KERAが、現在の彼を形作った数々の名曲を綴ったフル・カヴァー・アルバム『まるで世界』を、7月7日(水)にCDとアナログ盤でリリース。
じゃがたら、
ルースターズ、
ユーミン、
矢沢永吉から「みんなのうた」まで“大好きな曲ばかり”をセレクト。さらに様々な、これまた大好きな楽曲たちのイメージと“ネジで結合”してアレンジ。初期エンケン(
遠藤賢司)の琵琶のような奏法と変則チューニングを結合したイントロで始まるリザード「サ・カ・ナ」、
別役実の不条理な世界をボイパ風アカペラで歌い上げる「まるで世界」など、大きなネジ、小さなネジで結合されたねじれの世界はまさにKERAの真骨頂です。
ブックレットにはKERA自身によるセルフ・ライナー付き。CDとLPが同時発売で、CDは見開き紙ジャケット仕様、アナログ盤は2枚組見開きジャケット仕様のカラー・ヴァイナル重量盤で、ボーナストラックとしてCD未収録の5曲(全19曲)を収録。
[コメント]作る予定の無かったアルバムが出来た。
これを記している今は2021年4月終わり。突然湧き出てきて、瞬く間に世界を奈落の底に突き落とした「新型コロナ」という名のウイルス。わが国に緊急事態宣言なる、ゴジラとかああいう映画の中でしか発令されないと思っていたものが初めて発令されてから一年あまり。現在も東京は三回目の宣言下なのであり、いつ終わるとも知れないこの珍騒動が、あらゆる予定を狂わせ、もちろん私の予定も大幅に狂わせ、結果、作る予定の無かったアルバムが出来たのである。本当に良かった。ありがとうコロナ。
今回カヴァーした楽曲は、アレンジ段階において、様々な、これまた大好きな楽曲たちのイメージと「ネジで結合」している。あたりまえだが実際にネジで結合したわけではなく、頭の中で無理矢理くっつけたのだ。強いて言うならこの点が本作の独自性である。曲解説でコメントした以外にも、実に多くの、細かな、「小さなネジでの小さな結合」が隠されている。大方の結合がまったく以て個人的な選択であるが、ソロアルバムというのは個人的なものなのだ。楽しんで頂けたら幸いなのです。よろしくお願い。――KERA(セルフ・ライナー・ノーツより一部抜粋)