日本ハワイ化計画、継続中! 関口和之がお届けする口笛とウクレレの素敵なハーモニー

関口和之   2008/04/30掲載
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 サザンオールスターズでの活動と併行して、ウクレレ奏者として作品を発表したり、ハワイ関連の著作を発表するなど、 “日本ハワイ化計画”をのんびりと継続させてきた、“キャプテン・ムック”こと関口和之。 そんな彼が口笛とウクレレによるデュエット・アルバム『口笛とウクレレ2』を発表。盟友にして名口笛奏者でもある竹中直人に加え、“口笛世界チャンピオン”の分山貴美子も参加した、温かくも、ほどよくユルい今作について、ムックさんに話を訊きました。


──『ウクレレと口笛』の第2弾が7年半の時を経てついに完成しました。

関口 「“次はこういう曲をやりたい”っていうアイディアを竹中直人さんから、いただいたりしていて。それと同時に、周囲からも“また聴きたい”という声が挙がっていたので、常に機会を狙っていたところはあったんですね」


──竹中さんと一緒に、ウクレレと口笛を中心にしたアルバムを作ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
関口 「『無能の人』という映画のサントラで、竹中さんが口笛を吹いてる曲が1曲入ってるんですが、それを聴いてすごく良いなと思ったんです。ちょうどその頃、僕は『ウクレレ・ラヴ』って本を作っていたんですけど、その本の取材で竹中さんに会いに行ったら、“ウクレレと口笛のアルバムって面白いですよね”って話になって。それから実現するまでに3年掛っちゃいましたけど」

──では、構想3年という……。

関口 「まあ僕は性格的にのんびりしてるんで、どんな企画でも、だいたい3年ぐらいかかっちゃうんですけど(笑)」

──実際、共演されてみて、口笛奏者としての竹中さんはいかがでしたか?

関口 「竹中さんの口笛って音色がすごくいいんですよ。男の哀愁みたいなものを感じさせるというか」


──一方、第2弾となる今作には2007年の口笛世界チャンピオン、分山貴美子さんも参加されています。

関口 「関口和之&砂山オールスターズ名義で2001年にサザンオールスターズのカヴァー・アルバム(『World Hits!? of Southern All Stars』)を出したときに、日本口笛連盟の会長を務めている、通称“口笛おじさん”という方に1曲参加してもらったんですが、そのときに口笛仲間として一緒にスタジオに来たのが彼女だったんですね。譜面も読めるし、口笛で3オクターブ出るし、この人はすごいぞと。それ以来のお付き合いになりますね」

──第2弾では選曲のヴァリエーションも、すごく広がっていますね。

関口 「たとえば〈カーマは気まぐれ〉とか、あの曲はもっと、お気楽な曲なんじゃないかと思っていたんですね。それでレゲエのリズムにして、ほのぼのとした感じにしてみたり」

──個人的には『ぼくの伯父さん』(※ジャック・タチ主演のフランス映画)のカヴァーも、軽妙洒脱なメロディが、口笛とウクレレの音色にすごくハマっているなと思いました。

関口 「あの曲は竹中さんからのアイディアなんです。撮影の合間に、甲斐甲斐しく働いてるスタッフを見ながら、あのメロディを口笛で吹いているようですよ」





──レコーディング中に何か面白いエピソードはありましたか?

関口ローリング・ストーンズの〈アズ・ティアーズ・ゴーバイ〉は、“公園で子供が遊んでるのを見ている男”といった内容の歌詞なんで、実際、公園でライヴ・レコーディングをしたんですね。でも、あまりにも寒くて途中から指が動かなくなっちゃって(笑)」

──そんな背景を感じさせない温かみのある楽曲に仕上がっていると思います(笑)。ところで、斎藤誠さん、青柳拓次さん、YANAGIMANさん、栗原正己さん、鴨宮諒さん、小倉博和さんと、今作には複数のアレンジャーが参加していますが、アレンジを決めるにあたって、どんなことを話し合ったんですか?

関口 「ウクレレと口笛のアンサンブルを活かすために、低音と中音をどんな音で埋めていくかを話し合って……それ以外は割と自由に(笑)。こういう企画だから、やるほうが楽しんでやったほうがいいなって。また、そういう気分がリスナーに伝わらないといけないとも思いますし」

──今回のアルバムはどんなシチュエーションで聴いたらハマると思いますか?

関口 「料理をしながらとか、日常の中で楽しんでもらえれば。音楽が生活に寄り添うというか。そういう感じで聴いてもらえるといいですね。」

──逆に、すごく忙しいときに聴いても、いい感じで心が和むような気がします。

関口 「ユルすぎて聴く人の勤労意欲を低下させる可能性もありますよね(笑)。日本のGNP(国民総生産)を下げちゃう音楽なんじゃないかって(笑)」



取材・文/望月 哲(2008年3月)





メロディとコードを組み合わせて弾くウクレレ・ソロ・スタイルはオータサンが開拓したテクニックですが、OHTA-SANが真に求めていたのはいわゆるトラディショナルなウクレレ・スタイルを超越した、洗練されたサウンドだったことがこのアルバムでよくわかります。クイ・リー作曲のタイトル曲が最高。




カアウ・クレーター・ボーイズの衝撃的なデビューはジェイク・シマブクロをはじめとするハワイの若者たちに大きな影響を与えました。トロイ・フェルナンデスはソロ・アルバムで、その革新的なウクレレ・テクニックを余すことなく披露しています。




ウクレレのお茶目な魅力を活かしたサウンド作りが素晴らしい。リコーダーとの相性もバッチリです。大ヒット・チューン(?)「ダースベーダーのテーマ」だけでなく、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」やディープ・パープルの「ハイウエイ・スター」も必聴です。



 
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