は、桑沢デザイン研究所(グラフィックデザイン科/写真研究科)を卒業後、広告のデザイナー、アートディレクターとしてHONDAやYAMAHAなど数々の広告を制作。また、個人での写真作品の制作も続け、1988年に写真集『ParisPARIS』を発表、同名の個展も開催しました。そして、92年には株式会社「コーリング」を設立。同年にはエッフェル塔をテーマに「時間の残像」と題した個展も開催しています。
「コーリング」設立以降は、稲垣潤一や織田裕二、島谷ひとみ、TM NETWORKなどのCDジャケットを手がけ、1998年、2001年にはBUCK-TICKのWEBサイトを制作。また、音楽以外の分野でもその手腕を発揮し、藤原紀香や郷ひろみ、高橋克典などのカレンダー、2004年にはガンダム25周年のロゴマーク・デザインを手がけるなど、音楽の枠を超え、あらゆる方面で活躍をしています。最近の作品では、HY『Confidence』、ジン『レミングス』などのCDジャケットのアートワークがよく知られているところでしょうか。また、Sunnyday Orange'のライヴ「360°センターステージワンマン/音の実験室」では、舞台美術演出を担当しました。
高津氏の作品の特徴を挙げるならば、コラージュ感覚あふれるアートを生み出すデザイナーとしての側面と、被写体や風景などが持つ空気感をとらえた写真家としての側面の両方が、しっかりとそのアートワークに現れているところでしょうか。独特な色あいによるコラージュでの美的感覚。HYなどのアルバム・ジャケットで見ることができるシンプルながらも説得力のある力強いその写真からは、高津氏の統一性を持った世界観が見えてきます。また、CDなどのアートワークにおける空間や光の生かし方に、どこか宇宙的感覚を感じさせるところも高津氏ならではの作風ではないでしょうか。
そんな高津氏によるグラフィック・デザインと物語、音楽を融合した革新的な作品集『Silent Code』(写真)が11月に発売されました。8つの星をテーマに描かれたアートワークと「クロノス」「幻想天体」「時間地図」と題された3つの物語から成り立つ、コンセプチュアルな内容になっている今作。グラフィック・デザイン的なアートだけでなく、オイル・ペインティングなどによる作品も収録され、いわゆるデザイナーのアートワーク集とは一線を画した、五感を刺激する作品集になっています。宇宙空間に浮かぶ幻想的かつ神秘的な惑星のグラフィックと、クロノスシステムという人類の新しい生活圏を軸とした物語は、まるで壮大なSF映画を観ているような気分にさせてくれます。
また、この作品集には、Dragon AshやHYなどのサウンド・エンジニアを務める飛澤正人による8つの星をイメージしたサウンドトラックCDも収録。静(Shizuka)(写真)の透き通ったヴォーカルがのった、ブレイクビーツなどを使用したアンビエントかつスペーシーなそのサウンドトラックが、『Silent Code』の世界をより深いものにしています。LPサイズの作品集に描かれた、鮮やかな光を放ちながら宇宙空間に浮かぶ、赤や青といった色の惑星のグラフィック、宗教的、哲学的な面も持ち合わせたストーリー、そして、その世界の奥深くへと誘ってくれる音楽。その3つが見事に融合したハイブリッドなアートワーク集、それが『Silent Code』なのです。










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