴木俊介という、ひと癖もふた癖もあるメンバーについて、「強烈に個性が強くて一発聴いたら誰がプレイしているかすぐにわかるくらいプレイヤー気質が強いから、いい意味でこちらのイメージ通りにはならない。だから僕のピアノもその隙間を縫って入っていく。そこが魅力的ですね」と語るが、そんな猛者が集結した現在のSUEMITSU & THE SUEMITHのバンドとしての充実ぶりが確かに感じられる内容となっている。





 豪快な疾走感と、端正なソングクラフトの振幅のなかで際だつのが、シングルとしてリリースされた「Boyz, Boy Don't Cry」にも顕著な、瑞々しい世界を描き出す少年性だ。若さゆえの葛藤、広い世界を臨む冒険心といったものは、前作に続き参加した、いしわたり淳治が手掛けるリリックや、青春映画を思わせるストーリーを持つ「Spellbound」にも色濃く現れている。

 「映画『フットルース』とかそういう世界が好きなんですよ。それで〈Boyz, Boy Don't Cry〉でも、プロム・パーティーみたいなビデオを作ったんです。(自らの楽曲にある少年性について)時々言われたりしますけれど、そんなに考えたことはないですね(笑)。自分の歌詞についてはピアノのフレーズから考えてみたりすることもあるのですが、でも歌詞の節々にそうした要素が自然と入ってくるので、もともと、そういった世界に対する憧れのようなものは、僕のなかにあるんだと思いますね」

 出自となるクラシカルなスキルはもちろん、ソフト・ロック、モータウン、モッズ……芳醇な音楽的知識をもとにキラキラとしたジュブナイルのような楽曲を生み出していく。『京平ディスコナイト〜筒美京平リミックス〜』に参加するなど、彼はダイナミックなプレイヤーであると同時に、筒美京平、そして小西康陽から連なる、ジャパニーズ・ポップの作家性の復権に値する、というのは言い過ぎだろうか。

 「みなさんいろんな音楽を聴かれて、それでいいと思った箇所があるとそこから膨らませていって、たくさんの要素をひとつの楽曲のなかに凝縮させていく。そういった感じは僕のなかにもあって、そういう意味では似ているのかなと思ったりします」


取材・文/駒井憲嗣(2008年3月)





【SUEMITSU & THE SUEMITHツアー情報】


公演日:2008/4/12
会場:大阪 なんばHatch
開場:17:00 開演:18:00
税込4,800円(ドリンク別)
※3歳以上有料
問い合わせ先:キョードー大阪 / 06-7732-8888

公演日:2008/4/13
会場:愛知 名古屋ダイアモンドホール
開場:16:00 開演:17:00
税込4,800円(ドリンク別)
※3歳以上有料
問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション / 052-320-9100

公演日:2008/4/21
会場:東京 赤坂BLIZ
開場:18:30 開演:19:30
税込4,800円(ドリンク別)
※3歳以上有料
問い合わせ先:ホットスタッフ / 03-5720-9999
最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[特集] ドキュメンタリー作品『ザ・ビートルズ:Get Back』を観た![インタビュー] ILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB)、dj hondaとのジョイント・フルアルバムを発表
[特集] スティング、「僕らには架け橋が必要なんだ」新作『ザ・ブリッジ』を本人のコメントとともに徹底解説[インタビュー] 藤木大地、日本が世界に誇るカウンターテナーが舞台をもとにした新作アルバムを発表
[インタビュー] “ひねくれポップの大団円”がつぽんず、初の全国流通版[インタビュー] カーネーション、4年ぶり通算18枚目のアルバム
[インタビュー] 在ノルウェーのピアニストがECMからの初リーダー作で聞かせる“静寂の美”、田中鮎美[特集] ストーンズたらしめる音楽を磨き上げた傑作の40周年記念エディションを聴く
[インタビュー] ももすももす、ドラマ『どうせもう逃げられない』主題歌「サーモクライン」を発表[インタビュー] ちゃんみな、集大成ともいえる3rdフル・アルバム その名も『ハレンチ』
[特集] ザ・ビートルズ『レット・イット・ビー』 ビートルズ最後のアルバムを貴重音源満載のスペシャル・エディションで味わいつくす[インタビュー] 荘村清志 30〜40年ぶりに弾き、その魅力に引き込まれたアルベニスの作品集に込められた思い
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015