福村博のアルバム『ホット・ショット』が11月26日(水)にリリースされます。
このアルバムは'85年にまずLPレコードでリリースされ、数ヵ月後には
CDもリリース。CDの黎明期ならではの、両メディアでのリリース・スタイルでした。
発売元レーベルは、当時アポロン音楽工業に設立された新しい洋楽レーベル「モーニング」からのリリースです。この新レーベル第1作は、
ブレッカー・ブラザース、
クルセイダーズでの活動が有名であるアメリカのギタリスト“
バリー・フィナティ”の「ライツ・オン・ブロードウェイ」です。
このバリー・フィナティも参加し、ニューヨークで売れっ子ミュージシャンとともに制作されたのが、福村博のこの『ホット・ショット』です。これは、モーニング・レーベルの第2作となります。
福村自身のセルフ・プロデュースであり、バリー・フィナティも共同プロデューサーとして名前を連ねています。
モーニング・レーベルでは、若手アーティストを中心にジャズ・ポップと呼べるようなAOR、フュージョン作品のリリース方針を掲げていました。この『ホット・ショット / 福村 博』は初のリイシューとなります。
[本人コメント: オリジナル・ライナーノーツより]バリー・フィナティとのレコーディングの話が最初にあったのは、まだ僕がネイティブ・サンのメンバーだった1982年の頃でした。当時、バリー・フィナティ―の名前やプレイは、ブレッカー・ブラザース、クルセイダーズ、それにマイルス・デイヴィス等のレコードやコンサートからよく聴いていて、すごくセンスの良いミュージシャンだな、という印象を持っていました。
ぜひ実現させたいと思ったのだけど、ネイティブ・サンのバハマでのレコーディングと重なってしまい、調整がつかないまま、残念ながらその話は消えてしまったのでした。
それから約1年半後、僕がネイティブ・サンを離れて、自分のグループを作り、演奏活動に入った時、再びバリーとの話が持ち上がったのです。そして今回やっと実現する運びとなったわけです。
バリーとは、前年の5月に彼が私用で来日した際に、初めて会ったのです。その時にメンバーの選択や曲の感じについて、僕の要望を話し、それに従って彼がミュージシャン達のスケジュールを調整してこのメンバーを集めてくれたのです。
ドラムスにスティーヴ・フェローン、ベースにアンソニー・ジャクソン、キーボードにケニー・カークランドとマーク・グレイ、パーカッションにサミー・フュゲロア、そしてヴォーカルにシビル・トーマス、それにバリーのギターという息のあったニューヨーク在住の一流ミュージシャンばかりで、さすがに音造りのセンスの良さ、曲の解釈の速さと正確さは、素晴らしいものでした。
ミュージシャン同志は数多くのレコーディング等で顔を合わせている様子で、コンビネーションは抜群でした。
今回のレコーディングが短時間で出来上がった事も彼らの力量だと思います。
また、僕自身も全曲オリジナルだったので、時間をロスしないように、アレンジにかなり気を使ったことが、レコーディングをスムーズに進める事ができた要因の一つだったと思います。
このバリーとのレコーディングの話を前回の時から計画し、協力していただいた音楽出版社およびスタッフに深く感謝いたします。
福村 博