世界四大映画祭の一つである〈モスクワ国際映画祭〉(6月20日〜6月29日)のコンペティション部門へ出品され、見事、最優秀作品賞に次ぐ“審査員特別賞”を受賞した『さよなら渓谷』(日本映画では『手をつなぐ子ら』[
羽仁 進監督]以来48年ぶりの快挙!)。7月2日(火)には、モスクワに渡航していたキャストの
真木よう子、
大西信満、そして
大森立嗣監督が帰国し、受賞会見を行ないました。
会見では、本作について、「自分にとって大切な作品の一つだったんですね。乗り越えられたのはスタッフの方々やもキャストの皆がすごく苦しい思いをして頑張って、でもその中でものすごく信頼感があふれていた現場だったからでした。私にとっては皆さんに出会えたことが光栄に思えますし、すごく嬉しい時間だったというか……そういう映画でした。モスクワでこのような賞を取れたのはありきたりな“嬉しい”では言い表せない気持ちになっています」と想いを語った真木。受賞を一番に報告した相手を尋ねられると、「私は自分のお母さんです。お母さんもずっと応援してくれていたので、夜中だったんですが、すぐ電話に出てくれて、泣きながら喜んでくれてすごく嬉しかったです」とのこと。また、今後の女優活動には、「カンヌに続いて、モスクワと賞をもらいましたけど、これは当たり前のことではないです。“おごるなよ”と自分に言い聞かせてます。自分がこれから仕事をしていく上での自信をもらいました」と、気持ちを新たに。
加えて、初日舞台挨拶時にサプライズで披露された、原作者である
吉田修一からの手紙に触れ、最近“嬉し泣きをしたこと”について尋ねられると、「言いたくないなあ……」と濁らせつつも、「吉田修一さんから舞台挨拶の時にサプライズでお手紙を頂いたんですね。その時とても泣きそうだったんですけれど、我慢して……。まだ(モスクワ映画祭の)何の結果もでていなかったので。それを今日モスクワ映画祭で賞を頂いた時に、やっとこれで涙が流せると思って。でも実は……もう少し前に吉田さんから頂いた手紙を見返して、夜中で一人で読んで泣いてしまいました」と、明かしました。
そして最後に、「賞を頂けたことは本当に誇らしいことですし……。これは自慢していいと思うので! 皆さん、観なければ損です。ぜひ劇場に足を運んでください」(真木)と作品をアピール。大森監督と一緒に企画から携わっていた大西は、「難しい題材でありながらも、人間ドラマとして世界の人に評価してもらえたことが日本に伝わって、観てもらえるきっかけになったと思うので、これを機にいろんな層のお客様に来て頂けるといいなと思います」、大森監督は「単館系の映画を観ない方も、これをきっかけに映画館に脚を運んで頂いて。観たら何か心に残ります!」と、言葉を寄せています!