おおはた雄一   2008/08/26掲載
はてなブックマークに追加





 おおはたくんには、ぽつんとしている印象がある。ぽつんとしているにはちゃんと立っていなくてはならない。そうじゃないと、風に飛ばされていってしまうから。おおはたくんはちゃんと立っているから、風のような印象がある。

 今年の春、おおはたくんのコンサートにゲスト出演した。スタジオで一緒にリハーサルをしたとき、おおはたくんは、ぼくの声の大きさに驚いていた。おおはたくんはつぶやくように歌う。今回のアルバムはニューヨーク録音だそうだが、つぶやくように歌う人に国境は関係ないだろう。

 おおはたくんはギターのような人だ。部屋に立てかけてあるギターのように、無言で何かを語りかけてくる。その静けさを聞きたくなったとき、ぼくはまたおおはたくんのCDをかけるだろう。そこには国などのない、夜の世界が見えるから。



友部正人/Profile】

1950年生まれ。1972年、アルバム『大阪にやってきた』でデビュー。シンガー・ソングライターとして活動する一方、詩人、エッセイストとしても多数の著作を発表。原田郁子、峯田和伸(銀杏BOYZ)、YO-KINGなど多くの若手アーティストからもリスペクトされている。最新アルバムは『歯車とスモークド・サーモン』(2008年)。

■オフィシャル・サイト : http://www5a.biglobe.ne.jp/~hanao/tm-index.htm





 おおはたさんの歌声の心地よさとギターの響きにひたっていると、高校生の頃に戻ったような気分にさせられる。 
 70年代だろうが、2000年代だろうが関係ないけど、まどろむ午後のギターの音色……なにものにもかえがたい変わらぬ時間のなかにずっといられる。




佐野史郎/Profile】

1955年、島根県生まれ。1975年に劇団員として俳優デビューを果たして以降、幅広いジャンルで活躍。1992年放映のTVドラマ『ずっとあなたが好きだった』でマザコン男“冬彦”を怪演、一躍注目を集める。最近の主な出演作に『チーム・バチスタの栄光』(2008年)、『20世紀少年』(2008年)などがある。

■オフィシャル・サイト : http://www.kisseido.co.jp/





  1曲目「スターシップ」のはじめの3秒間で、“あ、好き!”と鼓動がいっしょにリズムを刻み始めました。ほんとうは聴きながら、ご飯を作ろうと思っていたけど、ステレオの前にかじりつきになりました……そしたら気持ちよく満腹になりました。満腹になったら、このアルバムと一緒に旅に出たくなりました。弾けないギターを背負って、線路の上を歩きたい。


コトリンゴ/Profile】

1978年生まれ。2006年3月坂本龍一ナビゲーターを務めるJ-WAVE『RADIO SAKAMOTO』のオーディション・コーナーにて、のちに2ndシングルとなる「にちよ待ち」がオンエアされ注目を集める。2006年11月シングル「こんにちは またあした」でデビュー。2008年9月10日に2ndアルバム『SWEET NEST』を発表。

■オフィシャル・サイト : http://www.10do.jp/kotringo/





 おおはたさんの曲を聴いているとどうしてこんなに身体からスッと力が抜けていくんだろう。ライヴにいくと答えがわかるような瞬間がある。

 肩に力をいれず、ただギターとじゃれ合いながらおしゃべりするように音を生み出す、おおはたさん。

 時には騒いで、時には囁いて……。
あぁ、心地いい。

 そして、かかとをあげてつま先でリズムをとる姿を見たら、もう虜。 そこにはただ笑顔の私がいます。




永田 琴/Profile】

映画監督。1971年生まれ。大学卒業後、映像制作に興味を持ち、岩井俊二監督作品をはじめ、多数の映画、TVドラマ、PV、CFで制作、助監督を務める。その後ディレクターとして企画・演出を始める。2004年、4つのストーリーからなる映画『恋文日和』の一篇「イカルスの恋人たち」を手掛けた後、2006年『渋谷区円山町』で長篇監督デビュー。『Little DJ〜小さな恋の物語〜』は長編2作目となる。





 おおはたくんは、何についてだって歌えるんだと思う。電球が切れてること、誰かが転んだこと、今日のカレーの煮え具合についてだって。歌えることに限りはないんだ、っていつも、その存在に教えてもらう。

 だから「おお雨」としておおはたくんと歌うのは、いつだって楽しい。公園に遊びに行くような感じ。自分ちで何があっても、そこにいけば、一緒に歌って空に放てる人がいる。

 おおはたくんは、おじいちゃんになっても歌ってるであろう人、ナンバーワン! たまに、もうすでにおじいちゃんみたいなところも大好きだ!



坂本美雨/Profile】

1980年生まれ。1997年1月、Ryuichi Sakamoto featuring Sister M名義でデビュー。1999年、本名で本格的に音楽活動を開始。現在、音楽活動に加え、連載や映画評などの執筆、翻訳、ジュエリー・ブランド「aquadrops」のプロデュースなど創作の幅を拡げ、日本/NYを行き来しながら猫と一緒に音楽漬けの生活をしている。おおはた雄一とのユニット"おお雨"としても活動を展開中。11月には待望のニュー・アルバムを発表予定。12月には東名阪を廻るワンマン・ツアーも。

■オフィシャル・サイト : http://www.miuskmt.com/


※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 「私が歌う意味」 自らが選曲したディズニー・ソングで歌手デビュー 檀れい[インタビュー] 突如あらわれた驚異の才能! 10代の集大成となる1stフル・アルバム Meg Bonus
[特集] 嘘の本屋 リアル異変探しゲーム「嘘の本屋」[インタビュー] TSUMUZI 5拍子の魅力に取りつかれた男の新作は、これまでのリズム研究の集大成
[インタビュー] みやけん×ヒビキpiano 「二刀流」vs 「超テクニック」人気のピアノ男子対談![インタビュー] 佐野元春 自身の名曲群を“再定義”した 最新アルバム『HAYABUSA JET I』
[インタビュー] ヒロイックニューシネマ “誰かのヒーローになる” 新体制となって初の全国流通アルバム完成[インタビュー] エクスペリメンタルHip HopユニットDry Echoes 4年ぶりとなる2ndアルバム完成
[インタビュー] 三浦文彰 清水和音 『ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全集』を発表 全曲演奏会の最終回を東京と大阪で開催[インタビュー] のん (映画『私にふさわしいホテル』)
[インタビュー] 角野隼斗 イメージ・キャラクターを務める「ベスト・クラシック100極」のコンピレーション・アルバムを選曲・監修[インタビュー] 色々な十字架 話題の“90年代ヴィジュアル系リヴァイヴァル”バンド 待望のセカンド・アルバムをリリース
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015