BABYMETALが6月9日(現地時間)、イギリス・ダービーのドニントン・パーク・サーキットで開催された音楽ロック・フェスティバル〈ダウンロード・フェスティバル・UK 2018〉に2年ぶり3度目の出演を果たし、洗練された圧倒的なパフォーマンスを披露。会場に詰めかけた多くの観客を魅了しました。
ガンズ・アンド・ローゼズや
オジー・オズボーン、
アヴェンジド・セヴンフォールドに
マリリン・マンソンなど数多くの実力派アーティストが集うなか、2ndステージのへッドライナー前にBABYMETALが登場。会場を埋め尽くす満員のオーディエンスの前で、新曲「IN THE NAME OF」を皮切りに、代表曲の「メギツネ」「ギミチョコ!!」などを立て続けに披露。5月に発表されたばかりの新曲「Distortion」ではコール&レスポンスやモッシュが発生し、ラスト・ナンバー「Road of Resistance」ではあちこちで大きなサークルピットができるなど、久しぶりのイギリスでのパフォーマンスを待ちわびていたオーディエンスは興奮の坩堝と化しました。
このステージをもって〈WORLD TOUR 2018〉のヨーロッパ編が終了し、次はいよいよ日本へ凱旋となるBABYMETAL。日本公演は10月23日、24日に千葉・幕張メッセ イベントホール、10月30日、31日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催されます。また、8月1日にはSU-METALにとって初の広島凱旋となった、昨年12月の広島グリーンアリーナでの〈LEGEND - S - BAPTISM XX -〉公演の映像作品(
Blu-ray TFXQ-78162 8,000円 + 税 /
DVD TFBQ-18204 7,000円 + 税)が発売されることも決定しています。
[ライヴ・レポート]
〈Download Festival〉は、1980年に初開催された〈MONSTERS OF ROCK〉を継ぐ形で、オーガナイザーであるアンディ・コッピングらによって2003年に初めて主催された。また同フェスはイギリスだけに留まらず、開催国はヨーロッパ、アメリカ、南米、豪州など10ヵ国以上にのぼる、世界的に有名なロック・フェスである。そのフェスに、BABYMETALが2年ぶり3度目となる出演を果たした。今ではもうBABYMETALが海外のロック・フェスに出演することは当たり前のような感覚になっているが、冷静に考えるとこの若さで海外のロック・フェスの常連となっていることは驚くべき功績である。
開演15分前に場内を見渡すと、最後方のフードテントまで埋まっていて、入りきれない人たちは左右に大きく広がっていた。周囲にはタトゥーを入れたメタラーがたくさんいるが、多くの女性ファンの姿も目に付く。新曲「IN THE NAME OF」でライヴが始まると、場内からは大きな歓声が沸き起こった。イギリスでのライヴをずっと待ちわびていたのだろう、頭を揺らしてリズムをとる人たちはみな笑みを浮かべている。続いて披露された「メギツネ」「ギミチョコ!!」ではモッシュピットが形成され、笑顔で体をぶつけ合い、まさに場内はお祭りムード。誰もがBABYMETALの洗練されたライヴ・ショーを楽しんでいる。
〈METAL RESISTANCE 第7章〉では、ダークサイドの選ばれし7つのメタルの魂“THE CHOSEN SEVEN”をテーマにした内容で、複数の新曲の披露や新衣装、さらにパフォーマンスも一新したライヴを見せているBABYMETAL。この日も新曲のSU-METALのソロ曲や「Distortion」が披露されたが、初めて新曲を目の当たりにした観客は熱狂し、コール&レスポンスでは大声を張り上げ、モッシュも何度も発生。続く「KARATE」では観客の興奮は最高潮に達し、間奏での大きな手拍子を経たサビでは自発的にジャンプする人やクラウド・サーフィングをする人が続出。場内は興奮の坩堝と化した。最後の「Road of Resistance」では、会場のあちこちで大きなサークルピットが発生。すべての演目が終わると大きな拍手と歓声が沸き起こった。演者が去ってもなお続く、アンコールを意味する“ワン・モア・ソング”の大合唱。筆者は感動的だった2年前の雨中のライヴも観たものの、今回のライヴは2年前の狂騒を凌駕した。さらに洗練されたパフォーマンスを披露し、演者と観客が大きくシンクロした、一体感の伴った極上のライヴを作り上げた。後方に陣取っていた、BABYMETALのライヴ初見の観客も大いに満足したに違いない。“ここに戻ってきてくれてありがとう!”と叫ぶイギリス人青年の屈託のない笑みが今日のライヴの成功を如実に物語っている。文 / teri
©Amuse Inc. Photos by Enda Madden